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神子の恩返し  作者: 天天
『レナ』パート
16/63

story15「みんな大好き」

「急患です! どいてください!」

「出血が酷い……急いで集中治療室へ運べ!」

 救急車が到着するやいなや、すぐに葉介は集中治療室へ運ばれた。

 鉄骨の下敷きになって頭を強く打ち、全身も打撲や骨折……誰がどう見ても重体だった。

 すぐに医師が集まり、集中治療室の中へ入って行く。緊迫した空気だ……看護婦も走って行ききしている。へたをすれば……即死でもおかしくなかったらしい。

 集中治療室の前の椅子に座って泣きじゃくる瑠璃。雫は瑠璃の頭を撫でながら「大丈夫よ……」と何度も瑠璃に言葉をかける。まるで……自分にも言い聞かせるように。

「……レナ。君のせいじゃないよ」

「……」

 横で泣いている瑠璃の顔を見るのが辛くて目を逸らす。

 カールは慰めてくれているのだろうが……気休め程度だ。

 あの時、葉介はレナを助けて鉄骨の下敷きになった。

 元々怪我していた体にさらに重い怪我をさせてしまった。

 葉介が鉄骨の下敷きになった時、レナは頭の中が真っ白になっていた。さっきまで笑ってくれていた葉介が血まみれで倒れている。その光景が目に焼き付いて離れない。

「レナ……さっきの電池は使えないの?」

「……無理だ。あれは小さな怪我を治すためのアイテムだ。お前も体でわかっているだろう?」

 レナの代わりにサンが答える。

 『元気になぁれ乾電池(単一)』は小さな怪我を治すだけで、怪我が完全に治る訳ではない。現に雫の体も怪我が治っておらず、看護婦にさっき手当を受けていた。

「……」

 レナの脳裏に浮かぶ……葉介の言葉。


『これからもずっと俺たちと一緒にいてくれ!』。


 でも、このままではもしかしたら葉介が――

「……嫌ぁ……」

 レナは頭を抱え、激しく首を振って嫌々をした。自分の脳裏に浮かんだことをかき消すように。

「レナ? どうしたの……」

 カールが傍に寄って顔をこすりつける。でも、レナは嫌々をやめない。脳裏に浮かんだ光景が消えない。

「大丈夫よ、レナ。葉介はタフだから……大丈夫……死んだりしたら……あの世まで追いかけて殴ってやるんだから……」

 雫は瑠璃とレナを元気づけようとするが、声が震えている。こんな状況で気丈でいられるわけがない。

 それから数時間。

 特に会話も無くなり、時間だけが過ぎて行った。

 全員が顔を伏せていた……が、待ち侘びた光景に全員が顔を上げる。集中治療室のランプが消えたのだ。それは手術が終わったことを意味する。

 自然と全員が立ち上がり、扉の前まで移動する。やがて一人の医師が出てきて、マスクを外しながら状況を説明してくれた。

「……何とかという感じで一命は取りとめました。しかし……意識を取り戻すことはないかもしれません。脳の損傷が激しすぎてこれが限界でした。へたをすれば……このまま衰弱して命も……」

「……う……そ」

 その場に崩れ落ちる瑠璃を雫が抱き止めた。だが……抱き止めた雫の腕もガタガタと震えている。相当動揺しているようだ。

「葉……介……」

 ベッドに横たわる葉介を見て、レナの体は呼吸をすることを忘れているかのように固まっていた。

 葉介がこのまま起きないかもしれない? 死ぬかもしれない?

 自分の……せいで……。

「……レナ」

 サンがレナの肩をポンと叩き、はっとして振り返った。

「願い人が願うことが出来なくなった場合……例外で他の願い人に移り変わるのは知っているな? ゼウス様に新しい願い人を決めてもらう為に。明日になったら一度神界へ戻れ。いいな?」

