116 勇者 vs 悪魔
トランは模擬戦場におりてアラグと向き合う。
1人の女子学生が二人に近づき。
「アラグ何やってんの」
強い口調の女子学生
「模擬戦だよリサナ」
素直に話すアラグ
アラグとはとても親しそうに見える。
「模擬戦は危ないって言ったじゃない!!」
更に口調が強くなる。
「でもこれは、、、
必要な事なんだ。」
アラグは一度考える。
そして自分の言葉で話す。
とその時
「邪魔だ。模擬戦場から出ろ。
暇じゃねーんだ」
トランは少女に思ったことを言う。
「あなた!誰か知らないけど、
アラグには絶対勝てないんだから
怪我しても知らないわよ!?」
女子学生はトランにも強い口調で噛み付く。
「、、、」
トランは何も聞こえないように
アラグをみて無視する。
女子学生がいないかのように、、、
「アラグ!私もう知らないから」
そのトランの態度に
女子学生は怒って帰ってしまった。
「すみません。
悪い子ではないんです。」
申し訳無さそうな顔をするアラグ
「ああ
気にしてない
始めるぞ!」
トランは笑う。
、、
、、
。、、
2人は戦闘態勢に入る。
向き合う2人
模擬戦場に
緊張感が広がる。
アラグは迷いのない目でトランを見る。
、、
トランは眠たそうな目でアラグを見る。
アラグは向き合うと少し大きく見えた。
緊張感が崩れるように
試合の合図
「初め!!」
ベルグが立会人を務める。
よく通る声
心地よい声だが、今は誰も気に留めない。
合図の瞬間に
アラグが勢いよく飛び出しトランに切りかかる。
あまりにも鋭い飛び出しに驚くアルホ
飛び出しの勢いをそのままに剣をふる。
一つ一つの動きの繋ぎめが滑らかで
流れるような剣。
剣に気狂いのベルグには
アラグの努力がわかる。
恵まれた能力に驕ることなく、
誰よりも剣を振り続けていることが。
かつての自分と重ねて
少し胸が熱くなる。
トランはすべてを防ぎ切るが、防戦一方の型になる。アラグの剣圧で空間が揺れる。
模擬戦刀が壊れないのが不思議なくらいだ。
予想を遥かに超えた
アラグの戦闘能力にトランは、、、
「ははは
ヤベーぞ!ベルグ!
こいつめちゃくちゃ強い」
楽しそうにはしゃぐトラン
トランは一旦距離を取り、
次はトランから攻撃にはいる、、、
トランの剣は荒々しく予測がしにくい
が、、、
見事に全部防がれ距離を取られる。
トランは追撃せずアラグをじっと見つめた。
アラグは戦闘態勢のまま構える。
「、、、」
「!!」
驚くアラグ
突然トランが目を閉じたからだ。
「あっ!」
「!、、」
バルカとアルホが反応する。
何故か
アラグは慌てて間合いを広げ身構える。
トランは動かない。
「、、、」
アラグも動かない。
、、、動けない。
沈黙が続く。
、
、
、
そして
、
、
、
トランは静かに目を開きアラグを見る。
そして優しく微笑んだ。
「ははは
面白かったな!ベルグ!
オレの負けだ」
トランはベルグにしゃべりかけ、
トランはあっさり負けを認める。
「えっ!」
驚くアラグ
まったく予想していない事態に動揺するアラグ。
「、、、
トランもう帰る?」
ベルグがトランに声をかけ。
「ああ
用は済んだ!」
よくわからないが
トランの用は済んだらしい。
「僕はもう少しだけ残るよ。」
トランの対応をあまり気に留めないベルグ。
「そうだな。
後は任せるわ。」
ベルグの方を見ないで去って行くトラン
2人だけで会話が進む。
トランとベルグだけ通じてるようだが、
アラグはもちろん周りはついていけない。
「あ、、の」
トランに声かけよとするが、
そんな時間もなく去ってしまった。