あとがきと解説
まずは、このような書きたいから書いた作品にお付き合いいただき、ありがとうございます。
この章は
「異世界転生しても冴えない僕には君しかいない」の解説となります。
本編を読んでいただければ十分ですし、
本来は解説など書かないほうが良いのですが、書きたいので書いちゃいました。
いったい何を読まされたんだ?どういうこと?と感じた方に弁解ができたらと存じます。
•コンセプト
この作品は「異世界モノ」と90年代後半から00年代に流行した「セカイ系」を組み合わせた
いわゆる定番のお約束ストーリーです。
「異世界モノ」に関しては多種多様となっていますが、トラックでゲーム風ファンタジー世界に行く部分が引用となっております。
今作は正確には転生ではなく転移なんですが、まあいいかなと思っています。
「セカイ系」においては定義もあいまいなんですが、主人公とヒロインの小さな関係性と平行展開する世界の終焉、戦闘美少女と無力な少年の要素が引用されています。
異世界モノの主人公は、たとえ能力がなくても知恵で仲間を勝利に導いたり、普段は評価されてない部分が重要な局面で役に立ったりしますが、
セカイ系の主人公は世界の命運はヒロインに背負わせて最後までウダウダしているのが基本です。
こうして定番の要素を掛け合わせた結果、異世界に行きながら無力でヒロインのことしか考えてないのに世界の終焉に関わる今作の主人公が生まれた次第です。
それとラノベを書くのは初めてなので
可能な限り話しを短くして完結させるよう心がけました。
初期プロットではもうひとりヒロインがいたのですが、話しをコンパクトにするためにカットしました。(例のアレでいうアスカの立ち位置でした)
また、全年齢対象にする為に刺激的な描写はございません。
・エピソードごとの解説
■第1話
舞台はゴブリンの村
主人公の紹介と彼女との出会い
この作品のネックとなるのが主人公です。
無能でキャラに魅力がなく彼1人ではストーリーにカタルシスを持たせることが出来ませんので、大事なつかみというのに非常に苦しい1話です。
実際にアクセス解析で1話で読むのをやめた方が多いです。
それでも1話のお気に入りは異世界でも日本語というメタっぽい話しでヒロインと主人公の共通点を知るきっかけを作ったことです。
また、「既に恋に落ちていた」は「既に」の部分で実は初対面ではなかったというラストに繋がる大切な伏線なので少し時系列までいじってまで印象強くしました。
微笑んだ気がしたり、回復魔法のくだりもラストシーンの布石になっています。
■第2話
舞台は城下町
ヒロインの紹介
2話ではヒロインの無双シーンがハイライトとなっています。また、強さだけでなく今までの生活レベルでも主人公との格差があったりします。
ヒロインの無双シーンは1話の兵士相手に展開した方が、話も短縮出来るし地味な1話にいろどりがでるんですが、そうするとヒロインが好戦的な印象になってしまうのでこうなりました。
ヒロインが戦いに消極的なキャラでないと、ヒロインだけで成立してしまい、より主人公が不要になってしまうんです。セカイ系はムズイ。
2話でもラストシーンに繋がる回復魔法の後のセリフのフリがあります。
■第3話
舞台は城の中
伏線の為のエピソード
第3話は最終話に使う究極魔法の伏線の為の回です。主人公の思惑通りには話は進みませんが、2人は宝物庫に導かれて究極魔法の効果を紹介する為の話です。
また、主人公が彼女の気をひこうとして裏目にでて物語が転がる展開の雛型でもあります。
■ブリッジ
第4話ではなく、1〜3話と最終話のつなぎです。
ここの部分にいくらでも追加エピソードをはさめるようになっています。
最終話があっても物語を延長できる寸法です。するかどうかはわかりませんが。
■最終話(前編)
舞台は魔王の宮殿
世界の終焉
最終話にしてクライマックス、あっさり最後の希望のヒロインは封じられ、世界は消滅していきます。
ここで主人公がすることは勇気をだして告白するだけ。これぞセカイ系。なんで流行ったんでしょうね?
■最終話(後編)
伏線回収とラストシーン
1話〜3話までのフリを全て回収して終わります。
ハッピーエンドと思ったらバッドエンド
かと思ったら夢オチ
と思ったらとベタなパターンをつるべ打ちして
主人公の小さな物語の結末と全体の話の前後に余白を残すオチとなっております。
・結果的に
わりかし定番の要素で構成したのに関わらず独自性をもった作品になりました。
特に全体的な非暴力的なムードがお気に入りです。
反省点としては、低刺激で最終話までのヒキが足りない。
会話劇も最小限にしたためキャラクターの魅力が足りない。
文章の力量不足もあるんですが、興味を持続させる為のもうひと味アイディアがあったらなと思います。
そして、この解説回をここまで書いて
やっぱりいらんなこれと葛藤しつつ
まあせっかくだからとアップします。
読んで頂きましたこと重ねて感謝いたします。