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クリスが見つけた時、その人は草原の中にゆらゆらと浮かんでいた。


霊を視るなんて昔から日常茶飯事で、取り立ててどうというものではないはずだった。

けれど、その人を発見した時、クリスは、ただ、綺麗だと思った。


キラキラと光るエーテルの体。


神霊や精霊など、光を纏う霊体はそこそこ存在するし、仕事柄、見かけることもある。

それらに特に心を揺さぶられる事なんて今まで無かったのに、輝きながら浮かぶその人に、なぜか強く心惹かれた。


全く意志の無い状態なのか流されて行くその体を、引き留め様と近付いたら、一糸纏わぬ姿だった事には驚いたけれど。

更に、目を開けたその人が、その見た目から予想出来なかった、突拍子もない行動や言動をした事には面食らったけれど。


その人が置かれている状況を知った時に、「なんとかしてあげたい」と、思ったのは。

もう何年も他人と一緒に過ごす事なんてしていなかったのに、一緒に居てもいいかなんて思ったのは。


それでもやはり、その人に惹かれていたからかもしれない。


物心ついた時から、馴染みのある霊体の姿とはいえ、その人……アリサさんが、生きているのか死んでしまっているのか、クリスには判らなかった。


(でも……)


ヌガル・ガ・ル


ふと、かつて、師と呼べる人から聞いた言葉を思い出す。


(ヌガル・ガ・ル……)


そうだったらいいな、と、クリスは思った。

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