誰か
裸足でいます。
もうここからいなくなろう。
そうしたらきっと、お父さんは怒らないしお母さんも私の事を考えなくていいかもしれない。
お父さんと新しい素敵な家族にちゃんとなれるかもしれない。
そう思って私はヨロヨロと立ち上がり門を出て夜の街に出た。
ここはそこまで田舎じゃないはずだけどやっぱり夜だから外は暗い。
怖くなって戻ろうかと思ったけど振り向くのが怖くてとりあえず足を進めた。
ここからどこへ行こう。どうしよう。
そんなことを考えながら歩いていたら見慣れた遊具が目に入った。
いつも友達と遊んでいる公園だ。
私はその公園にあるブランコに静かに座った。
すると何故かまた涙が溢れてきた。
自分から出てきたはずなのに『見つけて欲しい。早くおうちに帰りたい』とそう思った。
「ダメだよ…。家に帰っちゃ…」
そう自分に言い聞かせるように呟く。
風が吹き、木が揺れる。
私の長い髪の毛も、木の枝と同じようにサワサワと揺れた。
もしかしたらこの風に乗って誰かが来るかもしれない。
それは大好きなお母さんかもしれないし、大好きだったお父さんかも知れない。
私におもちゃを買ってくれるおじいちゃんとおばあちゃんかも知れないし、友達かも知れない。
足のない女の人や、血だらけの男の子、私と同じで泣いている女の子かも知れない。
「誰か...寂しいよ...」
まだ、家を出て数分しか経っていないのにそんな言葉がポツリと零れ落ちた。
ここまでお読み下さりありがとうございました。
夏休み終わりましたね。朝起きられません。お昼から学校にして欲しいです。でもまだ暑いので家から出たくないです。