第2話 平凡
まだまだ喧嘩中
朝の痴話げんか? が終わり、教室が静かになってくる。
「な・ん・で、 朝から俺は電撃喰らったのかなぁ?」
「喰らってないじゃん。 防いだじゃん」
「そりゃ防ぐよ! 命の危機を感じたら、絶対人間は逃げるか、防ぐ。 俺は当たり前のことをしただけだ!」
などと、紅とアリサが言い争う以外には……
それを遠いところからのぞいていたハルトが、口げんかが終わったころ合いを見てやってきた。
「はいはい、痴話げんかはそこまでにしときや~? 周り見てみ? 殺気だってるの分かる?」
「「誰が痴話げんかだ!!」」口をそろえて言い返すのを見て、 殺気だって痴話げんかを見ていた男連中が
「あぁぁーもう我慢できねぇ。 紅殺す!」拳にそれぞれの属性をまといながら紅に襲いかかろうとする。
それを紅は
「お前らまたか。 朝からいきなり電撃喰らって機嫌悪いんだ。 手加減はしないよ? それでもやる?
この雑魚どもがぁぁ!!!」
「「「「「「誰が雑魚だコラぁぁぁぁ!!!!!!」」」」」」など乱戦を繰り広げようとした時、
『お前らぁぁぁまたか!!! さっさと座らんか。 朝礼を始めるぞ。 このバカどもが!!!!』
ちょうど来た倉田の怒声が学園内に広がった。
午前の授業が終わり、昼休み
「くそ、倉田の野郎。 放課後職員室に来るようにだって? 絶対説教しかも二時間プラス課題が見え見えだぜ」
「まぁ、 それで済むならいいじゃないの? 今さっき行ったら≪雪女≫いたわよ」
「マジかいな? 白やんガンバ!」
「うるさい!」
などと言い合いながら紅、アリサ、ハルトは昼ごはんをたべていた。そこでハルトが
「そういやぁアリサちゃん。 なんで朝怒ってたの?」
「え」
「そうだ。 なんで怒ってたんだ? アリサ」
「えーと、 その、 なんていうか……」
「もったいぶらずはよ言った方がええで? アリサちゃん?」
「そうだぞアリサ。早く言っちまえ」紅とハルトがはやしたてていると
「わかったわよ。 言えばいいんでしょ。 言えば」
「「そうだ。そうだ」」息ぴったりな二人
「あのね? なんで怒っていたかというとね?」恥ずかしそうに赤面するアリサ
「「うん。 うん」」また息ピッタリな二人
「実はね? 朝、 白君と学校行こうとしたらね。 白君が先行ったっておばさんから聞いて、
寂しくてね? それで怒ってたの」もじもじしながら赤面しつつ理由を話した時、教室に戦慄が走る。
「なぁ、 今音原なんて言った? 紅と一緒に登校しようとしたって言った?」
クラスの男子の一人が聞こえていたらしく、 すぐ周りの男子に広がって
「やばい」何かの異変に気づいて逃げようとする紅が、
「させるか」とクラスの男どもに周りを囲まれ退路を無くす。
「くっ……この雑魚ども何しやがる!」
「うるさいっ! ランク壱のお前が、ランク伍の音原と仲良くしてんじゃねぇよ」
「本音を言うと?」茶化すハルト
「「「「「「「いちゃいちゃしてんじゃねぇよ! うらやましいんだよ! この野郎がぁ!」」」」」」
と血の涙が流れそうな勢いでどなりたてる男ども。
「そんなことはどうでもいい。 紅を殺すことが先だ!」
「そうだ! やつを始末してしまえ!」など、物騒なことを言っていると、
「誰が、白君を殺すって?」不意に、物騒なことを言っていた男子どもの後ろからそんな質問が来る。
「誰って俺だけど? ったく、誰だよそんなこと聞いて来るやつは?」うしろを振り向く野郎ども。そこには
「はぁーい。 私だけど?」黒髪ショートを静電気で逆立てているアリサが仁王立ちしていた。
もちろん、黒い笑みつきで……
「待て。 アリサ」殺人現場になりそうな時、紅が立ち上がり
「俺が、 殺るから」そう言い、拳を握りながら、
「雑魚ども。 相手になってやる。 屋上行こや」場所を移しここ、屋上
「っしゃぁぁぁ。紅殺す!!!」殺気を放ちながら一人が殴りかかってくる。それを
「遅い!」避けつつ首筋に手刀を打ち込む紅。それを見て
「っち、 一人で行くな! 固まって行くぞ!」リーダー格の男がそう叫び、数十人が一斉に殴りかかる。
「雑魚が群れても弱ぇだけだ。 いくらでも来い!」啖呵をきり、突っ込む紅
「先生、 早くっっ」屋上にいた女子が連絡したのか、教師がきた。
その教師が来て屋上の空気は凍りついた。というか実際に屋上の床が凍りついていた。
『そこのバカ達。 全員指導室に連行よ!!!!』
そう言いながら、[水]の氷雪系{氷}(アイス)を行使した教師 篠田 友紀 が居た。
「げぇ。≪雪女≫」
「誰が≪雪女≫ですか? とりあえず全員指導室に行ってからお話を聞くので早くしなさい」
そう言い、篠田が何かを投げた。
屋上で喧嘩を行うとしていた全員の額にいい音を立てチョークがきれいにクリティカルヒットし気絶した。
そのあと、篠田に連れられ全員が指導室に、最終下校時刻の七時まで反省文を書かされていたという。
次回 召喚のはず?