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第四話 妹vs妹

とあるNT見てたらロボット物が書きたくなった……。

半年前にも書いたけど、……うん今から読み返せないくらい拙かった。

ソフィリアの方も簡単な短編が書きたいし、時間が、時間が、足りない。

 美少女と美女が抱き合っているのは……まあ、目立つわな。


「うぐぐ、クランハウスで大人しく待ってればよかった」


 周囲からじっくり見られてることに気付いたルルエッタは、羞恥でその場を逃げた。もちろん、俺達を置いてだ。


 どうせ、会う場所は決めてあったので問題はないのだが――何をやってんだか。


「クランハウスだと他人ではなく、身内に見られることになっておったぞ?」

「うがあああ」

「野生にもどんな」

「がうがう」


 大きな犬がソファーの上でばたばた暴れ、それをサクラが「どーどー」と宥めていた。


 ってわけで、そんなこんなで俺達は今ルルエッタや妹たちのクラン『ステラ』のクランハウスに来ている。若い娘らしく家具には可愛らしいモノが多く、男には少々居づらい空間だ。


 廃都市についてきたメンバー以外にも、リアルの友人六名を加えた十人がクランの総数だそうだ。


 見覚えのある顔だったり、全くしらない顔だったり、クランの全員ではないが女子高生に囲まれる俺はなおさら肩身が狭い。


「それでお兄ちゃん、この人が『彷徨うエルフ』って都市伝説になってたエルフさん?」


 サクラ()アウラ(妹分)が初めて顔を合わせた。


 アウラは俺の実の妹だと聞いて興味深そうにしてる――一方、妹はアウラの整ってるアバターに気圧されてる。


「そうだ、正確には俺が作ったエルフ型ホムンクルスであり、俺の拡張インベントリだ」

「……どういう意味?」


 インベントリ()? えっ、この人、何言ってんの?


 妹とその友人達からそんな眼差しを向けられる。


 その中には男に対する偏見も混ざってる。なにせ、アウラは典型的な美しいエルフだ。さらに付け加えると胸も大きい。


 だがしかし、これだけははっきり言っておく。アウラをデザインしたのは瑠衣さんだ。それを妹に伝えると、すぐさま「さすがセンスがいい!」と意見を翻す。


 なんて調子の良い奴だか。俺はそれを無視してアウラの紹介を続ける。


「Numbers.0 拡張インベントリの『アウラローゼ』――簡単に言ってしまえば、所持限界を無視していくらでも荷物を持てるってことだな。もちろん、相応のデメリットもあるが」

「ずるくない? 私達がダンジョンでどれだけ持って帰る物を厳選してると思ってるのさ……」


 鼻たかだかに胸の前で腕を組むアウラ。


 これでもかと強調される胸に、女子高生達の何人かが自分の胸を見て絶望してる。胸もゲームアバターなら盛れるのだけれども、リアルの繋がりがある場所でそれをしても悲しい結果だとわかっていてできなかったのだろう。


「言っただろデメリットがあるって。アウラローゼを所持すると、俺はインベントリの一部操作ができなくなるんだ」

「スキルも使えなくなるので?」

「いや、『クイックチェンジ』や『クイックユーズ』といったアイテムの使用を補佐するスキルはアウラの近くって条件でなら発動できる。当然、アウラと分断されたら俺は一切のアイテムを取り出せなくなる」

「なるほど、それは相応のリスクですね」


 俺の説明にシルフィが納得する。


 このゲームは状況に合わせて装備を換えるのが肝だ。故に装備のどこかには必ず装備を即時に切り替えるスキルが入り、前提スキルなんて揶揄されるほどである。


 スキルの話で俺はルルエッタから受け取った装備を思い出した。


「――と、これ返しとくわ。サンキュー」

「もういいの?」

「十分役に立ってくれたからな。あとは気長に自作するわ」

「なら良かった」


 俺はルルエッタが迷惑料だと言って渡した、『クラフターリング』を返す。


 それを見て反応をしたのはアウラだ。彼女はその指輪を作った時には俺の隣にいたので、当然それの事も覚えている。

 

