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サラマンダー

 サラマンダーは蜥蜴と言うより鰐っぽい。その巨大な口で噛み付こうとしてきたり、長い尻尾を振り回したりしてきた。それらはまだ序の口で、何よりヤバイのが流石は火属性系統のボスと言った所か、《鑑定》した所《炎魔術》のレベル5を所持していたのだ。


 俺達の中で《炎魔術》を使えるのは俺だけだ。しかし、レベル1なのでレベルを上げた時に使えるようになる魔法が不明だ。《鑑定》をすれば使える魔法の名前くらいは分かるけど、それがどのような効果をもたらすのかまでは分からない。


 とりあえず魔法名だけでも確認しようと思い《鑑定》を使用してみると、《炎魔術》はレベル3で《メテオストライク》、レベル5で《ヘルインフェルノ》が使えるようになるらしい。


 《メテオストライク》はなんとなく分かる。多分隕石みたいなものが対象を襲うか、地面と衝突させてその衝撃で周囲を吹き飛ばすような感じだろうか。


 《ヘルインフェルノ》は地獄の業火と言うくらいだから周囲一帯を燃やし尽くすような感じだろうか。


 両方とも想像しやすい名称で助かった。グリムリーパーみたいによく分からないやられ方をするのも懲り懲りだ。


「サラマンダーが《炎魔術》レベル5だから気を付けてください!《ヘルインフェルノ》、《メテオストライク》、《フレイムブレス》が《炎魔術》で使える魔法です!」


「おう!どんなのかよく分かんねえが分かった!」


 そして魔法を使われた時の対策に、特にソフィアの《氷魔術》が頼りになるだろう。更に欲を言えば、ソフィアは蒼玉のウォータースティレットという水属性の武器も持っているので、魔法でも近接戦闘でも火属性のサラマンダー相手には適している。


「ソフィア、《フレイムブレス》は見ているから分かると思うけど、《ヘルインフェルノ》と《メテオストライク》はソフィアの《氷魔術》じゃないと対策出来ないと思うんだ」


 そして俺は先程想像した《ヘルインフェルノ》と《メテオストライク》のイメージをソフィアに伝えた。


「うん、なんとか出来そう」


 ソフィアの負担が増えるが頑張ってもらうしかない。だがシェリーも俺と同じ事を考えていたようだった。


「私が《氷魔術》を取得します。レベル1くらいなら問題ありません。それで《アイスランス》が使えるようになれば、攻撃の部分はある程度ソフィアさんの負担を軽減で出来るでしょう。ですのでサラマンダーの魔法の相殺はソフィアさんにお願いします」


「分かった、任せて」


「それなら僕も《氷魔術》が使えます!レベルは1ですが《アイスランス》で協力出来ると思います!」


 同じくサラマンダーから離れた位置に居たエミリオさんが話を聞いたようで加わってくる。


「それじゃ、エミリオさんにも《アイスランス》でサラマンダーに攻撃をお願いします。シェリーとエミリオさんの《アイスランス》で攻撃を、相手の《炎魔術》の対応はソフィアが担当という事で」


「それでは《氷魔術》を取得します」


「うん、よろしく。それじゃ俺も前線を手伝ってくるね」


 そう言ってシェリーがウィンドウを操作するような仕草をして《氷魔術》を取得した。俺はツインエッジを両手にサラマンダーと戦っているアペル達の所に合流する。


「とりあえずサラマンダーの魔法にはソフィアが対応します。シェリーとエミリオさんが《アイスランス》でサラマンダーを削りますので、俺達はサラマンダーが後衛の所に行かないようにここで足止めです」


「おう、それなら分かりやすい。行くぞ、お前達!」


「了解っす!」


「しょうがないですね、ここは足止めに専念しますか」


 俺、アペル、リディックさん、ベイルさん、グレイノースさんでサラマンダーを囲い、身動きを取り難くする。正面は盾を所持していて一番防御力の高いグレイノースさんが受け持ち、その左右を盾を所持するアペルとベイルさんが並び、俺とリディックさんはサラマンダーの背後からダメージを与え続けた。更にシェリーとエミリオさんの《アイスランス》がサラマンダーを貫いていく。


 サラマンダーが《フレイムブレス》を放ち、首を振って正面側に居る3人を狙う。3人は盾を構え防御しようとしたが、炎が3人を襲う直前に俺達の目の前が真っ白に包まれた。ソフィアの放った《ホワイトブリザード》がサラマンダーごと《フレイムブレス》を覆い込み、サラマンダーにダメージを与えるとともに《フレイムブレス》を掻き消し、その炎をアペル達に届かせなかったのだ。


 吹雪から開放されたサラマンダーはその身体の炎の勢いが弱まっているように見えた。やはり属性の相性か良く効いているみたいだ。俺とリディックさんが弱ったサラマンダーに追撃をする。


「クロスインパクト!!」


「ギガントスラッシュ!!」


 俺の連撃とリディックさんの強烈な一撃がサラマンダーを襲う。だがサラマンダーはその攻撃を喰らいつつも、俺達を無視してソフィアに向けて《メテオストライク》を放った。


 サラマンダーの正面に立つ3人以外には見えていただろう。突如空に現れた巨大な炎に包まれた隕石が、急降下してソフィアの居る地点に向かって勢い良く落ちていく。しかしソフィアは動かない。隕石がソフィア達の居る地点に落ちると思った瞬間、地面から今まで見た事のない巨大な氷の槍が勢い良く飛び出て隕石と衝突した。隕石が氷の槍の先端を破壊し溶かながら侵食していくが、氷の槍も先端は細いが地面に近付くほど極太になっている。隕石はそれらを全て溶かしきる事は出来ずに次第に勢いを弱め、やがて氷の槍の中で制止したのだった。

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