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晴天  作者: よた
第五章
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第一節 病気


 ミーシャがある朝目覚めると、ビリーが苦しそうにうずくまっていた。ミーシャは心配そうに言った。


「ビリー、大丈夫? 気分悪そう」


「うん……。ちょっと……。ね」


「今日は学校も仕事もお休みした方が良いのです」


「うん……。今日は無理そう。お願い」


「ビリーのことが心配なので私も休みます」


「え、いいよ。少し休めば良くなると思うから」


「ダメです」

 

 ミーシャは直ぐに学校に電話をかけた。そしてビリーはその声を黙って聞きながら目を瞑っていた。

ミーシャがビリーの元へ戻ってきて言った。


「ビリー、学校には言っておきました。他にも体調を崩した人がいるらしくて、警備員さんがまとめて先生に行ってくれるそうです。それと、少し経ったら、工場にも連絡します」


「ありがとう、ミーシャ……。あの、お水だけ取ってきてくれないかな」


 ミーシャは蛇口を捻りコップに水を入れ、ベットの脇に置いた。ビリーは水を飲み、また目を閉じて横になるのであった。


 ミーシャは少し経った後、ホテルへ電話をした。


「あの、フロントの方でしょうか?」


 すると聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「テイラーホテル、副支配人のフレンダです。ご用件をどうぞ」


「あ、フレンダさん。私です。ミーシャです」


 フレンダは何か良くないことが起きたことを察し、客から見えない位置に移動し、声を小さくして話を続けた。


「もしもし、ミーシャさん。どうしたの?」


「あの……。ビリーが」


「ビリー? ビリーってミーシャちゃんの弟だっけ?」


「はい。弟が体調を崩してしまって、風邪なのかもしれないです」


「あら、大変。お医者さんには連絡したの?」


「いいえ、まだです」


「それなら早い方が良いわよ。それと、今日の担当は変わってもらうわね」


「本当に、すみません。ありがとうございます」


「良いのよ、こういう時は、あっそうだ、もし時間があったらホテルに寄ってくれる。おかゆはいつも余ってるから……。作るの大変でしょ? それと、今日はあなたも安静にしていなさい」


 ミーシャはまたお礼を言い、電話を切って、直ぐに医者を呼ぶのであった。


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