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小学生男子だった僕、悪役令嬢の取り巻きに転生したのに、舞踏会で料理を食べてただけで王子様に選ばれました  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


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第47話 アデリナの得意な授業

「アデリナ様、離れていてもボクを見てくるなんて」


 数えていなかったけれども、明らかに回数が多い。

 ロランスが隣にいて教えてくれたから、安心が出来て授業していたけれど。

 この学院って科目ごとに教室が変わるから、ロランスが隣になってくれるっていうのも難しいかもしれない。

 まあ、アデリナ様だってずっと隣じゃないだろうから。


「次の授業は聖女史だよね」


 ボクは歩きながら呟いていた。

 アデリナ様も一緒に受けるんだっけ。

 この学院って、様々な科目で聖女に関する事を学ぶんだよね。


「大丈夫だよね」


 教室へ行ってみると、まだまだ空席がある。

 適当な席に座って、授業が始まるのを待つことにした。

 こんな感じだったら大丈夫なのかな。


「あ、アデリナ様……?」


「ここが空いておりましたので」


(もう狙っているじゃん!)


 少ししてからアデリナ様が、隣に座ってきた。

 もう埋まっているのかなって思ったけれども、当然空いている。

 なのにわざわざアデリナ様は、ボクの隣に座ってくるの。


「あら、アデリナ様ってポラリスの事が気になっているかしら」


「お好きなのよ。模範組だし、成績だって二位と三位だから」


(もう話しているよ……)


 他の令嬢が噂話をしている。

 ちょっと恋物語のように話している方と、ちょっと距離を置いた感じで話している方と。

 ボクとアデリナ様の話、前みたいにただの取り巻きで目立たない感じのままだったら、聞き続けていたかも。


「アデリナ様、舞踏会でご飯食べていたら、殿下と踊っただけの令嬢を気になっているの?」


「まあ、実技試験で成績はあるから、多少は分かるかもしれないけれど」


「確かにね……」


 さらに嫉妬している人も居るような……

 余計に修羅場にならないで……

 噂話が続いていたけれども、やがて先生が入ってきて授業は始まっちゃった。


(アデリナ様、得意だよね)


 フランカ・コレイン先生からの授業をボクは、ノートに書き込んでいた。

 聖女って王国の歴史の中で数多く誕生しているから、王国史と別にしているんだよね。

 授業が始まってすぐは優雅に受けているようだった。


(やっぱり見てくるんだね……これ好きな女の子を見ているって感じじゃん)


 小学校の授業で隣に好きな女の子がやってきたら、チラチラと見る感じのアレだよね。

 ボクが気になっちゃうから、アデリナ様もそのまま授業を受けていて。


「あの、ポラリス嬢。この聖女の逸話って知っています?」


 授業で取り上げた聖女の事、先生が教えていない部分を訊いてきた。

 逸話って言われても……


「ううん、知らない」


「そうですのね、教えてあげますわ」


 アデリナ様は嬉しそうにしながら、その聖女の逸話を教えてくれた。

 何か勝ち誇っているような気持ちっぽい。


「聖女として人々のために活動しながら、日々王子を想い続けていたの。だから退任後に王子と結ばれたの」


「へぇ~」


 これ、アデリナ様が憧れている部分だよね。

 聖女になりたいし、殿下と結ばれたいっていう。


「もしよろしければ教えてさしあげますわ。他の授業においても、ポラリス嬢が知らないことを」


 まるでお姉さんみたいな感じ。

 ライバルに思っているのか、そうじゃないのか分からない。


「あ、ありがとう」


 教えてくれるのは嬉しいよね。

 だって、この学院の授業をついていくのって大変だから。


「良いんですのよ。あなたももしかしたら、聖女候補になるかもしれないですので」


(な……ならないって……!)


 ボクが聖女になるよりも、アデリナ様の方が良いって。

 それに聖女候補って……絶対に選ばれないよ。王国から十人も居ないようなあの候補に……


「大丈夫ですわ、ポラリス嬢は同じ模範組ですもの」


 焦ったような表情をしていると、微笑みながらボクを見ていた。

 こんなのアデリナ様もボクも怒られちゃうから……


「模範組として、あなたの習熟度を確認しているのよ」


 一応理由付けは、そんなんだったの。


「……そこの二人、授業は聞いているの?」


「は、はい……」


 やっぱり先生も気になっていたよ。


「ポラリス嬢、この聖女についてどう思いますか?」


 ああ、指されちゃった。この状況だったらこうなるよね。

 アデリナ様も見ているよ。


「えっと……ずっと聖女になっても気持ちは変わらない感じだったのかな」


「そうですね、初心を忘れずひたむきに聖女の職務を全うしたとも言えます」


 良かった。

 上手く答えられなかったら、先生から怒られていたから。

 アデリナ様は微笑みながらこちらを見ていた。


「お見事ですわ」


 感心しているみたい。

 それはボクも嬉しいかな。


「えへへ……」


 ちょっとにっこりしながら、ボクはそのままこの授業を受けていったのだった。

 ただ後半は結構ボクの様子を見ていたんだけれども。


「……なぜ、この子の回答が、こんなにも自然なのかしら」


 そんな呟きが聞こえたけれども、話は聞けなかった。

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