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探偵国崎と助手小日向  作者: 今日の空
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アニマルクッキーを

みなさん、今日は。

今日の空です。

文章力、語彙力、表現力が皆無ですが

お付き合い下さい。


それでは、

一話の始まり始まり

 この世界では、知能を発達させた人間達が嘘を吐きながら、笑顔の仮面を被って生きている。その事に気が付いたのはいつだったか。私はその頃にはすでに、甘党であったと記憶している。




 探偵事務所の前に、なにやら怪しげにうろうろしている女性がいた。

 助手の小日向は表へ出ると、

「なにかお探しですか?」

と、人懐っこい笑みを浮かべて尋ねる。すると、女性は少し言いにくそうに口を開く。

「…あの、探偵事務所ってここですか?」

「はい。ご案内しますよ」


 店が建ち並ぶ大通りの小路地に、居酒屋と喫茶店に挟まれている。というよりは、埋もれるような所に探偵事務所の狭い入り口がある。案内板も無ければ看板すら無い。かろうじて雨風でボロボロになったチラシが、ドアの真ん中に貼られているだけだ。


「ご用件を伺いたいところですが、外は暑かったでしょう。まずは、涼んでください」

「あ、はい」

「申し遅れました。僕は先生の助手を務めている、小日向 賢士(けんし)です」

 小日向はガラスのポットを冷蔵庫から取り出した。透明なポットの中で、輪切りのレモンが涼しげに揺れた。

「レモンって大丈夫ですか? これ、レモン水なんですけど…。他にも麦茶や、コーヒー、緑茶や、紅茶がありますけど、どれがお好みですか?」

「え、あ、レモン水で大丈夫です」

「わかりました」

 小日向は手際良くコップに氷を入れてレモン水を注ぐ。手慣れているその動きには就く職を間違えているのでは、と考えてしまう。


「どうぞ」

「ありがとうございます」

小日向はミントを浮かべたレモン水と同時に、動物を型どった可愛らしいクッキーを女性の前に並べた。

「すみません、先生は今席を外してまして…。先生が戻るまで、僕がお相手させていただきます」

「そう、ですか」

「本日のご用件を伺いますね」

「…依頼を…。…夫の…身辺調査をして下さい」




 和田 君夏さん、三十代後半。職業、専業主婦。夫がここ数年家を空ける事が増え、不振な言動が目に留まるようになったという。

「…お見合い結婚だったんです。お互いの両親の勧めで…。ですから、もし不倫なら、私は離婚を考えて…」

「そうですか…。ここへいらっしゃった時点で既に、お考えはまとまっていますよね」

小日向は少し戸惑った顔をした。けれどすぐに、にこりとした仮面を被る。

「ですが、ご依頼の契約をする前の今、もう一度だけ確認させていただきます」

「っはい」

「真実を受け入れる覚悟はありますか?」

「あります」


 契約用紙の記入を始めた時に事務所のドアが開く音がした。助手の顔がぱぁぁっと輝く。

「先生、おかえりなさい!」

「ただいま。おや、お客様かい?」

 落ち着いた雰囲気を纏った不思議な男性が狭い事務所のなかに顔を覗かせる。サラリと流れる黒髪に、年齢不詳な顔。古臭い喋り方は、小説の中で活躍する刑事や、探偵のようだ。

「私は国崎探偵事務所の社長、国崎 推斗と申します。以後お見知り置きを」

「はい。あの、よろしくお願いします」

  探偵は有名なシュークリーム専門店の紙袋を助手に渡して、和田の前に座った。




 和田 智則、41歳。大手の化粧品会社に勤務。周囲の評価は、寡黙で真面目。友人は少ないようで、聞き込みには苦労した。

「僕、正直この尾行が一番緊張するんですよね」

「仕事だと割り切るしかなかろう」

探偵は苦く笑う。できるだけ身軽な格好で、尾行に挑む。二人の鞄の中にはウィッグや上着、メガネなどが入っている。

 二人は距離をとり、それぞれ待ち伏せを開始した。助手は、友人と待ち合わせしている学生のようにスマホを眺めている。探偵は、金髪のウィッグにキャップを被り完全にチャラ男に変身している。端から見ると、デートの待ち合わせに見えなくも無い。

「先生の場合、割り切るではなく、楽しむと言う方が正しいのでは?」




 夏の空が黒く染まる頃、ようやくターゲットが会社から出てきた。半袖のワイシャツにグレーのズボン、オールバックにされた黒髪のターゲットは少し警戒するように周囲を見回す。

「行くぞ」

 探偵は素早くキャップとウィッグを外し、メガネをかける。一瞬でも見られたら、同じ姿でいるのは尾行のリスクが高くなる。第一印象を変えるだけもリスクが減るのだ。


 ターゲットはコンビニへ行き、夕御飯を買ってまた会社へ戻っる。結果その日は、そのまま会社からは出て来なかった。




 それから二週間尾行したが、ターゲットはコンビニと自宅以外には行かなかった。

「ブラック企業。…浮気、ではないですけど…。これは、別問題が浮上しましたね…」

「助手。解っているとは思うが、その件については私達が関与する事ではない。依頼人は身辺調査をしてほしいと頼んだのだ。私達が関与するのは、『不倫はしていなかった』という事実を報告するまでだ」

「解ってますよ」

 嫌と言うほど、と心の中で付け足す。

()()()()()()()()から」




 報告当日、依頼人はとても落ち着きを払っていた。女性とは強かな生き物である。

「どのような報告でも受け入れる覚悟はあります」

「そうですか。では、単刀直入に結果から申し上げます」

助手はそう切り出した。依頼人はにこりと笑って促す。

「調査の結果、浮気はありませんでした」

「そうですか…」

「調査時に得た証拠写真や調査書などが、こちらです。特にこちらの書類には良く目を通して下さいね」

 依頼人は書類に目を通すと、ある文章で固まった。

「過剰労働…」

思い当たる節があったのか、徐々に納得の表情を浮かべる。

「そう言えばこの事務所、ブラック企業の情報を収集する等の依頼も承っているんですよ。ちなみに、二回目のご依頼は割り引き料金になります」

芝居がかった口調で助手の台詞に、和田はハッと弾かれたように顔を上げた。

「依頼をお願いします。夫が務めている会社を調べて下さい!」

 探偵は不敵な笑みを浮かべる。


「その依頼、承りました」

最後までお付き合さり

ありがとうございます!

~スライディング土下座を添えて~


雷が至近距離に落下すると、地面が振動します。

ゴロゴロなんて可愛い音はしません。


精進します。

今後とも気にかけて頂ければ

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