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小学生男子だった僕、悪役令嬢の取り巻きに転生したのに、舞踏会で料理を食べてただけで王子様に選ばれました  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)


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第193話 第二聖女6

 次の日も、ボク達は神殿へ行った。

 色々と書類の作成を行っていくために。

 もう聖女候補とかの立場じゃないけれども、ロランスも手伝ってくれている。


「失礼いたします」


 静かな声とともに、扉が開いた。

 入ってきたのは、神殿の侍女。

 整った所作で一礼する。


「ザスキア聖女様より」


 一拍。


「お二人に、早速のご用件がございます」


 空気が、少しだけ変わる。


「もう?」


 ロランスが小さく呟く。

 早い。

 任命された直後。

 でも。


(そういうもの)


 ボクは立ち上がる。


「行く」


 短く。

 アデリナ様も頷いた。


「ええ」


 迷いはない。

 ロランスがこちらを見る。


「いってらっしゃい」


 笑っている。

 さっきと同じ。


「うん」


 ボクは小さく返した。

 扉へ向かう。

 出る。

 廊下。

 さっきと同じ。

 でも違う。


(立場が変わった)


 歩く。

 侍女の後ろを。

 止まる。

 扉。


「こちらです」


 開かれる。

 中。

 ザスキア様が立っていた。

 さっきと同じ。

 でも。

 少しだけ距離が近い。


「来ましたか」


「はい」


 アデリナ様が答える。

 ボクも頷く。

 ザスキア様は二人を見る。

 順番に。

 止まる。


「第二聖女として、最初の指示を出します」


 短い。

 余計な言葉はない。

 ボクは自然と姿勢を正す。


「王都南区」


 一拍。


「配給管理を引き継ぎなさい」


 空気が止まる。

 アデリナ様の目が、わずかに細くなる。


「……南区、ですか」


「ええ」


 ザスキア様は頷く。


「現在、滞りが発生しています」


 その言葉。


(止まってる)


 頭の中で繋がる。

 孤児院。

 配給。

 消えた流れ。


「原因は?」


 アデリナ様。

 ザスキア様は、少しだけ間を置いた。


「不明です」


 短く。

 でも。


(違う)


 ボクは思う。

 知ってる。

 でも、言わない。


「調査は?」


「不要です」


 即答。

 線を引くように。


「あなた方の役割は」


 一拍。


「回すこと」


 それだけ。

 視線が、ボクに向く。


「止まっていても」


 短く。


「回しなさい」


 第一試験と同じ。

 でも。


(違う)


 規模。

 意味。

 全部。


「了解しましたわ」


 アデリナ様が答える。

 迷いはない。

 ボクも頷く。


「やる」


 それだけ。

 ザスキア様は、わずかに頷いた。


「期限は三日」


 短い。

 でも、十分。


「結果を出しなさい」


 静かな圧。

 でも。

 嫌じゃない。

 分かりやすい。

 やることが。


「以上です」


 終わり。

 ボク達は一礼する。

 扉へ向かう。

 出る。

 廊下。


 少しだけ、空気を吸う。


「……早速ね」


 アデリナ様。


「うん」


 ボクは頷く。


「南区」


 あそこ。

 知ってる。

 見てる。


「やること、同じだね」


「ええ」


 少しだけ、笑う。


「ですが今回は」


 一拍。


「第二聖女として、ですわ」


 重さが違う。

 でも。


(やることは同じ)


「回す」


 それだけ。

 ボクは歩き出す。

 もう。

 止まらない。

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