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Ⅷ.ヨウは白銀の小鳥に出会う

「空気が綺麗だ、この島はどこもかしこも素晴らしい。」


ヨウは島のオアシス公園に来ていた。島の中でも特に緑が多く、ちょっとした森のようになっている中に小さな湖がある素敵な公園だ。


ヨウは湖の近くにあるベンチに座った。

今日はトーマスは連れず、1人でここまできた。ヨウは目を瞑り右手の指で目頭をマッサージして、今朝届いた兄であるウィリアム王からの手紙を思い出していた。


手紙の内容は要約すると"イーサンが婚約を望んでいたスーザン嬢が行方不明となったため、近々エレナ嬢を連れて王宮へ参れ"というものだった。


「全くしつこいな兄上は。しかしバイロン男爵家の娘が消えるとは…男爵も何が何だかという様子らしいしな。」


問題が次から次へと起こる。どうか、ゆっくり休ませてくれ。そう願った時、後ろから木の枝がバキバキバキっと折れ、何か塊が地面に落下した音が聞こえた。


サッと後ろを振り返るが人影はない。

早々に王位継承争いから離脱し画家となったヨウにあまり敵はいない。そもそも兄の母、今は亡くなってしまったが前王妃は侯爵家出身。国1番の有力貴族だったが、一方でヨウの母はここフィーリア島出身の平民だった。わざわざヨウを亡き者にせずとも王位につくのは誰か明白だったため、命を狙われるという経験はほとんどない。しかし念のため、警戒しながら音がした方へ近づいてみる。


長く伸びた草をかき分け、枝が複数折れている木の下を見た。するとそこには、白銀の毛並みが美しい小鳥がいた。よく見ると左の翼から血が出ている。

「大変だ、すぐに洗うから待っていなさい。」

ヨウは湖の方へ急いで走り、持っていたハンカチを濡らして小鳥のもとへまた戻った。

数回優しく拭いてやると、血はだいぶ取れて、出血も止まっていた。

「良かった。これは…銃にのるものか…?」

ヨウは傷をよく見ようと小鳥に顔を近づけた。と同時に心なしか真っ赤になった鳥はバサバサバサっと羽ばたいて空へ勢いよく飛んであっという間に見えなくなった。

「な、なんだったんだ…」


ヨウは茫然と立ち尽くし、鳥が飛んで行った方向の空をしばらく見つめていた。



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