マンボウ婆さん
「こんにちは、おばあちゃん!」
「おや、マリンバ!
珍しいねぇ、こんな所に来るなんて。
さては、また城を抜け出して来たのかい?」
「だって城の中に居るの退屈なんだもん」
「ふぉっほっほっほっほ、
ボンゴ国王の慌てふためく姿が目に映るわい」
なんとマリンバはマンボウの国の王女だったのです。
「今日は、おばあちゃんに相談があって来たの」
「おや、これはまた珍しいねぇ。
わしに何か相談かい?」
「うん、実はサンバの事で相談に来たの」
「ふむ、サンバねぇ……」
「サンバをどうしたら立派なマンボウに出来るのか教えてほしいの」
マンボウ婆さんは、しばらく考え込んでから、こう言いました。
「このマンボウの国には『マンボウの洞窟』と呼ばれる所がある」
「マンボウの洞窟?」
「うむ、そのマンボウの洞窟の奥に『知恵と勇気の源』と言う物がある。
それを使えばサンバは立派なマンボウに成るじゃろう」
「ありがとう、おばあちゃん!」
と言うとマリンバは早速マンボウの洞窟へと飛び出して行ってしまいました。
そしてマンボウ婆さんはポツリと、つぶやきました。
「はて?……マリンバはマンボウの洞窟の場所を知っておるのかのう?」
案の定、しばらくするとマリンバはマンボウ婆さんの所へ戻って来たのでした。
「おばあちゃん、マンボウの洞窟ってどこ?」
「やれやれ……」
と、マンボウ婆さんは、ため息をついてしまいました。




