<いや、死ノ銛>
「えっ、鍵を小箱に入れた犯人は、俺だって?
違う、違う。これ、なんかどっかからいきなり、どっさり降ってきたんだよ。
まったく・・・すっげー邪魔。」
「じゃあ、その小箱の中には・・・」
「何も入ってないよ。」
「ところで話は変わるが、ここは何する所なんだ?」
「良くぞ聞いた、この『否師の杜』はね」
「字違うっ!怖えぇ」
「えっ。じゃあ『いや、死ノ銛』はね」
「だから、怖いって!死人が出るよっ。警察沙汰だよ!癒しじゃなかったのっ!」
「癒しです。」
「最初からそういえばいいのに・・・」
といいながら俺もこの会話のキャッチボールを楽しんでいた。
「ここはね、鍵を一時的に預けることができます。」
俺のポケットを見るとパンパンに膨らんでいた。
いくら小箱だからといってドラ○もん見たいな『四○元ポケット』みたいな機能はない。
「それは、ありがたいね。じゃあ、よろしく。」
「こっちに来て。」
と言ったきり歩いて奥へ行ってしまった。
仕方ないので、俺もついてゆく。
奥に着いたところで実友は誰かと喋っていた。
「誰・・・って」
「あっ、博士だ。」
一緒に喋っていたのは成海伊都だった。
「何してんの?」
「いやっそっちこそ何してんの?」
「ん?ここの番人。めっちゃ暇でさぁ、で鍵持ってきたって?」
「うん。一応持ってきたけど・・・」
俺は小箱を渡した。