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神子の恩返し  作者: 天天
『瑠璃』パート
41/63

エピローグ

「……」

 十月の頭だからか、夜はかなり冷えるな。もう夜の十時回ってるし。こんな時間に学生が出歩いてたら補導対象だ。そんな補導も恐れず、俺がまたしても滅多に乗らない自転車に乗って、商店街のファミレス前までなんで来てるのかと言うと、

「お兄ちゃん」

「よっ」

 瑠璃を迎えに来たからだ。

 ……つい数週間前にも同じやり取りをしてた気がする。

 でも今度はお別れ会なんて寂しいものじゃない。

 瑠璃が赤ヶ丘に残れることになって、クラスメートたちが歓迎会を開いてくれたんだ。今度はクラス全体で資金を集めて、らしい。良いクラスだな。

 いや、良い友達をもったな。瑠璃。

 だからこそ、瑠璃が赤ヶ丘に残れることになって、本当によかった。

「もういいのか?」

「うん。別に……今日で最後じゃないんだし」

 まぁそうだよな。これから卒業まで、嫌ってほど顔を合わせるんだ。名残惜しさなんてないだろう。

 瑠璃が後ろに座ったことを確認して、ペダルを踏み込んで発進。秋の夜風が……寒いなおい。心地いいなんて言えるもんじゃなくて、普通に寒い。

「瑠璃。寒くないか?」

「大丈夫。お兄ちゃんの背中、暖かいから」

 ぎゅっと、俺の体に密着してくる瑠璃。それにちょっとドキッとしてたりする。

 おかしい……なんで俺はこんなにドキドキしてるんだ? 瑠璃は妹なのに。

 ……妹だけど。

 その前に、瑠璃は瑠璃なんだよな。

 俺は瑠璃が妹だから、居なくなってほしくなかったんじゃない。

 瑠璃が、瑠璃って存在が俺の傍から居なくなるのが嫌だったんだ。

 と、なると……。

 別にドキドキするのはおかしいことじゃないのか?

 妹である前に、瑠璃は瑠璃なんだから。

 妹である前に――。

「……一人の女の子なんだよな」

「お兄ちゃん? なにか言った?」

「……別に」

 いかん。意識すると余計にドキドキする。落ち着け! 瑠璃が一人の女の子だとしても、関係上、俺たちは兄妹なんだ! 変なことを考えるんじゃない!

 ……血が繋がってないからセーフか?

 いや、セーフとかそういう問題じゃないから。世間からの見られ方とかそんな感じの問題だから。

「……」

 瑠璃が俺の背中に顔を押し付けてきた。あの……近いよ? 瑠璃さん。ちょっと密着しすぎじゃない? そんな男を誘惑するような仕草は感心しないよ?

「えへへ。お兄ちゃんの匂い……なんだか安心する」

「……」

 瑠璃が柔らかく笑ってるのが、見えないけどわかった。


 ……あの。


 我が妹ながら。


 ……可愛すぎじゃね?


 神様(あ、ゼウスだった)。もし俺が誤ちに走っても、見逃してください。



★☆★☆★☆



「あ、おかえりなさい~」

 自分の理性をなんとか保ちながら家に帰ると、レナがパジャマ姿で出迎えてくれた。なんだろう……なんでこんなに癒されるんだろう……心がほんわかする。純粋無垢な可愛さって、なんでこんなに可愛いと思っちまうんだろうか。犬とか猫とかも同じで。いや、レナは犬猫より断然可愛いけど。

「レナをいやらしい目で見るんじゃないわよ」

「……御意」

 そんな目で見てないっての。だから殺気染みた目で見ないでくれ。

「つーか、お前なんで居るの?」

「今日は泊まるの。レナの介護のために」

 介護って。確かに、レナは右肩を怪我してて、ここ数週間はまともに腕を動かせなかったけどさ。もうかなり良くなってきて、すでに介護なんていらないぞ? この元気そうなレナを見ろよ。お前はただ一緒に居たいだけだろうが。

 あ、そういや、今日はレナ、検診で病院に行ってきたんだよな。

「レナ。医者はなんて言ってたんだ?」

「しばらくはあんまり無茶な動きはしないようにって言ってましたけど、もう心配ないって言ってましたよ~」

 それを聞いて一安心だ。俺の無茶な作戦のせいで、レナは怪我したわけだからな。罪悪感があったし。ぶっちゃけあの後、レナに土下座したし、俺。

「傷痕も『元気になぁれ乾電池(単一)』を定期的に使っていれば、いずれ消えるわよ」

「ん? あれって軽い怪我を治すだけじゃないのか?」

「治りかけている怪我は軽い怪我でしょ?」

「なるほど……って、おい」

 当たり前のように会話に参加してるけどさ。

「ミレイ。お前もなんで居るの?」

 ミレイがリビングで紅茶を飲みながらくつろいでるんだけど。

 えっと……確か、サンが神界に連れて行ったんじゃなかったっけ? 処分を決定するためにとか……俺と瑠璃は、なんとか軽くなるようにサンに頼んだんだけど。そのミレイが、なんでここに居るんだ?

