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傲慢

『シャァァァッッ!!』牙を剥き出しにして僕を睨む目は爬虫類独特の光沢をはらんでいる。コブラのように襟を拡げた首はひとつではない。三方向から六つの眼力が送られてくる。

サイレントスナッチ、本来ならばハンターを始めて1ヶ月足らずの僕が戦える相手ではない。

「ーでも、お前が強いほど僕も強くなれる…」

サイレントスナッチの一首が向かってくる。心なしか奴を思い出す。

あぁ、早くお前を超えたい…【圧倒的死グラセス】お前を超えたい。

シュインッ。静かに細剣が抜かれる。それと同時に赤が僕を濡らした。

鮮血が降りそそぐなか司令塔を失った二首は狂ったように暴れている。

そんな彼らに月光を思わせる一筋の光が指す。

『…シャァ?』

ダンジョンの層光に照らされた『カルチュア』が唸る。

サイレントスナッチの上半が空を切った。空中に飛んだモンスターの残骸と目が合う。僕は笑ってしました、あんなに苦手だった血を浴びても平然としている。

「…いつからかな。ははっ…」

不意に足をすくわれる、地面を引きずられる。

「…な、もう1体!?」

とぐろを巻いた状態で締め上げられる。こいつにはあまり筋力がないが、ハンター協会ではサイレントスナッチには絶対に捕まるなと教えている。

『ギシャァァァァッッ!!』

三つ首の襟が揺れる。空気が振動する音に顔が歪む。

「ぎっ!…離せ!はなせぇぇぇ!」

鼓膜が爆ぜる。空気の濁流が僕を飲み込み、体の水分を打ち響かせた。

「がっ!がぁぁぁぁ!!」

薄れる視界のなかで僕の目は何かをとらえた。


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