「懐かしい物じゃ。そんな型落ちの装備なぞ、よく持っておったのう」

「――えっ、それはほら……。もらったモノだからどう処理したらいいかわからなくて――」

「えっ、なになに? アウラさん、その話聞きたい! ってか結局ルルにお兄ちゃんとの話聞かせてもらってないんですけど?」


 あーあ、アウラが女子高生のスイッチを入れた。


 あいつにとっての身近な女性と言えばドーラしかいなかったから、それも仕方ない。姦しい娘がどんなのか経験してきな。俺は関わらん。


「う、うむ? 話すのは構わんが――」

「ちょっとアウラ!」

「代わりにご主人の話を聞かせてもらおうか」

「ご主人っ――。こんな美女からお兄ちゃんってば、ご主人なんて呼ばれてるの!? 家族会議が必要な案件じゃないかな!?」


 ――俺は関わらん。何も聞かなかったことにする。


「おい、ルルエッタ。装備の話はどうするんだ?」

「えっ? えーっと……シルフィ、あっ、はい。――話を聞きたいから嫌だと。じゃあ、アオイ!」

「う、うん。わかった、工房まで案内したらいいんだよね」

「お願い! ――ちょっとアウラ、その話は内緒だって!」


 女子高生にもみくちゃにされるアウラの困った声も聞かなかったことにして、俺は案内してくれるアオイの後をついていく。


「あの、アウラさんがいないとインベントリを使えないんじゃなかったですか?」

「そうなんだよな、必要な装備は今付けてるんだけど。アオイちゃんの装備から作るから、前の素材を借りていいかな?」

「借りるだなんて――私、ほとんどお荷物でしたし、使ってもらって全然……」

「俺は楽しかったから、気にしなくていいよ」

「楽しかった――ですか?」

「ああ、俺ってMMOのオンラインゲームをやるの四年振りだったんだよ。やっぱり人と遊ぶのって楽しいよな」

「あはは、私もすごく楽しかったです。――っと、ここが私達の工房です」


 アオイが目的の部屋の扉を開く。


 リアル志向のゲームとはいえ何から何までリアルと一緒にはいかない。たとえお洒落なお宅の外観を無視した、工房が存在していてもツッコミはナンセンスだ。


 ゲームと現実を一緒にしてはいけないだろ?


「さって、クラフトマンとして本格的に作業するのは久しぶりだ」

「あの短剣を作ったんじゃないですか?」


 あのアイアン装備二つは何も考えず作った手慰みでしかない。それを俺の作品と呼ぶにはお粗末なんですよ、お嬢さん?


「あれは作ったうちには……な」

「いやいやいや! エンチャントスキル八個はおかしいですから。メイなんて四個付けれて大喜びしてたのに――」

「HAHAHA、このゲームのアイテムには三つの分類がある。ドロップ品かプレイヤー産か、バグメイカー産かってな」


 ちなみに俺は生産職だが、戦闘メインのプレイスタイルだ。


 だから滅多に出回ることのないHACKで作った装備は、度々都市伝説扱いされたこともあったりする。赤の他人に売るぐらいなら知り合いのクランに流してたからな。


 昔話は置いといて、それでは現状確認をしよう。


 俺が装備してるクラフト装備のエンチャントは手抜き用の物だが、大体アバター換算で100プラスされる。


 級ごとの補正値が大体、


 初級スキルレベル×5

 中級スキルレベル×8

 上級スキルレベル×10


 となっており、最大レベルのエンチャントであるⅩならスキルの最大200の半分までは装備で補えるのだ。


 これはあくまで四年前のデータなので、今の仕様は知らない。――が新しい級が増えて装備で加算できるスキルレベルが増えてるぐらいだろ。


「今の鍜治スキルが装備込みで105。これならミスリルもぎりぎり加工できるし、中級までならスキルもエンチャントできるはず。――昔と仕様が変わってないなら、な」


 さーって何作ろっかな。


 顔がとんでもないことになってるアオイは放置して、インベントリの素材から何を作ろうか想像の翼を広げましょうか。


 汎用クラフトリング 品質:A+ 状態:普通


 上級鍜治:Ⅹ

 上級ガンスミス:Ⅹ

 上級革細工:Ⅹ

 上級木工:Ⅹ

 上級彫金:Ⅹ

 上級裁縫:Ⅹ

 上級調理:Ⅹ

 上級錬金:Ⅹ

 上級DEX強化:Ⅹ

 上級LUX強化:Ⅹ


 Hackがクラフトする時に装備を一々変えるのが面倒な時に使う横着用装備。



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