表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前身・その最弱は力を求める  作者: 藍色夏希
第2章【その最強は世界を求める】
29/252

27.【いつかあのツリーハウスで】

「僕達が興都を案内しようか?」

「いや、また今度頼む。今日はレリィと寄りたい所がある。」


アミリスタの提案を断り、アキトがリデアを見た。


「じゃあ、私とアキトとむぐぅ!」


続けようときた言葉をアミリスタの手が止め、突然塞がれた口で驚愕の声をもらす。

連れて行ったリデアを、アミリスタが何やら洗脳している。

レリィを気遣って2人の状況を作ろうと奮戦するアミリスタに、ヴィネガルナが苦笑しアキトが首をかしげる。


「それじゃ、どこに寄るの?」


有無を言わせぬ少女の物言いに、アキトは抵抗しなかった。


ーーーーー


「それじゃあレリィ、行こうぜ」

「はい!」


嬉しそうに頰を緩めるレリィに微笑ましい視線を向け、アミリスタに教えてもらった通りに興都の街並みを進む。

レンガが主流で作られているたくさんの家。それは、1つに形を絞らず作られている。


「確か、こっちだな・・・」

「・・・」


アミリスタ製の地図に目を落とし呟くと、あげた視線がレリィを射抜いた。

幸せそうに目を細める少女の表情が、アキトには悲しげな表情に見えて、心に罪悪感がよぎった。

アキトを助けたいと言って一緒に興都に来たが、恩義を返さないと満足ができなさそうな優しい少女のため、どうしても無理をしているのではという思いが拭えなかった。


「レリィ。俺と一緒に来て、後悔してないか?」


不安を瞳に宿し、アキトが心配そうにレリィに問いかけた。それを聞いて、レリィが呆気に取られた。

後悔をさせないために尽くしたアキトは、レリィの後悔をしっかりとり除けたかが分からない。だから、こんなに不安げに問いかけ、無力な自分を悔いている。

少しの間瞠目し、目を開いて答えた。


「私、アキトさんとここに来れて、良かったです。ガルドの手下のように思われている私が居ない方があの村もいいと思います。」

「そんな事はない!」


違う。こんな事が言いたいんじゃない。アキトを困らせたい訳ではない。

住民達もみんな心優しい。


「ごめんなさい。嘘をつきました。来れて嬉しいのは本当です。でも、1つだけ、後悔はあるんです。」


そう。後悔が1つだけある。

あの死闘から生還し、アキトが目覚めたあのツリーハウスで、最高の景色とともに胸で息づく想いを伝えておけばと、


「まだどんな後悔かは、言えませんけど。」

「なら、その後悔を無くしに、またカーミフス村に行こう。」


アキトは思う。親を殺され、慕っていた父は息子に殺されたとしり、人間の醜さに絶望した。それだけでアキトは辛さに苦しみ死ぬかもしれない。しかし、レリィには、心の依りどころが出来た。それだけでは無く、一緒に生きていける。

それを、人は幸せという。


「ありがとうございます。」


嬉しそうにレリィが笑う。そこに、無理をしている気配はない。無論、レリィは無理をしていない。

幸せを噛み締めている。


ーーーーー


「それじゃあアキトさん部屋はこれで大丈夫です。」

「悪いな・・・」

「もう、それは無しです。」


レンガ造りの建物から出て、レリィがアキトにはにかんだ。

何をしたかというと、レリィ名義でマンション的なところの部屋を買ったのだ。

2LDKの部屋を買う予約をして、明日、皇城で報酬をもらい購入する。


「にしても、リデア達との待ち合わせまで結構時間あるな・・・」


この世界の特徴的な時計だが、読み取り方に変化は無い。それを見て、アキトが小さく呟く。

ピクリとレリィが肩を震わせた。するとレリィは頰を紅くして云う。


「待ち合わせまで街を見ませんか?」


今回少し短いです。本当に申し訳ありません。

作者に時間がなかったのと、空いた時間にネットが繋がらなくなりドタバタして時間が足りませんでした。

次回は通常に戻せると思います。(ルーターの調子が良ければ……)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