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晴天  作者: よた
第四章
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第一節 春のある朝

 ミーシャがホテルに勤め始めてから数か月が過ぎた頃、ジョンはミーシャを学校に通わせることにした。ミーシャが学校に通っている間、仕事は学校が休みの日や放課後だけになった。


 学校に始めて登校する日、ミーシャはいつもより早く起きるのであった。そしてビリーが起きる前に顔を洗い、髪を梳かし、サンドイッチを作った。そうこうしているとビリーが起きてきた。ビリーは寝ぼけて半開きのドアに足をぶつけてうずくまった。それを見たミーシャは心配そうに近づきビリーに言うのであった。


「ビリー。大丈夫? 立てますか? ウフフフ」


「うん……。涙が出そうだよ」


 ミーシャはビリーのことを笑い、歩き出すとミーシャも椅子に足をぶつけてうずくまった。


「くぅ……。痛い」


 サンドイッチを食べながらビリーがミーシャに言った。


「それにしても、転校でもない人を、ジョンは一体どうやって入学させたんだろう」


「ジョンが色々と根回しをしてくれたのです。私はジョンの遠い親戚で、他の学校から転校してきたということになっています。校長がホテルに来ている時に、ジョンは大体こんな感じで話していました」


 ミーシャは手を口に見立てて、一人二役の子芝居を始めた。


ジョン「これはこれは校長先生、ごきげんよう。ところで今日はちょっと相談があるんだよ」

校長 「は、支配人! 今日は何の御用で……」

ジョン「まままままー、ちょっとねー。この女の子を一人、入学させてほしいのだよ」

校長 「えー。それはそれは困りましたなー」

ジョン「あっはっはっはー。分かってるさ、その上でお願いしているのさーこっちはー」

校長 「そうですなー。それではこれ位はなー。ほしーなー」

ジョン「あっはっはっはっー。しょうがないなー。いいよー」


ビリーは言った。


「大人って怖いな」


 朝食を食べた後、ビリーとミーシャは、家を出た。そして一緒に歩き学校へ向かった。ミーシャはこの日を心待ちにしていたので、今にもスキップをしてしまいそうだった。


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