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捨て雪  作者: 苺恋乳
雪奈の日常
7/13

泣き捨てられた

夏は嫌いです。

「お父さん、お風呂・・・」


私は、なるべくいつも通りを装って話しかけます。

でも、声が上手く出ていないのはわかっています。


「はぁ?そんなもん、一人で入れ!!」


お父さんに突き飛ばされて、私はご飯を食べる机の足で頭を打ってしまいました。

痛いしなんだか頭と目の前がクラクラして、涙がポロポロと零れてきました。

泣いちゃダメ って我慢しようとするのに止まりません。



お母さんが私を助けようと駆け寄ってくれましたが、それよりも早くお父さんが「泣いてんじゃねぇ!めんどくせぇ」と言って私の髪の毛を引っ張ってリビングにある大きな窓から私を外に投げ捨てました。



「いっ・・・」


家の中から私を見下げるお父さんを私は泣きながら見上げます。


「お前はずっとそこにいろ」


お父さんら冷たい声でそれだけ言って窓をピシャリと閉めました。


今は夏だからいいけどもしこれが冬だったらきっと私はすぐ凍えて死んでしまうと思います。

家の中からはお母さんが「雪奈になんてことするの!家に入れてあげて!!」と泣き叫びながら私が投げ捨てられた窓に近寄り、鍵をあけようとしますが、お父さんがお母さんを押さえつけて「うるせぇんだよ!お前もあいつも!!!」と怒鳴りました。

その瞬間、パシッと人を叩く音がしました。



お父さんが、お母さんを叩いたのです。




私は初めてお父さんがお母さんに手を上げるのを見ました。




お父さんはお母さんが大好きなので私に手を上げる事はあっても、お母さんには決してしませんでした。



私はなんだが悔しくて悲しくて涙が出てきました。


窓越しで暗くて良く見えませんが、お母さんの肩が小刻みに震えているように見えます。私と同じできっと泣いているのです。

私の頭の中は『なんで』で埋め尽くされて行きました。



そして一つの答えに辿り着きました。








きっと私はここに、この家にいない方がいい。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。


海に行ったら思ったよりも日焼けしてました。

来年は家から出ないようにしようと思います。

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