表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/183

女の子

 幽霊屋敷のクエストを始めてから既にアペルのお化けに関するトラウマは克服出来た。それを考えたら早くダンジョンに行ってグリムリーパーにリベンジを果たしたい気持ちもあったのだが、クエストを受けた以上はこの幽霊屋敷の問題を解決したい。そういう訳でクエストを放り出す事なく、またまた俺達は幽霊屋敷にやってきていた。


「ショウジ、今日も掃除するの?」


 少し嫌そうな表情を浮かべながらソフィアが聞いてきた。


「うん、掃除の続きかな。昨日で屋敷の方は結構綺麗になっていたし、ソフィアには庭の方を手伝ってもらおうかな」


 庭の方は結構大変で屋敷の中と比べると遅れが生じていた。庭の手伝いにソフィアを選んだのは、ハーフエルフだがエルフの血を受け継いでいる分、木や植物の扱いに関しては得意だろうと考えての事で、雑草を取り除くくらいであれば俺でも出来るが、それ以外の手入れになってくると、その辺りはソフィアの方が出来るんじゃないだろうかと思い、それを伝えた。


「それならなんとか出来そうかも」


「良かった。それじゃそっちは任せるね」


 俺とソフィアは庭での作業に早速取り掛かり、シェリー達は屋敷の中へと向かっていった。屋敷の中は再びモンスター達が復活しているので、まずは倒してから掃除に入ろうと思ったのだが、シェリーがアペルと2人だけで十分倒せるとの事だったので任せる事にした。


 ソフィアには雑草以外の手入れをお願いして、俺は雑草を引っこ抜くという作業に没頭していると、突如後ろから声を掛けられた。


「お兄ちゃん、ここで何しているの?」


 振り返るとそこには白いワンピースに似た服を着た小学生くらいの女の子が立っていた。近所に住んでいる女の子だろうか。


「何ってこの屋敷のお掃除かな」


「何で?ここって誰も住んでないはずだよ」


「うん、そうだね。屋敷内にモンスターが出るって言うからそれの解決にやってきたんだよ」


「それなのに何でお掃除してるの?昨日も掃除してたよね?」


 うーん、どう説明しよう。魔力溜まりとか説明しても理解できないだろうし困ったな。


「えっとね、屋敷内はカビ臭かったり埃っぽかったりで空気が悪いし、庭は雑草が生い茂っていて荒れ果てていたから、それらが悪さしてモンスターが出てるのかなって思って掃除しているんだよ」


 そう説明して再び雑草を引っこ抜く作業を再開した。


「ふーん、変なの。今まで来た人達は皆モンスターを倒すだけで終わっちゃってたのに」


 冒険者なら普通そうだろう。モンスターを倒したら解決する方が多いらしいし、この屋敷は例外で俺もなぜ掃除をしようと思ったのか良く分からない。


「それよりこの屋敷はモンスターも出て危ないから、早く帰った方が……」


 振り返るとそこに居たはずの女の子の姿が消えてなくなっていた。俺達がここで掃除している理由が分かったから納得して帰ったのだろうか。まあ、良いか。再び雑草を引っこ抜く作業に没頭する。


 2日掛けてようやく雑草らしい雑草は刈り取った。ソフィアの方も良い具合に花達の手入れがされて綺麗になっている。庭の手入れが一段落した所で、シェリー達が外にやってきた。


「屋敷内の掃除は終わりましたが、庭の方で手伝う事はありますか?」


「こっちも丁度終わったところだよ」


「それと今回の掃除と関係があるか分かりませんが、昨日に比べて復活しているモンスターの数が少なかったです」


 となるとやはり屋敷を綺麗にしたから偏りがなくなって、魔力溜まりが出来なくなったと考えて良いのだろうか。その辺りはまた明日来てみて屋敷内のモンスターの出現具合を見れば分かる事だろう。


 そして再び日を改めて屋敷にやってきたのだが、今日は二手に分かれずに屋敷の中を探索したが、結果は明らかに初日よりモンスターが減っていた。


「掃除でこんなに少なくなるものなのかな?」


「ですが昨日よりも更に減っているのは確かですね」


 そうなるとやはり屋敷を綺麗にしたのが関係があると考えて良さそうだ。だが未だにモンスターが出現するという事はまだ何かあるはず。それが分からない限りは解決したとは言えない。


 やっぱり書斎が気になる。何かあるとしたら書斎しかないと思うんだよね。他は普通の部屋なのに書斎だけがやけに広くて場所を取っている。俺は自分の勘を頼りに書斎を調べる事にした。棚に並んでいる本を1冊ずつ取り出しては、中を確認してまた棚に戻す作業を繰り返した。


 もう何冊確認したか分からないが、机の上にあった本を手に取った時、ポロっとメモみたいな紙きれが落ちた。そのメモを確認すると屋敷の庭の地図みたいな絵が描かれていて、庭にある大きな木のある場所に印が付いていた。そして文字も少しだけ書いてあった。


 文字を読もうとすると、翻訳されて頭の中に流れてきた。我が愛娘を娘が育て愛した木の根元に埋葬したと。手に取った本を読んでみると、どうやらこの館の主人の手記みたいで、娘が病気で亡くなったという所からは何も書かれていなかった。


 気になって手記を遡っていくと、更に紙が挟まれていて、折りたたまれた紙を開くと家族全員の肖像画のようだったが、描かれていた人物を見て驚いた。そこに描かれていたのは館の主人と思われる男性と、奥さんだろうと思われる女性、それと先ほど庭で会話した小学生くらいの女の子だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