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第八話 阿は俺で吽はあいつ

ストックを減らさずに更新回数を増やすには、今から話を書けばいいじゃない!

そう思って現在創作中、内容はルルエッタの回想ですよ。


前話の最後が結構コピペミスしてましたので修正しました。

コピペミスした文章を読んで、おかしいから修正して。……投稿後抜けてんじゃん! と気づきましたとさ。

 俺は目の前には二体のスケルトン、その片割れにアイアンダガーを投げる。


「いけ、ルルエッタ、きりさくだ」


 スケルトンはよくある骨だけで動く、有名なアンデッドの臭くない方の片割れだ。


 俺は投擲用に調整した攻撃用のダガーを、弱点である核――ではなく足の甲を縫い付けるように刺した。


「はいはい、相変わらず無茶苦茶な戦い方を要求してくるわね」


 そう言いながらもルルエッタはフリーなスケルトンを無視して、俺がダガーで動きを止めた方を二本の脇差しでばっさりと胸の魔石を傷つけずに破壊する。


「ははっ、アウラなら何も言わずに合わせてくれるぜ? 次いくぞ! 『パリィ』」


 前に突出したルルエッタには、当然フリーなスケルトンが襲い掛かる。それを俺は庇うように体を彼女の前に出して、左手に持つ防御に特化させたナイフでスケルトンの剣を弾く。


 さらにオマケの正拳突きをプレゼントして、俺は後ろに下がった。


「後は任せる」

「ほほいっ」


 俺の打撃で転んだスケルトンへ、まるで台本があるように入れ替わりでルルエッタが一撃……、いや二刀流の二撃をお見舞いする。


 その間に近くで戦ってるサクラ達の戦況も確認しておくが、


「いやあああ、VRで見るゾンビってこんな怖いの!?」

「ちょっとアオイ! 逃げ回ってると魔法で狙えないって!」


 女性にしては身長が高めでカッコいい娘な印象の在ったアオイが、臭い方の片割れから逃げ回っていた。


「ゾンビ一匹に大騒ぎだな。『リターンハンド』『エンチャントファイアー』、そんであっちに援護っ――さすが俺、神エイム!」


 投擲術のアーツを使いダガーを手元に戻し、そのまま青いを追い掛け回すゾンビの頭部に投擲する。


 火の属性付与を発動させたダガーはゾンビの頭部に命中すると、僅かに残った髪に引火して激しく燃え上がる。


「オーマイガッ、すまん。そんな髪を派手に燃やすつもりはなかったんだ――たぶん」


 そう、俺は神に謝罪した。


 スケルトン二体、ゾンビ一体の計三体のモンスターを倒した俺は、『リターンハンド』のクールタイムが過ぎるのを待たず直接拾った。


「お疲れさん、楽しそうに戦ってたな」


 ゾンビ一匹にここまでパニックになるとは、今までどうやって――ってルルエッタ(経験者)がいたか。


 地面に座り込んで、ひーひー言いながら息を整えるアオイ。サクラとシルフィはそんな涙を浮かべる彼女を宥めていた。


「相手が悪かったわね。普通のモンスターなら普通に戦えてたでしょ?」


 確かに道中のモンスターとは普通に戦っていた。見た目が好みな動物系を見つける度、大興奮するのはどうかと思うがな


「俺もできればアンデッド系の相手はノーセンキューだ。本音は爆弾満載のモンスタートラックを突っ込ませて、派手に消毒したいところなんだがな」


 そんな俺が来たのは、そのアンデッドがひしめくフィールドだった。


 飛空艇に乗って一時間ほど幻想都市「アテナ」をまっすぐに北上して、さらに飛空艇の発着場がある北部都市から近くの冒険者キャンプまで馬車に乗り換えてやってきたここ『廃都市』。


 元々は北部の流通の中心だったのだが、死霊術師が勝手にパーティを開催して廃棄された。――というのがこのフィールドの舞台設定だ。


 大きさは数十万の住民が暮らせる程の規模を誇り、人工物を取り込んだダンジョンがショッピングモール状態で乱立する危険地帯である。


 ベースとなった都市は実に整った街並みだったのだろう。規則正しく区画分けされた建築物、冬になれば大きく雪の積もるこの地域はまるでロシアのような建築様式をしている。


 だがしかし人の住まなくなった建物達の肌は薄汚く、表面は緑色だったり紫だったりの苔に覆われ細い蔦が伸び放題だ。


 自然に呑み込まれた都市には人の代わりに、モンスターが住み着いた。廃都市周辺やセーフティーエリアである冒険者キャンプの傍は動植物系が多く分布し、街の中心部に進むにつれてアンデッドがメインとなる。


 それを知らずにやって来た三人娘はさっきまでお化け屋敷に来たカップルさながらの悲鳴を上げて、逃げ回っていたのだった。


「――? ああ、皆があなたをアンデッドと戦わせるなって言ってたのはそういう事ね」

「アイツらが話したのか?」

「そうよ、『あいつの前にアンデッドが現れたらフレンドリーファイアーに気を付けろ』って」


 それはあいつらの自業自得だ。「夏イベがあるからいこうぜ」って、都市まるまる一つ使ったゾンビパニックイベントに黙って連れていかれたのだ。


 最終的にはありったけの爆薬を集めて、ビルでドミノをしてゾンビと一緒にあいつらも瓦礫に埋めてやったがな。


「お兄ちゃんってホラー苦手だったの?」

「中坊の頃の話だ。今は冷静に戦えるくらいには耐性はできてる」

「えー、どうしてよ」

「つまらないわね」


 俺の弱点を知ったら絶対それで弄るだろ、おまえらはよ。


 ルルエッタと一緒に俺へと抗議する妹に軽くデコピンして、俺は地面に落ちる戦利品を拾い集める。


「ゾンビ系FPSって面白いのが多いんだよ」

「ゲームの為って――あなたらしいわね」


 俺は呆れ顔のルルエッタにドヤ顔で応える。そんな俺達にスケルトンより見た目が醜悪なゾンビを押し付けられた連中はジト目だ。


「でも――お兄ちゃん達、ゾンビの相手を私達に押し付けたよね?」

「おいおい、それは言いがかりだっつーの。動きの遅いゾンビを重装のアオイに任せて、俺らは動きの早いスケルトンを先に潰した……どこもおかしくないだろ? そもそもゾンビは魔法の方が効果的だしな」


 これ以上追及されるとまずい。俺とルルエッタは頷き合うと言葉も交わさず、一緒に足早で廃墟となった都市を先行した。


「まてー!」

「ゾンビは嫌だ、ゾンビはヤダ……ぞんびぃ」

「サクラさん、アオイさんのSAN値がまだ直葬されたままです!?」


 久しぶりの廃都市に感慨へと浸る余裕もなかった。後ろでギャーギャー叫ぶ戦力外な三人を放置して、俺は道中のアンデッドをルルと二人で排除しながら逃げた。


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