表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小学生男子だった僕、悪役令嬢の取り巻きに転生したのに、舞踏会で料理を食べてただけで王子様に選ばれました  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/99

第71話 少年服でのお出かけ3

 うん、多分大丈夫だよね。

 そういう評価で、ボクは歩き続けていた。


「ねえ君、お茶でもーー」


「ボク?」


 ちょっとフェリックスよりもチャラい格好の青年が寄ってきた。

 貴族って感じじゃないみたいだね。

 ナンパしようとしていたけれども、ボクの姿を見て冷や汗をかいていた。


「……失礼しました!」


「?」


 そのまま引き返しちゃった。

 どうしたんだろう。

 まるで、声をかけていい”種類”の人じゃないと思ったみたいな。

 ボクは気にしないで、また歩いていく。

 するとブランカ様と出会った。日傘をさしているけれども、はっきりとブランカ様の姿が見えていた。

 でもそのまますれ違う。


「……ポラリス」


「……っ!?」


(こんな場所で出会うなんて!)


 すれ違うタイミングで、ブランカ様はボクの名前を呼んだ。

 明らかにボクって分かっていた。

 それでも”嬢”をつけないで呼び捨てにすることで、ボクがどっちでも取れるような感じにしていた。

 反射的に立ち止まりそうになったけれども、ボクは耐える。


「振り向かなくてもいいわ」


 足音は止まらなくて、声が聞こえるように遅くはなっていたけど。

 ボクは振り返らないでブランカ様の話を聞いていた。


「どうして?」


 ブランカ様がどうしてボクって気がついたのか、訊いてみた。

 日傘をさしているのに、こんな短いタイミングで気づくなんて。


「歩き方、呼吸、視線の高さ」


 短くボクって分かった所を話していた。


「それとーー”楽になった時の癖”」


 昨日会話を交わしただけだったのに、ブランカ様はボクの動きを理解していた。


「怒ってる?」


「いいえ」


 即答だった。


「……え?」


「アデリナの前では見せない顔を、ちゃんと持っているって分かったから」


 ボクは振り返らなかったけれど、ブランカ様の視線が向けられたような気がする。

 こんな子息か令嬢か分からない格好をしていたけれど、否定していないなんて。


「今日は、それで行きなさい」


 微笑むような声でボクに伝えた。


「正直に言えば、似合っているもの」


「……止めないの?」


「止める理由がないもの」


 ブランカ様ははっきりと答えていた。


「ただし、殿下に会ったらーー気をつけなさい」


「……はい」


 公務かお忍びか分からないけれど、もし出会ったらややこしいことになる。

 それだけははっきりと予想できた。


「良い休日を、ポラリス嬢」


 微笑んでいるような喋り方で、ブランカ様との会話を終えた。

 ちょっとドキドキしちゃったよ。

 ブランカ様は何とか肯定してくれた。

 でもアデリナ様や、ゼナイド様はどう思うんだろうね。怒られるのかな。

 分からないかな。

 とりあえず次はどこへ行こう。


「ポラリスさん!」


 すると、またボクの名前を呼ぶ声が。

 聞き覚えのある声で。


「ロランス!」


 やってきたのは、私服姿のロランスだった。

 こっちは当たり前だけど、女の子の私服姿になっている。

 一目見たら、今のボクとロランスが一緒にいると男女のカップルみたいに見えるかもしれない。


「あれ、ゼナイド様の話は?」


「それは終わったよ。ポラリスさんが、気になって追いかけたの」


 ロランスがにっこりとしながら、ボクを見ている。

 寄宿舎で見ていたけれども、もう一度ボクの全身姿を見ていた。


「やっぱり大変だったんじゃない?」


「子息か令嬢か迷っていた人が多かった」


 思い出しながらロランスに話す。


「そうだよね。ポラリスさん、綺麗で可愛いから」


 苦笑いしてボクの事を察していた。


「うん」


 やっぱりその評価になっちゃうよね。

 今のボクって、完全な男の子の姿にもなれないんだ。

 どこかで令嬢の姿が残っているから、どうしても……


「でも、寄宿舎よりは似合っているよ」


「そ、そう?」


「王都の街中だったら、まだ風景に溶け込んでいるから」


 ロランスは嘘のないはっきりとした返事をしていた。

 ボクはちょっと嬉しくなってくる。

 確かに寄宿舎だと余計に浮くから。


「ポラリスさんは、その格好が気に入っているの?」


「もちろん!」


 だってボクは元々男の子だったから。

 前世の記憶をより引き継いでいるから、ボクは元々男の子だって認識しているし。


「だよね。表情を見ればそう感じるから」


「えへへ」


 嬉しくなって照れてきた。

 顔がちょっと紅くなる。


「じゃあポラリスさん、あたしも一緒にお出かけするから」


「ぼ、ボクと一緒に!?」


 余計に見えちゃうって!

 でも、ロランスが言っていたように綺麗で可愛いなら、問題ないかな。


「うん。ポラリスさん一人だと、大変になりそうだから」


 ロランスがボクの隣に立っていた。

 通りすがりの人が、ちらりとこちらを見て、何も言わずに視線を逸らした。


「だよね」


「じゃあ、行こ?」


 ロランスは手を引きながら、リードしようとしていた。


「うん!」


 ボクも歩いていって、ここからはロランスと一緒にお出かけをすることに。

 前にもしているし、それ以前だってときどきしているから問題ないよね。

 でも以前は、令嬢の私服姿だったけれど。

 これでも良いよね。

 ロランスが隣にいると、どっちに見られても怖くない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