「観察処分だ」

「サン。お前も当たり前のように居るな?」

 つっこんでても仕方ない。神子が我が家に集まってることはもうスルーしよう。俺がなにを言ったところで、我が家がたまり場から開放されるわけじゃないし。

 それで……なんだっけ? 観察処分? なんだそりゃ?

「これから数ヶ月の間。301号は私の監視下の中でしか行動を認めない。その監視下の中という場所で選ばれたのが……」

「葉介の家なんですよ~」

「なんでだよ」

 どういう理屈? 監視の場所がウチになった理由と説明が微塵もなかったけど。

 つまり、ミレイをしばらくの間、ウチでサンが監視しながら生活させるってことだよな?

「……ん? じゃあサンもしばらくウチに居るってこと?」

「そういうことになる。しばらくは、こいつの監視が私の仕事だ」

 ……それって神子の仕事じゃなくね? 神子の仕事は人間の願いを叶えることって言うのは、今の神子の在り方だし。

「サンはね、ゼウス様の側近として正式に認められたからね。神子としての仕事よりも、ゼウス様の命令を優先することになったんだよ」

 側近? つまりは、前のカールと同じ立場になったってこと? なにそれ? 大出世じゃん。神子からゼウスの側近って。

 ……ていうか、いいのか? それ。

「それも、ゼウスが神子の在り方を変えてる影響か?」

 でないと、神子が王神の仕事なんか手伝えないだろうし。

「だろうね。意外と仕事してるんだよ。あの人」

 元側近の使い神に、意外と仕事してる、なんて言われるのもどうかと思うけどな。あの王神じゃ仕方ないか。

 それにしても観察処分って……もしかして。

「堕ちた神子。それが関係してるのか?」

 ミレイは堕ちた神子。堕ちた神子は集まって組織を作ってるって話だし、ミレイを観察するってのは、それを調べるためなのか?

「仲間の堕ちた神子が接触してくる可能性がある。だからこそ、観察場所を人間界にしたんだ。改造神力アイテムはすでに没収済みだ」

「だからぁ。何度も言ってるでしょ? 私は、改造神力アイテムをもらっただけで、その組織のことは知らないし、仲間もいないって」

「信じると思っているのか?」

「あら。怖い顔。可愛い顔が台無しよ?」

「……」

 この二人の仲は最悪なようです。まぁ、ファーストコンタクトがあれだからな。サンなんか、いきなり肩刺されたんだし。俺も床になぎ倒されたからな。

 そういえば、けっきょく、ミレイに改造神力アイテムのことはなにも聞いてないんだよな。

「改造神力アイテムをもらったって、誰に?」

 よくわからないけど、ミレイに改造神力アイテムを渡した人間が、重要な人物であることは間違いないと思う。

「……それがね。私もよくわからないのよ。顔は見てないから」

「は?」

「黒いコートとフードで、顔は見えないし、体型もよくわからなかったわ。男か女かもわからない。それこそ、神族なのか人間なのかもね」

 素性を隠した上で、改造神力アイテムをミレイに渡したってことか。

 だとしたら、目的はなんだったんだ? ミレイを仲間にするつもりだったなら、その場でそれを条件に改造神力アイテムを渡せばいいのに。それをしなかったってことは……最初からミレイを仲間にするつもりはなかった? それとも、そいつは組織とは関係ないのか?

「ゼウスへ恨みのある神子。君に与える。ゼウスに復讐する力を」

「え?」

「あいつはそう言ってたわ。そのときの私には……とても魅力的な言葉だったのよねぇ」

 ゼウスへ恨みのある神子。

 少なくとも、そいつは神子の在り方を知ってる。でないと、そんな言葉は出てこない。

 ……何者なんだ? そいつ。

 何にせよ。改造神力アイテムを持っている。それだけで、神界としては無視できないだろう。だからこそ、そいつと接触したミレイを観察処分、か。

 でもそれってさ……。

「観察処分って、ミレイにとっては、ただ人間界で暮らすだけだよな?」

「そうね」

「……軽い処分だな」

 しかも、観察処分の場所がウチってのが、ぶっちゃけ処分って言うほど重くない。ゼウスなりに、負い目を感じての結論なのか? 俺たちが頼んだからって、あの適当な王神がそこまで考えるとはあんまり思えないけど。

「あら? 葉介君はもっと重い処分で、私が攻められてるところを見たかったのかしら? なんなら攻めてみる? 私、けっこういい声出す自信あるわよぉ?」

「なんでそうなる!? ていうか近いっての!」

 俺に迫ってくるミレイ。顔近いっての! ていうかもう君付け? 馴れ馴れしいな。歳上だから別にいいけど! むしろお願いしますってぐらいいいけど!

