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小学生男子だった僕、悪役令嬢の取り巻きに転生したのに、舞踏会で料理を食べてただけで王子様に選ばれました  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


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第46話 文字の焦り

 教室に行ってみたら、まだ座れる場所は残っていた。

 満席っていうことはないけれども、変な場所っていうのもイヤだから。


「ポラリスさん、こっちだよ!」


「ありがとう、ロランス!」


 手を振っていて、すでにロランスが場所取りをしてくれていた。

 良かったよ。

 ボクはロランスの隣へ座ることに。

 こっちの方が安心するよね、こっそり教えたり教えてもらったりする時だって、緊張しないで済むからさ。


「アデリナ様とは多少離れているから、落ち着けるでしょ?」


「う、うん……」


(でも、そこまで離れていないし、やっぱりボクを見ているの!?)


 アデリナ様はボクが座った途端に場所を確認する形で見ている。

 どれだけ気にしているんだろう。


「始まるから、気にしなくていいよ」


「うん……」


 気にしなくてもいいって言われたって、アデリナ様がボクを見ていたら他の令嬢だって見るよ。

 何かあったって。

 でも、授業は普通に始まった。

 今朝は文芸学だね。


「さて今日は古典文学の読解を」


 配られた古い本を読んでいく。

 マヌエル・カルモナ教授が朗読していく形で、授業が進んでいく。

 ボク達も読んでいった部分をついていくように文字を確認していく。

 これ、最初は読めなかったけれども徐々に分かるようになってきたんだよね。


「さて王女はなぜ涙を飲んだのか?」


 教授が途中途中で、こっちに質問してくる。

 これを答えないといけない。


「アデリナ嬢、分かるか?」


「はい、幸せなのは自身と結ばれるより、その令嬢と結ばれる方だって分かっていたからですわ。自身が得られないものを、その令嬢は持っていたのですわね」


「素晴らしい」


 完璧な回答で注目が集まる。

 朝から気持ちがより落ち着いているのか、嬉しそうにしていた。

 このまま進んでくれればいいんだけれども。


「ではポラリス嬢、なぜ王女は好きだった公子を奪った令嬢を断罪することだって出来たはずなのに、それをしなかったのか?」


「え、えっと……公子が悲しむから?」


 ボクに指された。

 とりあえず思いついたのがそれだった。

 もっと深い意味があるんだろうけれど、ボクにはそこまで分かりそうもない。


「それは良い解釈だね」


 面白そうに教授が言っていた。

 合っているのかな、間違っているのかな。

 アデリナ様がこっちを見ている。


(だからいちいち見ないでって!)


 何を思っているんだろうね。

 それこそアデリナ様は。この授業みたいに訊いてみたい。

 アデリナ様、見ていない時でも何かを書いている。それだけだったら良いんだけど、ペンを強く握っているのかな、『選定』『光』といった文字が乱れている。

 無理矢理ぐじぐじと消しているみたいだし。


「王女にとっては、令嬢を断罪して遠ざけたとしても、公子が戻ってくれるか分からなかったからだな」


 へぇ~、結構古い文学でも、ボクが見ていたマンガであった事ってあるんだね。

 むしろそれが面白いのかもしれない。


「ポラリスさん、良い解釈だよ」


「そ、そうかな……」


 ロランスに褒められて顔が紅くなっちゃう。

 純粋に褒められているからかな。


「さてポラリス嬢、ここの比喩はどう解釈できるか?」


(ま、また!?)


「バルカナバード嬢、今日すごく当てられてる……」


「教授も模範組の動向を気にしているのよ」


 何で他の令嬢もいるのに、ボクを指すの!?

 ちょっと注目されちゃっているよ。ひそひそと話しているし。

 アデリナ様だ って見ているし……指された時には眉がわずかに動いていたし……


「ポラリスさん……」


 小声でちょんちょんと触られたと思ったら、ロランスがメモを渡してきた。

 そこには”希望だよ”って書かれている。


「希望です」 


「正解だ」


 教授が拍手してくれた。

 嬉しく思ってくれたけれど、ロランスのおかげだって。


「ありがとうね」


「ううん、大丈夫」


 ボクはロランスに感謝する。

 でもどうしてこんなに当てるんだろう。


「ねえ、カルモナ教授ってどうしてこんなにボクを当ててくるの?」


 だからロランスに訊いてみた。

 他の生徒を指せば良いのに。


「マヌエル教授って、”素直な感性”を重視する事で有名なの」


「へぇ~」


 だから当ててくるんだ。

 嬉しいけれども、他の生徒を当ててほしいよ。

 それにしても、アデリナ様はボクも見ていたし、ロランスに対しても見ているような。

 どうしてこんなに見るんだろうね……

 ゼナイド様は後ろの席で見ているから、そこまで様子は分からない。

 そっちは何度も見ていたら、ゼナイド様に怒られそうだし。


(ライバル視しすぎだって! せめてゼナイド様を見てって!)


 離れているから、授業に集中してよ!

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