 サンはそれだけ言うと、その場から去って行った。

 葉介はもう願うことができない。それがサンの答えだった。

 だが、サンの言葉はレナに届いていなかった。

「私の……せいで……私が……私が……」

「レナ! 落ち着いて……君のせいじゃないってば……」

 カールの声にも反応せず、レナはひたすらに同じ言葉を繰り返していた。

「私が……私が……私が葉介を……私がぁ!」



★☆★☆★☆



 数時間後、葉介は病室へと移された。

 とりあえず、様子を見るしかないらしい。できる限りの最善を尽くした。医師はそう言っていた。

 だが、意識が戻る可能性はほんの一握り、それどころか、このまま命を落とすかもしれない。

 ずっと傍を離れず、葉介の手を握っている瑠璃。もう時間は夜も遅い。特別に病室に泊まることを許してもらったのだ。

 雫はレナの傍で手を握り、落ち着くのを待っていた。

 レナが一番、責任を感じているはずなのだ。一番辛いはずなのだ。

「……レナ。大丈夫?」

「……はい」

 まだ呼吸が荒いが、とりあえず落ち着いたようだ。それを確認すると……雫は立ち上がり、瑠璃の肩をポンと叩いた。

「私、着替えとか持ってくるわ。瑠璃ちゃんは……葉介の傍に居てあげて」

 コクンと頷いた瑠璃。雫はそれ以上声をかけず、病室から出て行った。

 雫が出て行った後、レナは……あることを考えていた。

 レナは葉介の願いを叶えて消えるつもりだった。その葉介がこんな状態になっている。いや……してしまった。自分が――

 そんな自分に存在理由なんてあるのだろうか? と。

「……」

 葉介は名前をくれた。自信を失っていたレナを救ってくれた。

 それなのに……結局、何も恩返しできていない。

 ずっと恩返しがしたいと思っていたのに。

「……恩返し」

 その言葉を考えていて、レナは葉介の手を握っている瑠璃を見た。

 今、瑠璃は本気で葉介が助かることを願っている。

 今の自分に存在理由があるとすれば……。

 葉介に恩返しをするなら……もう、これしかないのではないか? 頭に浮かんだ考えを肯定する。

「……」

 迷ってなんかいられない。

 ここで葉介を失ったら、絶対に後悔する。それは確信だった。

 なら、やるしかない。

 レナは立ち上がり、瑠璃の横に座った。瑠璃の肩を抱き……優しく語りかける。

「瑠璃……私の言うことを……よく聞いて下さいね?」

「……な……に?」

 泣いている瑠璃の目から涙を拭ってやり、レナは瑠璃の目をじっと見た。

「葉介の無事を……心の底から願って下さい。葉介がまた……みんなの所に帰って来れるように……助かってほしいと……本気で思って下さい」

「……レナ……さん? それって……」

 レナは瑠璃の口に指を当てた。それから先は言わなくていい……そういうことだろう。

 瑠璃はコクンと頷くと、反対の手でレナの手をぎゅっと握った。

 それを合図に……レナは目を閉じて、神力を集中させた。

「……え? レ、レナ!?」

 神力を感じて、ベッドの横で寝ていたカールが目を覚ました。

 目の前の光景が信じられなかった。

 レナは……レナは……。

「レナ! なにやってんのさ!」

 ――願いを叶えようとしている。

「ごめんなさい……カール」

 カールに謝りながら、レナは笑顔を浮かべた。

 やがてレナの体から光が溢れ、瑠璃へと降り注がれる。光はそのまま瑠璃の中へと吸い込まれた。その瞬間……レナの体に変化が起きた。

 さっき程大きな光ではないが……ぼんやりと体が光っている。いや、これは少しずつ光へ体が分解されているらしい。

 少しずつ……少しずつ……レナの体は光になっていく。

「……」

 視界がぼんやりとして行く中で……レナは葉介の顔を見た。

 もう二度と見れない葉介の顔。心に焼き付けておこうと思った。

 その心が消えてしまったら意味がないのかもしれないが。それでも、葉介の顔を最後まで見ていたかった。

「あり……がとうございました」


 名前をくれてありがとう……。


 生きる希望をくれてありがとう……。


 思い出をありがとう……。


 一緒に居ようと言ってくれて――ありがとう。


 レナの体はまるで蛍の大群のような小さな光へと分裂していった。

 もう、ほとんど何も見えない……何も感じない……。

 今までの使い捨て神子も、こうして消えていったのだ。

 だから同じ道を辿るだけ。

 ただそれだけ。

「で……も……」

 できれば……できれば……。

「……ごめ……ん……なさい」

 葉介……。

 あなたの願いを叶えて――消えたかった。



★☆★☆★☆



「ねぇ君、なにやってるの?」

 もう日が暮れるって時間なのに、丘にある小川の前で座っている女の子を見つけた。見たところ、僕と同じぐらいの歳だ。だったらもう家に帰らないと、お母さんが心配するんじゃないかな。

「……え?」

 女の子は驚いて振り返った。金色の髪が、夕日で赤く染まって綺麗だな。なんて思ってる場合じゃない。本当にもう暗くなる。

「もう日が暮れちゃうよ? 家に帰らなくていいの?」

「……えっと」

 どこか困った様子の女の子。どうしてだろう。ただ、家に帰らなくていいのって聞いただけなのに。家に帰りたくないのかな? なにか嫌なことがあったとか。

「これ、飲む?」

「え?」

 なんとなく元気づけてあげたくて、さっき買ったばかりの抹茶ココアを渡す。女の子はまた困った顔になった。

「美味しいよ。僕が一番好きな飲み物なんだ」

「……」

 恐る恐る、って感じで女の子は抹茶ココアを手に取った。でも、それだけ。ただ手に持ってるだけで飲もうとはしない。どうしたのかな?

