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外へ

遅れて申し訳ありません。

下界に降りるには何が必要だろうか?____その疑問に沿って準備を進ませた。


一つ、武装なくして旅適わず。

一つ、ある程度の金銭は必要である。

一つ、食糧は大切である。


この三箇条は守った。


しかし、降りる段階になって問題が発生したのだ。


どうやって降りれば良いのだろうか?


見渡す限り崖しかないのだ。


此処に私が人生最大の大ジャンプをする事が決定ずけられた。



そんなこんなで現在絶賛降下中。


風が強すぎて目が開けられません。ドライアイです。


でも目を見開けば其処には_____地面。


「やばっ。」


しかしながら、そのまま激突するのを良しとする女ではありません。


「【仙術歩法:天摑】っと。相変わらず便利ですね、これ」


【仙術歩法:天摑】____其の名の通り空中を自在に移動出来る歩法だ。


などと解説をしていると、


_____ドゴオオオオオオオオォォォォン


という爆音の後、砂埃の中から数百体のモンスターの軍勢が現れた。


「何故こんなにもモンスターがいるのですか!」


女は悪態を吐きながらモンスター等の攻撃をいなし、バランスを崩した所に小太刀での一撃を繰り出す。


後はもう作業だ。


モンスターにとっては皮肉なことだが、相手が速過ぎる。


人生初めての戦闘をものの数分で終わらせ、己の身体を確認する女。


問題ないようではあるが、彼女の目の前には彼女にのみ見えるウィンドウが浮かんでいる。


『レベルが50を超えたため、サブジョブが解放されました。

選択可能ジョブは以下の二つです。

《侍》《姫巫女》』


これはどうしたものか、と唸る女。


ジョブの確認をすると、


《侍》

力に極大補正。素早さを最低値に固定。


《姫巫女》

読み取れません。


との結果だった。


悩んで悩んで悩んだ末、女は姫巫女を選択することにした。


『《姫巫女》を選択。認証。サブジョブに設定されました。今後変更不可です。

ジョブスキル〈金剛体〉〈魔力消去〉を習得。

〈魔力消去〉の効果により、対象の魔力を封印します。』


メッセージが出たのを最後に女の視界が何らかの力によって塞がれていく。


どうやら魔眼の類である女の目は〈魔力消去〉の効果に引っかかったようだ。


「目が見えないくらいで周りがわからなくなってたまるかー!」


そう叫び、女は全身の視覚以外の感覚に全神経を集中させ、辺りを知覚しようとする。


どれくらい経ったかわからなくなるほど長い時の後遂に、


『スキル〈空間掌握〉を習得した。』


メッセージが流れた。

このスキルを手に入れた瞬間、女の知覚はこれまでにない精度と正確さを持ち、目で見ていた頃よりももっと鮮明で広範囲まで見渡せる死角のない“眼”となった。


何が恥ずかしいのか、女は突然頬を染めていそいそとアイテムボックスの中から布を取り出し、切り、縫い、作りあげた布面で其の美貌を隠した。


「大陸はどの辺りだろうか。」


女はその“眼”で知覚する範囲をさらに広げていき、遂に大陸の一つを知覚した。


「見つけたっ。」


縮地!


女は一陣の風となって消え、辺りは再び静寂に包まれていくのだった。

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