「ミ、ミレイさん……お兄ちゃんが困ってるよ」

 瑠璃が俺とミレイの間に入ってきてくれたおかげで、なんとか逃げられた。あぶねぇ……思春期男子の理性を甘く見るなよ。ミレイの体から香ってくる大人の香水っぽい匂いでやられる寸前だったんだぞ。

「あら? ヤキモチ? 可愛いわねぇ。瑠璃は」

「きゃあっ!?」

 あ、ターゲットが俺から瑠璃に移った。瑠璃の顔を両手でしっかりとホールド。そのまま顔を近づける。いつの間にか、瑠璃も名前で呼んでるし。

「顔を真っ赤にしながらヤキモチ。そんな可愛いことを言う、その小さなお口を……塞いじゃおうかしらねぇ」

「ちょっとまったぁ!」

 今度は雫が二人の間に入ってきた。なんだこれ? エンドレス?

「瑠璃ちゃんに手を出すなら、まず私を倒してからにしなさい!」

 なんでだよ。お前を倒していく意味がわかんねぇよ。なんで瑠璃への最後の砦みたいに立ち塞がってるんだよ。

「あら。じゃあ倒してからにしようかしら」

「きゃあ!?」

 素早い動きで、雫の後ろに回ったミレイは……俺の口からは言えないような手さばきで、雫の体をまさぐった。さすがミレイ。サン以上の速さだ。雫が後ろを取られるなんて。

「ど、どこ触ってんのよ!」

「あなたスタイルいいわね。私ほどじゃないけど……まだ成長の余地ありねぇ。将来が楽しみだわぁ」

「聞いてるの! ちょ……そこは駄目ぇ! んあ!?」

 雫でさえ、あれか。ミレイ。恐るべし。

「仲良しですねぇ」

「レナ。あれを仲良しって見たら駄目だよ。そして絶対に真似したら駄目だからね。レナまで同類に見られるから」

 この黒猫畜生がなにげに失礼なこと言ってる。確かに、レナなら真似しかねないけど。そしてそれは確かに絶対に阻止しないと駄目だけど。

 ていうか……マジで? マジでこの面子でしばらく生活するのか? いろいろと大変そうなんだけど……。

「……」

 それと、ミレイに一つ確認しておきたいことがあるんだよな。

「ミレイ」

「なにかしら? 葉介君」

 雫をいじめて満足したミレイは、どこか肌つるつるで血行がよく見えた。純粋に楽しんでたな……どう考えてもSだよな。ミレイ。そして女の子大好きだろ。雫とは別の種類で。

 まぁいい。それよりも質問だ。

「……もうゼウスは恨んでないのか?」

「……」

 ミレイはまだ、ゼウスを恨んでいるのかどうか。

 ゼウスを恨んでいたからこそ、ミレイは堕ちた神子になって、今回の騒動だって起きたんだ。俺たちを助けてくれたのはいえ、ミレイのゼウスへ対する気持ちに変化はあったのか。それが気になってた。

「恨んでるわよ」

 ミレイの答えは変わってなかった。

「でも、ねぇ」

「ん?」

「どうでもよくなっちゃったのよね。あなたたち二人を見てたら」

 俺と瑠璃を交互に見てくる。

 恨みがどうでもよくなった? 俺たちがなんの関係あるんだよ。

「誰かを恨むのって、疲れるでしょ? それよりも……誰かを大事に想うほうが、気分良さそうだなって、思っただけよ」

「……」

 堕ちた神子は……神子の在り方、神子の宿命を嫌って、それに抗った。そして、神子を縛り付けたゼウスを恨んでる。

 まだゼウスは許せない。恨みを捨てることはできない。

 でも……。

 それよりも大事なことがあるんじゃないかって、わかったみたいだ。

 だからと言って、神子たち全てがそう思えるわけじゃないだろうけど。

 ゼウスもまぁ頑張ってるし。少しずつ、変わっていけばいいと思う。

「レナ、だったかしら?」

「え? あ、はい」

 レナに向けられたミレイの目は、前みたいに嫌悪の感情はないように見えた。

「神子の全員があなたみたいに恵まれてるわけじゃない。それは変わらないわ。でも……恵まれるといいわね。神子の全員が。人間が……葉介君みたいな人ばかりだったら、それも不可能じゃないかもね」

「……はい!」

「だからね……」

 ん? ミレイがレナの耳元に向かって、なにか小さく喋ってる。

「うかうかしてると、私が葉介君を奪っちゃうわよ?」

「え、えぇ!?」

 そして、レナがなにやら驚いてる。なんだ? ミレイはなにを言ったんだ?

