はなちゃんと雨
雨が おそらから ふってくる
きょうも おおつぶのなみだ ながしてる
雨は きらい
さむくて びしゃびしゃになるから きらい
しばらくしたら 雨が やんだ
うれしくなって たくさんおそとで あそんだ
たくさん たくさん あそんだ
ある日 はなちゃんが おそらを みあげていた
どうしたの?
こえを かけたら はなちゃんは さみしそうな かおで こういった
雨を まっているの
ぼくは ふしぎで またらなかった
雨なんて ひとつも いいところ ないのに
ちょっとだって いいところなんて ないのに
そんな 雨を まつなんて おかしいよ
ぼくは はなちゃんに そういった
はなちゃんは 雨がないと たいように やかれつづけて いやになるの そういった
でも たいようは みんなの にんきものだから
きらわれないように 雨が そのやくめを ひきうけるの
雨が ふるから たいようが かがやけるの
それにね
雨は わたしたちの かなしい おもいでも どこかへつれさってくれるんだって
パパ と ママ が いってたよ
わたしには まだ わからなかったけど
それに 雨がふらないと おはながね かれちゃうんだよ
わたしの なまえと いっしょの おはながね かれちゃうの
おはながかれちゃうと かなしくなっちゃう
だから 雨を まっているの
ぼくは ぜんぶは わからなかったけど
その サミシイ というきもちは わかった
はなちゃんは また おそらをみあげる
ぼくも いっしょに おそらを みあげた
すこしだけ 雨が すきになっていた