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プロローグ

明けましておめでとう御座います。誤字脱字などは気を付けておりますが、初投稿なので何卒お手柔らかによろしくお願いします。

 魔王ドドシロス・テラ・ギラトロスはふと思った。今まで人族が勇者を召喚して魔王に挑んできていたが、自分が勇者を召喚して監禁してしまえば脅威はなくなるのではないか、と。


 人族と魔族は幾星霜を経て戦争を繰り返してきた。人族には勇者が召喚され、魔族は強い者が魔王に選ばれる。魔王は今までに何人もの勇者を倒してきた。魔族の中からは歴代最強の魔王とさえ謳われている。そんな魔王でもやはり相手が勇者となると厳しい戦いとなる。正直勇者を相手にするのに疲れていた。


 魔王が勇者を召喚するなんてことは今までの歴史にはない事だ。だが歴代最強の魔王と謳われている自分の魔力であれば召喚できるのではないか、人族にできるなら自分にもできるだろう。という考えが魔王の頭に過っていた。


 勇者召喚をするのに必要なものは魔法陣と伝説級のアイテム、最後に多大な魔力である。この中で魔力は問題ないであろう。伝説級のアイテムも今までの勇者が残していった物がある。足りないものは魔法陣だ。魔法陣は人族の領地のどこかにあるのだろうが、細かい場所までは知らなかった。今まで探そうと思った事がなかったからだ。魔王は人族の領地にいる間者に探させることにした。


 幾日か経ったある日、魔法陣を探らせていた間者から連絡があった。どうやら人族のラグゼニア王国の首都にある城の地下で見つけたそうだ。魔王は報告を聞くとすぐに間者から《念話》で魔法陣のイメージを受け取り、そして勇者を召喚するべく動き出したのであった。


 まずは魔法陣である。小規模な魔法陣であれば紙にインクを使用して描く事が多い、大規模な魔法陣に関しては床に石筆を使用して描くのが定石だ。しかし今回は勇者を召喚するという魔法陣である。魔王は魔力伝導率が高い自分の血を使って描く事にした。魔法陣を描き終えると次は勇者が残していった伝説級のアイテムを魔法陣の中央に置く。そして魔王は勇者を召喚するべく魔法陣に魔力を注ぎ始めた。すると淡く光を放ち始め、その光は次第に大きくなり辺りを白く染め上げていく。


 幾程経っただろうか、突然空気が裂けるような音が鳴り出す。そして次第に大きくなっていき、今では稲妻のような轟音が響いていた。それでも魔王は魔法陣に魔力を注ぐのを止めない。今ここで諦めてまた勇者と戦うなんて面倒くさい。更には魔力と血液を使い過ぎていて、また同じ様に消耗して疲れるのは嫌だと考えていた。しかし、実際には魔王の魔力が規格外過ぎて魔法陣の方が耐えられなかったのである。そのことに気付かず魔力を注ぎ続けた結果、魔法陣は暴発した。


 魔王城は爆発の規模に耐えられず崩れていき、周辺には跡形もなく瓦礫の山ができただけであった。


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