「飲まないの?」

「……これ、どうやって飲むんですか?」

 え? 缶ジュースの開け方知らないの? 田舎の子なのかな……。

「ここをこうやって……」

 缶を開けてあげて、また手渡すと、女の子はゆっくりと抹茶ココアを口に運んだ。その瞬間、その顔がぱぁ~っと笑顔になる。

「美味しいです!」

「でしょ?」

 気に入ってくれたみたいでよかった。女の子はあっという間に抹茶ココアを飲み干した。相当美味しかったんだな。

「よいしょっと」

 女の子の隣に座って、僕も小川を見る。それを横目で見ていた女の子は、おどおどと声をかけてきた。

「あの……あなたこそ、帰らなくていいんですか?」

「帰らないとお母さんに怒られちゃうね」

「な、なら……早く帰ったほうが……」

「大丈夫大丈夫。僕が怒られるより、君がそんな寂しそうな顔してるほうが百倍嫌だから。もう少し一緒にいてあげるよ」

「……」

 女の子は少し顔を赤めながら、また笑顔になった。

 どこか緩い笑顔。

 ……可愛いな。


 ……。


 ……。


 ああ、そうか。

 そういえばこんな出会いだった。

 なんで……俺は忘れてたんだろうな。

 この後、自分の名前がないって言ってたこの子にあげたんじゃないか。

 俺を産んだ母さんの名前を。

 レナって名前を――。



★☆★☆★☆



「……」

 目が覚めると、知らない天井が目に入ってきた。どこだここ? 俺の部屋じゃないな。

「……瑠璃?」

 起き上がると、ベッドの横で瑠璃が寝ていた。俺の手を握りながら。目の周りが赤い。もしかして泣いてたのか?

「……ああ、そうだったな」

 だんだん記憶が蘇ってきた。

 俺は鉄骨の下敷きになりそうになったレナを庇って……代わりに鉄骨の下敷きになったんだ。じゃあここは病院か。

「……全然痛くない」

 鉄骨の下敷きになったって言うのに、体が全然痛まない。まだ点滴をしてるところを見ると、かなりの重体だったはずなのに。

 俺の驚異の回復力?

 まさか。俺にそんな人外的な回復力なんかないぞ。さすがに。

「……レナは?」

 レナがいない。どこに行ったんだ?

 ……。

 なんだろうな……すごく嫌な予感がする。

「瑠璃」

 寝てる瑠璃を起こす。瑠璃なら知ってるかもしれない。

「……お兄……ちゃん……」

 寝ながら俺を呼ぶとかすごく可愛いけど、今はそんな寝言を聞いてる場合じゃないんだ。起きてくれ。

 ほっぺでもつねってやろうか。なんて思ってると、病室の入口でドサッと、なにかが落ちる音が聞こえた。

「……」

 雫だ。手に持ってた鞄を床に落として、俺をまるで死人でも見るような目で見ている。

「おい。なんだその死人でも見るような目は――」

「葉介!?」

「ぶぐっ!?」

 いきなり抱きつかれた。ていうか痛い! 力強いって! さっきまで全然体痛くなかったのに、今は全力で痛い! あ、でも胸が当たって良い気持ち……じゃなくて!

「痛いっつーの!」

「な、なんで……なんでそんなにピンピンしてるの?」

「はぁ?」

「あんた……死にかけてたのよ……」

 雫が目を擦る。もしかして泣いてる?

 ていうか死にかけてた? 俺が?

「お、お兄ちゃん……」

 雫の声で瑠璃も起きたらしい。雫と同じ、まるで死人を見るような目で見てくる。

「おい、我が妹よ。お兄ちゃんを死人見るみたいに見るな」

「……!?」

 無言で抱きついてきた。なんだ? 俺、今日モテモテだな。

 でも、二人の反応を見る限り、俺は本当に死にかけてたらしい。だとしたら、俺はなんでこんなに元気なんだ? こんなの普通じゃないぞ。

 普通じゃない……?

 その考えの先に、俺は一つの答えを出す。

 出さないほうがよかったのかもしれない答えを。

 もしかして……まさか……。

「レナはどこだ!?」

「え?」

「……」

 さっきの嫌な予感……あれは気のせいじゃなかった。俺がこんなに元気なのは、絶対にレナがなにかしてくれたんだ。なにか……くそっ! 考えたくない!

