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晴天  作者: よた
第四章
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第四節 カレーライス

 放課後、ビリーとミーシャは仕事場へと向かうのであった。


「それじゃーね。あ、夕飯はどうする? 多分今日は僕の方が先に終わるから」


「それではカレーライスがいいのです。食堂で見て気になりました」


「わかった。簡単だから良いよ」


 ミーシャは即興でカレーライスの歌を歌いながらテイラーホテルへと向かうのであった。


~カレーライスの歌~ 作詞・作曲 ミーシャ


カレー  カレー  カレーライス 

おいしー おいしー カレーライス 

ビリーが作った   カレーライス 


 ミーシャはホテルに着くとホテルの裏口に回り、いつも通り警備員に挨拶をするのであった。


 ミーシャは入館時間と名前を書き、更衣室へと向かった。そして、歩いているとアントニーが顔を真っ赤にしながら重そうな荷物を箱んでいるのであった。


「アントニーさん。おはようございます。重そうな荷物ですね。手伝いましょうか」


 アントニーは一旦、荷物を置いた後、手を休ませながら言った。


「あー、ミーシャさん。おはよー。大丈夫だよー。まだ勤務時間じゃないしね。今日は結婚式が5件もあったんだよ。この時期は本当にきついなー。初めてだけど。だからもういろんな会場を行ったり来たりでさー」



「フフフ、大変ですね」


 アントニーはまた重たい荷物を持ち上げながら言った。


「まぁ、これも後少しの辛抱……」


「そういえばアントニーさん、聞きたいことがあります」


 アントニーは重い荷物をまた下に下して答えた。


「うーん。何?」


 ミーシャが真剣に言った。


「カレーライスとは一体どのような食べ物なのでしょうか?」


 アントニーはまた重たい荷物を持ち上げながら答えた。


「うーん。色々あるからなー。まぁ、共通して言えることはスパイシーってことかな。それじゃ」


 ミーシャが興味深々に言った。


「ほー。スパイシー。それは一体どんな味なのでしょうか。気になります」


 アントニーは重い荷物をまた下に下して答えた。


「勘弁して~。うーんっと。辛いけどおいしいみたいな?」


「はぁっ。すみません。お仕事中なのに」


「いいよ。それじゃあね」


 ミーシャは更衣室で着替え、直ぐにいつも集合する部屋に向かった。今日ミーシャがやる仕事は客に出す料理の配膳とその片付けである。ビュッフェ形式なので配膳係のスタッフが厨房のカウンターの前に並び、一人ずつ料理を受け取り指定の場所へ料理と皿を運ぶ。ミーシャは小柄ながらも体力はあったので軽々と大皿を持ち上げ周りの従業員を驚かせた。


 女性の従業員が言った。


「へぇー。びっくりした。あの子すごい力持ち」


 その間ミーシャは自分で作ったカレーライスの歌を心の中で繰り返すのであった。


~カレーライスの歌(改)~ 作詞・作曲 ミーシャ


カレー  カレー  カレーライス 

おいしー おいしー カレーライス 

ビリーが作った   カレーライス 

スパイシーな    カレーライス 

辛くておいしい   カレーライス 



 料理の配膳が終わり、夕食の時間となった。ある程度客が夕食を食べ終わり部屋に戻っていくところで皿を片付け、皿洗いの男性従業員に渡した。それを何度か繰り返したところでミーシャの勤務時間が終了したので、近くの従業員にだけ挨拶をして帰るのであった。


 ミーシャは家に帰る途中もカレーライスの歌を周りに聞こえない程度の声で繰り返し歌うのであった。


~カレーライスの歌(改の改)~ 作詞・作曲 ミーシャ


さむいな さむいな 春なのに

あった  かいものー が食べたいな

そうだ  そうだ    夕飯は

カレー  カレー  カレーライス 

おいしー おいしー カレーライス 

ビリーが 作った  カレーライス 

スパイ  シーな  カレーライス 

辛くて  おいしい カレーライス 

 


 ミーシャは家に到着し、家のドアを開けて言った。


「ただいま」


 するとビリーが答えた。


「お帰り、カレーライスできてるよ」


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