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小学生男子だった僕、悪役令嬢の取り巻きに転生したのに、舞踏会で料理を食べてただけで王子様に選ばれました  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


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第69話 少年服でのお出かけ1

「ロランスも一緒に出かけるんだよね?」


 流れで一緒に歩いているけれど、勝手にこう決まっているのかな。

 ボク的には嫌じゃないけれど。

 少年服を着ているから、友達というよりも恋人って認識されるかもしれない。

 でも、そっちの方が元々で考えるとおかしくないかもしれないけれど。


「あっ、あたし……ゼナイド様に呼ばれていたんだ」


 思い出したように、ロランスはボクから離れようとしていた。

 出口まで一緒だったんだけれども。


「ゼナイド様!? ボクも行くの?」


 ロランスが呼ばれているなら、もしかするとボクも呼ばれているって思ったから。

 何か用事でもあったのかな。

 そうなると、一緒に行かないと怒られそうだし。


「ううん、呼ばれているのはあたしだけ」


「良かった……」


 個人的な用事なのかな。

 だとしたら、ボクが呼ばれていないのは納得がいく。

 そう思いながら、ロランスと別れる。


「寄宿舎の出口だから、ここからは多少はなんとかなるから」


「ありがとう」


「気をつけてね、ポラリスさんはその格好でも似合っているから」


 似合っているなんて……

 確かにそうだよね。


「何かあったら、すぐに戻ってきてね」


 ロランスは寄宿舎の中へ引き返していった。

 ということで、ボクは王都の市街地に出ていく。

 寄宿舎だとボクは下手したら、迷い込んだ子息に見られるからね。


「今日はどこへ行こうかな」


 お出かけするって決めていたけれど、どこへ行こうかっていうのは決まっていなかった。

 だからブラブラと歩くことにしてみた。

 街中だったらボクは、普通の男の子って思ってくれるのかな。

 でも、そっちの方が良いかな。

 元々のボクは男の子だったんだし。


「うん、このまま歩いていったらどうなるのかな」


 女性が、ボクとすれ違った途端に振り返った。

 ひそひそと話している人も。


「あれって、貴族の子息? それとも令嬢なのかな……?」


「服装は少年だけれども、顔は令嬢よね」


 やっぱり服装と顔つきで合っていないんだ。

 確かにボクの顔って、どっちかっていうと可愛い感じだから。


「もしかしたら、変わった趣味を持っているのかもしれない」


 変わった趣味……

 言われると否定できないかも。

 こんな少年服を持っていて着ているのって、ほぼ見かけないし。


「でも令嬢なら、綺麗だよね」


「それは言えてる」


 少年服姿でも、ボクの事は綺麗って言ってくれるなんて。

 言われると嬉しいけれど、顔を紅くしちゃうかな。

 これって、ボクが女の子として受け取っているからだよね。綺麗って言われる事に。

 他の人からも綺麗って言われる顔なんだ、ボクって。

 複雑だけれども、これで良いのかもしれない。


「いらっしゃいませ……お、お嬢……さ……」


 近くのパン屋に入ってみた。

 店員がボクを見た途端に、一瞬固まっていた。語尾が消えている。

 お嬢様って事は、顔から認識したって事だね。


「このパン、美味しそうだね」


 良い香りがお店の中から漂ってくる。

 ちょっと前に朝ご飯を食べたけれど、また食べたくなってくる。


「はい! ……あ、いや、その……」


 店員は返事をしたけれども、明らかに困惑した表情をしている。


「坊ちゃん……? どっちで呼んでも失礼な気がする」


 小声で悩んでいるようだった。

 どっちで呼んだって問題ないけれど、ボク的には。


「?」


 あまり聞こえなかったけれど、ボクがきょとんとしていると表情を戻した。


「……いえ、パンですね!」


 慌てたような感じでパンを出してくれた。

 呼び方が定まっていないんだ。


「ありがとう!」


 ボクはお金を支払って、パンを手にしてお店を出ていく。

 パンを食べながら歩いていく。


「美味しいね、出来たてだね」


 温かくてサクサクとしていた。

 小麦の香りが鼻をくすぐる。


「あの子息……元気そうだね」


「結構容姿が整っているね」


 今度はすれ違う人々が食べ歩きしているボクを見て話していた。


「あの子、貴族の坊ちゃんよ。ほら、食べ方が素直だもの」


(食べ方で性別が決まる世界だったっけ!?)


 違うはずなんだけど……

 食べている姿を見て、ボクを男の子だって認識していた。そこまで顔が見えていないから、より男の子に見えるのかも。

 それも間違っていないから、嬉しく思っている。

 うん、ボクは男の子だからね。

 だからもっと街を散策しようかな。

 問題は明日のボクに押しつけて。

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