「そういえば……レナは?」

 雫もレナがどこに行ったのか知らないのか、病室を見渡している。瑠璃はというと……俺がレナのことを口にしてから、黙ったままだ。

「瑠璃。レナがどこに行ったか知ってるのか?」

「……」

 表情で俺はわかった。瑠璃はなにか知っている。

「教えてくれ、瑠璃。レナはどうしたんだ?」

「……」


「僕たちから答えるよ」


 声に振り返ると……カールとサンがいた。

 どこか悲しげな顔をしている一人と一匹。とくに、サンのこんな顔を見るのは初めてだ。

「……レナはどうしたんだ?」

 俺の声が震えていた。答えを聞くのが怖くて。どうか違う答えが返ってきてほしいと願いながら聞く。

「消えた。お前の妹の、兄を助けたいと言う願いを叶えてな。神子の仕事を全うして消えて行った」

 そんな期待も虚しく、返ってきたのは思ったとおりの、一番聞きたくなかった答え。

 クラクラと頭が揺れ……ベッドに倒れる。頭を押さえ、必死に意識を保つ。

 レナは俺を助ける為に消えたんだ。

 俺の為に、自分の命を捨てて……。

「嘘……レナ……」

 雫は目に涙を浮かべながら、崩れるようにその場に座り込んだ。瑠璃は……声もなく、泣いている。

 願ったのは瑠璃だ。つまり、瑠璃は自分がレナを消してしまったと思っているんだろう。

 でも違う。

 瑠璃は悪くない。

 悪いのは……俺だ。

 俺を助けるために、レナは……。

「嘘だろ……レナ……」

 これからも一緒にいようって言ったのに。

 俺が自分でそう願ったのに。

 なんで……こうなっちまったんだよ……。

「……レナから頼まれた物があるんだ。自分が消えた後に……君達に渡してくれってね」

「……え?」

 カールがそう言うと、サンが一枚の大きな筒を取り出した。

「開けてやれ」

「……」

 受け取った筒をしばらく見つめてから、蓋を開ける。中に入っていたのは……紙? 画用紙だ。卒業証書のように丸めて入れられている。

 丸められた画用紙を開いた瞬間……俺は言葉を失った。

「……」

 一枚の画用紙に描かれていたのは……俺、レナ、雫、瑠璃、カール、そして……サン。全員笑っている。これは……レナが描いたんだろう。相変わらず上手い。そういえば。俺たちを構図にして描くって言ってたな。あの約束を……守ったのか。

 俺の目は、右下に大きく書かれている文字に向かう。力強く書かれたそれは……こう書かれている。


『みんな大好き!』


 こんな物を描いてたのか……自分が死ぬってときに。

 自分がここにいたって証を……残したかったのか。何かの形で。

 ……馬鹿だな。

 こんなことしなくても、レナがここにいたことを忘れる訳がない。

 忘れられる……訳がないんだ。あの緩く笑う笑顔を――。

 俺は目の奥が熱くなるのを感じた。それと同時に視界がぼやけ始める。

 ……泣いてるのか? 俺は。

 自分が消えるとわかってもレナは泣いてなかったのに……俺はこんなに簡単に泣くのか? 情けないな……。

「……あ……れ?」

 画用紙の右下の部分に目を向ける。

 そこだけ……水滴を垂らしたように濡れた痕がある。何カ所か……そこだけ。

 使ってるのは色鉛筆だ。絵具を使ってる訳じゃないのに……水なんて使うはずがない。筒に入っていたから、描いた後に濡れるってこともありえない。

 じゃあ……この濡れた痕は一体?

「あ……」

 画用紙に新しく水滴が垂れた。どこから?

 そんなの決まっていた。俺の涙だ。

 俺の涙で、画用紙に同じ濡れた痕ができた。

 ということは……つまり……元々あったこの痕は――レナの。

「……レ……ナ……」

 そうか。よく考えれば当たり前だ。

 自分が死ぬってときに……泣かないでいられる訳がない。

 あれは……俺達の前では我慢していただけなんだ。

 それで一人で泣いていたんだ。

 辛かっただろうな……苦しかっただろうな……レナ。

 それでも、最後までみんなで笑っていたかったんだな……。

 この絵みたいな満面の笑みで……。

「レナ……」

 雫が泣き崩れるように顔を手で覆った。

 いつもあんな強気な雫だって……泣くことを我慢できない。

 それでもレナは我慢してたんだ。

 あんな小さな体で、溜め込んでたんだ。一人で。

「……レナ」

 俺は絵を握りしめ、気が付いたらレナの名前を叫んでいた。

 神子だから仕方ない。これが……使い捨て神子の末路。

 レナは神子だから消えた。

 レナがもし人間だったら。俺達と同じ人だったら――。

「レナァァァァァ!」

 願うならばもう一度会いたい……。

 今度は同じ人として、神子の仕事とかそんなことを考えずに……一緒に居たい。一緒に笑いたい。


『私……ずっと葉介に恩返ししたいと思ってたんです!』


 俺たちが出会った神子。

 共に笑い合い、ずっと一緒にいようと思っていたはずの。

 使い捨て神子。

 レナは……この世界から消えた。


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