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小学生男子だった僕、悪役令嬢の取り巻きに転生したのに、舞踏会で料理を食べてただけで王子様に選ばれました  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


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第91話 貰ったポワレ

「次の授業に行かなきゃ」


「そうだね」


 お昼ご飯、結構食べ終わったからロランスと一緒に席を立とうとした時。


「ポラリス嬢、よろしければこちらも食べませんか?」


 そう言ってアデリナ様がほぼ手つかずだった白身魚のポワレを、ボクに渡してきた。

 美味しそうな匂いが鼻に入ってくる。

 他のパンやスープは食べ終わっている。

 どうしてそれだけ残したんだろう。


「ありがとう」


「食べるの?」


 貰えるんだったら、食べないとね。

 美味しそうだし、残したくないから。

 それにアデリナ様からの好意を断るのが申し訳ないから。


「プルゼニ嬢、ポラリス嬢は間に合いますので、先に行ってくださいませ」


 ブランカ様は付け加えるようにそう言って、ロランスを行かせようとする。

 まだお昼休みは続いているから。


「分かった。遅れないでね」


 それに頷いてロランスは行っちゃった。

 ブランカ様に言われているからね。

 ボクにとっても、申し訳ない気持ちになるし。

 ということで、ボクはポワレを食べていく。


「さてポラリス嬢、食べながらで良いの」


 アデリナ様は話しかけた。

 ブランカ様は立ち会いのように紅茶を飲んでいる。


「うん」


 頷きながらも、ボクは食べていく。


「私、殿下と結ばれたいのは知っているよね」


「勿論です」


 知らない訳ないし、舞踏会で最後に踊ったのが何故って、疑問に思っちゃうくらいだし。アデリナ様が最初に踊ったのに。


「だから、婚約候補になって殿下とよく話しているポラリス嬢に嫉妬しているの」


「…………」


 分かっていたけれど。

 先日はあんなにボクをチラチラと見ていたから。


「それに他の令息と話している姿だって」


 ゲオルギ様やフェリックス様とだよね。

 確かにその状況も悩んじゃうんだ。


「でも私……ポラリス嬢が隣にいると安心するの」


「ボクが?」


 嫌われたくない、じゃない。

 離れられたら困る、でもない。

 ただーーここが壊れる気がした。

 嫉妬しているのに、隣にいたら安心する。

 矛盾しているっぽいけれど、そうとも言えないかも。

 アデリナ様はヒロインだけれども、完璧みたいにガラス細工のような感じ。

 そんなアデリナ様をボクは傷つけたくない。


「ポラリス嬢が嫌なら、私は離れますわ」


「そんなことないよ! 全然大丈夫だよ」


 アデリナ様が隣にいるくらいなら、問題ない。

 それにブランカ様に優しく見守っていてほしいって言われていたし。


「感謝いたしますわ」


「ポラリス嬢、私もアデリナの隣にいるから、無理しないでね」


「うん」


 ボクはそう言って、ポワレを食べ終わった。

 話を聞いていたからゆっくりになっちゃったけれど。


「さて、話はこれで大丈夫だから、授業に行きましょうか」


 二人は席を立ち上がった。


「アデリナ様、ポワレありがとう」


「大丈夫ですのよ」


 微笑みを見せてくれるアデリナ様。

 それがボクにとっては、安心したのだった。

 ボク達は食堂を出ていって、次の授業へと向かっていったのだった。

 残さず食べてよかった、と思った。

 これは、重たい話じゃなかったから。

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