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晴天  作者: よた
第一章
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第五節 老人と天使

 エドの事務所。エドはミーシャを椅子に座らせる。


「そこに座りなさい。っで、君の名前は何というんだい? それと、どうしてビリーと?」


「ミーシャと言います。昨晩凍えているところを助けてもらいまして、今に至るのです」


 エドはさらに質問した。


「そうか、ミーシャ、私には君がまだ子供に見えるから、家出でもしたのではないかと思っている。お父さんやお母さんはどうしたんだい?」


「そういったご心配には及びません。私に父や母はおりませんので」


 エドは、申し訳ないことを聞いてしまった気がしたが、さらに言った。


「それはどういう意味だい。もしかして、戦争とかで亡くなってしまったのかい?」


「いいえ、そういうわけではありません。どうしてかと聞かれれば、答えがないわけではありませんが……」


「それは一体何だい? おじさん、君のことを知りたいんだ。教えてくれないか」


 ミーシャは下を向き黙り込んだ。それを見たエドは一旦話すのをやめた。少しの間の後、エドは言った。


「まぁ、とりあえず。それは置いておこうか。問題はこれからどうするかだ。ミーシャ、これからどうするつもりなんだ」


「わかりません……」


「そうか、このままビリーの家にいてもいいが、ビリーだって自分の暮らしがあるんだ。おまえはずっとビリーの稼ぎで暮らしていくつもりか?」


 ミーシャは首を横に振った。


「それじゃ、仕事をせねばならん。わかるな」


「はい、私はここで働けばよいのでしょうか」


「別にそれでもいいが、それは最後の手段だな。他の仕事を見つけてくれ。この街の職場案内所があるから、そこで仕事を探してくるといい。日雇いでもなんでもいいから。こういうのは早くやってしまったほうが楽だしな。ビリーが場所を知ってるから一緒に行ってきなさい」


「はい、わかりました」


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