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前身・その最弱は力を求める  作者: 藍色夏希
第3章【その血族は呪いに抗う】
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198.【震える拳は怯え続ける】

短めです。すみません。

土ぼこりに紛れ、闇に全てが溶けていく。役目は終わった。そう言いたげな未来の景色が、ゆっくりと世界の曖昧な輪郭に溶けていく。

意識さえもそれに紛れてしまう気がして、朦朧とする意識の中で、鉄仮面で偽ることのない本心で、ミカミ・アキトは願ってしまう。


「傷つけたく・・・ない・・・」


自分ですらも気づかないような呟きは、闇に溶ける。聞こえなかった。聞こえない。だって・・・。


ーーーーー


「アキト、大丈夫?」

「?」


アキトの視界いっぱいに広がる、幼さの残る愛らしい顔だちの少女。ライラの2つの瞳が、じっとアキトを見据えて、その身を案じる言葉を紡ぐ。

不安に侵されていた心が少しだけ軽くなった気がして、その頰を緩める。

憎悪や嫌悪、殺意に塗れることしかできなかった少女への感情に、そんな暖かさが生まれたことが嬉しくて、また笑みを浮かべる。


「大丈夫だ。それに、・・・・・・」

「それに?」


アキトの言葉に問い返すライラの不思議そうな顔、それから目を逸らし、きっとどこかで眺めているのであろう282に告げる。


「あの未来は、鉄仮面を使い続ける俺の未来。」

「・・・・・・?」

「鉄仮面を使う、代償。」


その覚悟を問う、試練。

このまま鉄仮面を使い続ければ、ある程度の強さを、血が滲むほどの努力で会得し、恐怖心を鉄仮面で抑えることで屈縮術を用いて戦い続けられる。少女たちは守れる。しかし、自分の心を覆い隠し、外界からの感情もかき消す鉄仮面は、少女たちの言葉も、心も、全てをかき消してしまう。少女たちを生かす代わりに、傷つけてしまうかもしれない。

もし、鉄仮面の使用をやめたら。恐怖に震え、不安に喘ぎ、ただでさえ使えない力が縮こまり、自分どころか少女たちすら守れない。歴史に名を刻む愚者へと身を落とす。


心がなかったからこそ、ここまで戦ってこれた。力が無い代わりに、心を捨てた。このまま心を取り戻してしまえば、鉄仮面を外してしまえば。なにを代償に力を得ればいい?

何かがあるはずがない。


「いいさ。そろそろ戻ろうライラ。」

「うん!」


元気に頷く少女の満面の笑みを見て、握り固めた拳がなにを思っているのか知る由もなく。

鉄仮面に怯えた拳は、震えていた。


ーーーーー


胃に収まっていった食事。アイリスフィニカ特性うさぎシチュー。美味ではあったのだが、食事中の気まずさが神がかっていた。

浮気相手と仲良くジェットコースターに乗っていたら、後ろに彼女が乗っているくらいの気まずさだった。

そんなある種の拷問を耐え抜き、アキト達一行はさらに先を目指す。目標は、この月の保管庫から脱出する事。そして、アイリスフィニカを地上へと導くこと。


深緑の木々達が、平和そうに揺れていた。


最近のブームはリゼ皇女。作者にマイクラを買わせるほどの影響力。更に作者はポケモンにも手を出そうとしている。財布が軽い・・・

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