166 新大陸 敵
トランの気配察知範囲は驚くほど広い。
気配は放つ物は
明らかにトラン達に向かっている。
その気配は複数ある。
トランはまた笑う。
「ははは
最高だな」
トラン達は新大陸に上陸してから
一度も戦闘になっていなかった。
この広大な森に入り5日も魔物や動物らしい物に遭遇していないのだ。
この豊かな森で、
普通に考えれば異常だ。
しかしトランにはその原因がわかっていた。
トランはサーネのいる木から距離を取り危険が及ばないようにする。
複数の気配はトランを囲むように散る。
トランからは目視できないが、
トランにはわかっていた。
トランは大気から魔力を使い多くの情報を読み取る事ができる。
トランは目を閉じて感じる。
気配を、、、
そして耳を澄ませる
「、、、」
「なんだアレは」
気配
「魔物?いや人か」
気配
「武器を持っているぞ」
気配
「だがあの黒髪、、、
悪魔のようだ」
気配
「肌の色も変だ」
気配
「黙れ」
「「うっ」」
「合図で攻撃に移れ
敵は得体がしれん。
隙を見せるな。
」
気配の正体は人?のようだ、、、
トランはまたニヤリと笑う。
トランは大きくいきを吸う。
「ガアァぁぁぉああ!!!!」
トランはとてつもない声で獣のように吠える。
気配たちが恐怖する
それを感じ、
「ははは」
何故か笑う。
「攻撃」
気配
トランに向かって無数の火の玉が飛んでくる。
火の魔法のようだ。
トランなら避けれるスピードだが、
トランは避けない。
バ
ば
バ
バ
バ
次々とトランに命中する。
トランは燃え上がるが、
「、、、」
気配
「全員武器を取れ!
敵は無傷だ。」
指揮官らしき気配は合図を出す。
驚きの声が上がる。
カシャ
カシャ
カシャ
金属の掠れる音。