第1話
────人の記憶ってのは…おもったより強くて、でも、おもったより脆くて。そんな記憶にまつわる、ひとつの話──────
僕は近衛徳。私立英来高校に通ってる。
「おおぅ!今日も愛妻弁当かぁ!?羨ましいねぇ!全くぅ」
そんなふうにうざったく話しかけてきたのは俺の悪友。日角炎だ。
「なぁにが愛妻弁当か。んで昼から暑苦しい。」
「連れないねぇ…あっ、冷やかしたから態度まで冷えたってか?ハハハっこりゃいい」
「そろそろ1発殴っていいか?」
「おおっコワイコワイ」
とかいいつつ惣菜パンをあさる炎。
これが僕の日常。悪友とくだらない会話をし、授業がだるいとか、寝不足だとか、そんなことを考えながら過ごすありふれた日常…
「あ、そうだ徳!今日さ、帰り本屋よらね?」
…耳を疑った。あの炎からそんな言葉が出てくるなんてっ
「病院の方がいいんじゃないか?熱でもあるんじゃないか?というより本物の炎か??」
「おいおい、俺だって本屋くらい行くさぁ!ただあんまり行かないってだけだぜ?」
「で、何でまた本屋なんかに行くんだよ。いつもだったらゲーセンとかだろ?」
「いやさ、最近学校で噂たってるじゃん?ほら例の」
「あー、例のって言われてもわからん。でもそういうの好きそうだよなぁ炎って。で、その噂ってなに?」
「なんか、裏路地にある本屋らしいんだけど、そこでとある本を買うと何かが起こるってんだよ。で、その本を買って、実際何が起こるか試してみたいなぁ…なんて」
こういう類のものってどうせ誰かが面白半分で流したデマなんだろうけど
「ふぅ〜ん…裏路地の本屋ねぇ、いいよ。行こう」
デマってのをしっかり解明するのも面白そうだな
「まぁたあんたらくっだらないこと考えてんでしょ!今度は何?お化けでも捕まえる気??」
と突然話しかけてきたのは花月麗。俺達2人の幼なじみであり、僕の、まあその、彼女というやつだ
とりあえず隠し事をするつもりもないからな、本屋に行くってことだけ伝えておこう。
「…ていうことでその本屋に行こうって話だ」
「なにそれ、ただの迷信じゃない?私そんなの信じないわ〜。でもでも、買いたい本とかあるし、付いてってもいい?」
充分興味津々じゃねーかよ…まあ、なんだかんだ俺らのことが心配なんだろう
「じゃ、今日の放課後な!またくるから!!あ、俺がいなくなるからってイチャつくんじゃねーぞ!!」
「「イチャつかねーーから!!」」
と一字一句一寸の誤差もなくハモって赤面。余計に恥ずかしくなるやつね。
とかなんとかやってると昼休み終了の予鈴が鳴る。
「あ、私も次移動教室だったわ!じゃ、また放課後ね、徳!」
と手を振りながら慌ただしく出ていく麗。
「おう、またなー」
と手を振り返してると周りは[あらあらいいですねー]的な雰囲気に囲まれていた。あー。恥ずかしいじゃねぇかよ
そして本鈴が鳴り教師が入って来る。
さぁて、放課後まで寝るかな…
不定期で書いていこうかなぁと、思います!突然更新したりしなかったりで忙しい作品になると思いますがあたたかい目で見守ってください