「だ、駄目です! 葉介は……えっとえと……」

「あらあら。顔真っ赤にして取り乱しちゃって。いちいち可愛い子ばっかりねぇ」

「きゃあ!?」

 レナに抱きつくミレイ。なにこれ? どういう状況なの?

「レナに抱きつくなぁ!」

 すかさず、レナとミレイを引き離しにかかる雫。いや、お前もいつもやってるじゃん。俺が引き離そうとするとギロリと睨んでくるじゃん。

「あなたも抱きついてほしいのかしら?」

「違う! レナと瑠璃ちゃんは私のよ!」

 お前のじゃねぇよ。

 レナを奪取して、獣が縄張りを守るかのように、雫は今にも噛み付きそうな形相でミレイを威嚇する。

「あらら。なんなら、四人で体同士のスキンシップを取る?」

「それ以上喋るなぁ!」

 雫。半分発狂してるぞ。怒りが頂点に達しすぎて。

 この二人は今日がほぼ初対面のはずなんだけどな。こうも馬が合わないものか。いや、もしくは似たもの同士だから、同族嫌悪ってやつか。

「ミ、ミレイさん」

「なぁに?」

「葉介は……渡しませんからね!」

「……うふふ。それはあなたたちの頑張り次第じゃないのかしら?」

 レナと瑠璃を見て、悪戯っ子のように笑うミレイ。

 なにそれ? どういうこと? 意味がよくわからないんだけど。俺の知らないところで、どういう話の展開が進んでるの?

「……葉介」

 ギロリ。と、雫の威嚇が俺へと向けられた。え? なんで?

「やっぱり……レナと瑠璃ちゃんを私の物にするには、あんたが一番邪魔みたいねぇ……」

 え? なに言ってるのこいつ? やばい。怒りが頂点に達しすぎて、頭の理性がぷっつんしてるみたいだ。

「し、雫……まて。落ち着け……俺はお前と争うつもりは皆無だ。まず話し合いを……」

「そうね。落ち着いて……落ち着いた上で、あんたは狩る」

 狩る!? 殺るよりもなんか邪魔者排除感が出てるぞ!? マジでこいつ、あまりの怒りにおかしくなってやがる!?

 ……よし。逃げよう!

「逃がすかぁ!」

「えぇ!? 俺の思考と行動を先回りして動くとかアリ!?」

 飛びかかってきた雫から死ぬ気で逃げようと部屋を駆け回る。まずい! 捕まったらマジで狩られる! 俺なにもしてないのに!

「し、雫! 落ち着いてください!」

「待っててねレナ。レナを奪おうとする凶悪な悪魔は、私が狩ってあげるからねぇ!」

 悪魔はお前だろ!? 凶悪もお前だ!



★☆★☆★☆



「ねぇ」

「え?」

「どうしてあのとき、願わなかったの?」

 お兄ちゃんが雫さんから必死に逃げてるのを見て、なんとかしないと……と思ってた私に、ミレイさんが話しかけてきた。

「あのとき?」

「私が助けに行ったとき。あのとき……あなたが本当に望むことは、もう一つあったんじゃないの? どうしてそっちを願わなかったの?」

 それを聞いて、ミレイさんがなんのことを言ってるのか、わかった。

 私が、元々願いたかったことは……確かに、それだったから。

 私は……お兄ちゃんと……。

「……ずるいかなと思ったから」

「ずるい?」

「そんな無理やり、お兄ちゃんを振り向かせようとするなんて、ずるいと思ったから」

 願いごとで、お兄ちゃんとそんな関係になっても、私は心から喜べそうにない。それよりも、あのとき、強く思っていたのは……お兄ちゃんたちと、まだ一緒に居たい。離れたくない。ただ、それだけだった。

「……不思議ね。あなたたちは」

「え?」

「見ていると……なぜか暖かい気持ちになる。人間がこんな人ばかりだったら……」

ミレイさんの目は、初めて会ったときとは全く違う目だった。

冷たい印象しかない。誰も信用していないような目。そんな目だった。でも今は、

「私も、神子の在り方を嫌だなんて……思わなかったかもしれない」

 優しくて、暖かい目。

 ミレイさんをこういう目にしてくれたのは、きっとお兄ちゃんなんだ。

 お兄ちゃんは優しいから。

 昔からずっと、お兄ちゃんはなにも変わらない。

 だから、私はそんなお兄ちゃんが……。

 今すぐは言えないかもしれないけど。きっと、いつか気持ちを伝える。

 だからそのときまで……この気持ちは、私の中に閉まっておこう。


 ――大好きだよ。お兄ちゃん。


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