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171 スサーヌ公爵家
トランはスサーヌ公爵家の庭で寝ていた。
「、、、」
ヤハラマーン王国
スサーヌ公爵家、サーネはそこの令嬢だった。
サーネをスサーヌ公爵家に連れ戻したトランは客人というかたちで滞在していた。
トランのような見かけの者はサーネ達が住む新大陸にはおらず、トランは注目を浴びる事になった。
そしてサーネ達の国ではトランの黒い髪は不吉の象徴であり、ヤハラマーン王国の伝説『金の勇者と黒の悪魔』に出てくる悪魔そっくりの見かけをしていたのだ。
サーネを助けた恩人であるが、
このせいもあり、公爵家でトランはあまり良く思われていなかった。
たっ
たっ
たっ
トランに近づく気配
「、、、」
反応しないトラン
寝ている。
「起きろ!黒髪」
ハラがトランを呼ぶ。
ハラは森で戦った指揮官だ。
公爵家最強の家臣であった。
ハラはトランをよく思っていないようだ。
「ん」
うっすら目を開けるトラン
「ジン様がお呼びだ!
ついてこい。」