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パワーレベリング

「あっ、ほんとだ!俺も2レベル上がってる!」


「ほ、本当です。ぼ、僕達が20層から間を飛ばして31層に来ちゃったからですかね?」


「格上と戦っている形になるから、セイン達のレベルに対して貰える経験値が多いのかもね。これならすぐにレベルが上がっていきそうだね」


 驚くセイン達に俺は自分の考えを話す。ある意味パワーレベリングをセイン達にしている状態だ。装備などを調えて戦えるようにしたおかげで、格上のメタルリザードとも問題なく戦えている。レベルがグングン上がるのは当然の事だろう。


 そしてレベルが上がるということはスキルポイントが貰える。更にそのスキルポイントは勇者の恩恵によって今までとは比較にならない程に多く貰えているはずだ。それによって今まで取得できなかった高ポイントを使用して取得する上位スキルなども取りやすくなる。


 クレアは《弓術》の上位スキルに当たる《狙撃術》と、派生で出てくる新しいスキルの《罠設置》のうち、《罠設置》を先に取得したようだ。


「よっしゃー!俺もスキルポイントすげー貰えてる!これはもう《剣聖術》のレベルを上げるしかない!あ、でも兄貴みたいに魔法を取るのも良いかな……?あー、どっちにしよう!?」


「ぼ、僕はもう決めてますよ。ショウジさん達の力になるには僕達の場合、ただでさえレベルが低いのですから、新しいスキルよりは今のスキルを伸ばして、どれか1つでも追いつかないとダメだと思います。だから僕は《回復魔術》を伸ばします」


 どれを伸ばしていくか悩んでいるセインにラウリーが自分の意見を述べる。


「そっか……そうだよな。良し!俺も《剣聖術》を伸ばすのに決めた!」


「うす!」


 セインが決意を決めるとハワードも同意するように相槌を打った。どうやらハワードもセインと同じように《剣聖術》を伸ばすらしい。


 俺もセイン達の場合は魔法を取るよりは《剣聖術》を伸ばした方が良いと思っていた。


 魔法はソフィアにシェリーとカトリーナも居るし、属性もある程度分かれている。ただ、問題のある所を強いてあげるとすれば《光魔術》の高レベルを所持しているのが誰も居なくて、《闇魔術》がアペルだけという所だろうか。


 基本の4属性を抑えたせいか、そっちの2属性は少し疎かにしていたが、これからはパーティーメンバーも増えた事だし、相談して誰が取得していくか決めよう。


「うん、それが良いと思うよ。魔法は後衛のカトリーナ達に任せて、前衛のセイン達は少しでもモンスター達に負けないように武術系のスキルを伸ばしてくれればオッケーかな」


「分かりました!《剣聖術》を伸ばして皆を守れる壁になります!そうだよな、ハワード?」


「うす!」 


 気合いの入った声とともに首肯するセインとハワード。うん、ここでミスリルの防具も作ってレベルも上がったなら、きっと頼り甲斐のある立派な壁となってくれるだろう。


「うん、期待してるよ」


 さて、それではメタルリザード狩りの続きと行こうか。


 俺達は話を終わらせて、再びメタルリザードを探して歩き回り、《探知》に新たな反応を見つけるとそちらへ向かった。


「兄貴、今度は俺にやらせてください!俺も新しい技を試してみたいです!」


 今度のメタルリザードも2体だ。道もメタルリザードの場所まで繋がっていたみたいで、上手い具合に連続で遭遇できた。それを目視で確認した所でセインが新技を試したいと進言してきた。


 俺も《剣聖術》の新技は気になる。アペルが使った事があるのは《シールドチャージ》と《メテオラスラッシュ》の2つ。《シールドチャージ》がレベル1の技で《メテオラスラッシュ》がレベル4の技だったので、今回セインが使う新技はレベル2のものだろう。


「俺も新しい技に興味あるから見てみたいかな。ハワードはどうする?」


「……うす」


 ハワードが首を左右にフルフルと振った。どうやらハワードは一緒に新技を試さなくても良いらしい。ハワードはどちらかというと温厚なタイプだし、この場はセインに譲っておくって事かな。


「それじゃクレアも大丈夫だったし、セインも大丈夫だと思うけど気を付けてね」


「了解です。それでは行ってきます!」


 セインがメタルリザードに向かって駆け出していく。


「一応確認するけど、他に誰かメタルリザードと戦って試してみたい事とかある?」


 俺の問いかけに手を上げる者は居なかった。


「私達の中で物凄くアクティブなのはクレアちゃんとセインだけですよ」


「私をセインと一緒にしないでよ」


 クレアがセインと同類扱いされたのに抗議し、いつもの光景にカトリーナ達が笑い合う。


「うわっ!なんだこれ!?」


 和んでいた場がその声を聞いて一瞬にして凍り付いた。声のした方に目を向けると、セインの足下から煙が吹き出し、通路内に充満していく所だった。


「くっ、罠か!」


 俺は慌てて《結界》を展開して煙の侵入を防いだ。それは良いのだが、視界が悪くて肝心のセインの状態が確認出来なかったのだった。

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