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『プロローグ』
鉄の響く音。
聞いたことのある。
これは、なんだ。
––––––––––闇 ?
–––––––––––光?
––––––––––––無?
–––––––––––––義?
––––––––––––––夢?
–––––––––––––––––否 幻 。
なんだ、これだけかよ。
青年は 呆れ果てた。
俺には正義の味方は目指さない。
こんな力じゃ意味がない。
無意味
無価値
無謀
無能
––––––––––––––––––––––––––なら、
『 救える命だけ でも 』
『 俺は 救わなきゃ 』
鉄が錆びていく。
ギシギシと音を立てる。
闇を切る。
幻を見せる。
全てを壊す。
義理人情に厚く。
そして、彼は。
無謀だと知りながらも
この世界で
正義の味方を 目指している。