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前身・その最弱は力を求める  作者: 藍色夏希
第2章【その最強は世界を求める】
108/252

106.【証明】

「地下迷宮に1人で!?」

「うん、僕は伝言を頼まれて来たんだ。」

ラグナとヴィネガルナの奮戦と、それをサポートするリデアの技術のお陰で、イラを戦場に押さえつけるという無理ができている。

白金の翼が大きく羽ばたき、空を駆けるラグナの翼から魔力が射出される。100を超える魔法攻撃の雨を前にして、イラは手を掲げることで迎え撃つ。重なった2つの腕が点滅し降り注ぐ魔力が見えない力に撃ち落とされる。魔力のそれぞれの壊れ方はバラバラで、砕け散っているものもあれば、半分に絶たれているものもある。おそらくダリアたちに使った範囲内無差別攻撃。

キラキラと舞い落ちる魔力に紛れるラグナへと、容赦のない炎の槍が射出される。巨大な槍に見合わない速度でラグナに突き進むそれを、白金の翼が防いだ。ギリギリと勢いを削るラグナの翼、その防御力は、細くしなやかな翼とはかけ離れている。

「寝返りやがったな!」

炎が徐々に弱まり、消え去ったその重圧が灰となり、()()()()()()()()|。まるで不死鳥のように再び紅く輝く炎は、いとも容易くラグナを呑み込んだ。

「私を忘れるなっ!!」

抜刀術のような構えで剣を構え、それが叫ぶ声とともに搔き消える。現れたのはイラの眼前。明らかに認識速度を超えた一撃に、炎球を打ち込む。

「きゃっ」

破裂する炎がヴィネガルナへと迫り、そこに半透明の結界が割り込んだ。散り散りになる炎が目先を走る。

「地下都市か、丁度いい!」

アミリスタの伝言は、イラの耳にしっかりと入っていた。


ーーーーー


貴鉱石をポケットに入れ、それでも見惚れてしまいそうになる輝きに苦笑しながら、地下迷宮から一刻も早く脱出しようと走る。貴鉱石の輝きで道が明るいのと、こちらから入った場合の罠のない道を聞いたからだ。アンナは意外と体力があり、正直アキトが置いていかれそうになる。ただ、それでも走り方が子供っぽい。

「お客様はあれを倒す作戦は、組み上がっているのですか?」

「作戦って言っていいのか知らんが、なんとかな。」

アンナが平気そうに質問をして、意地を張るアキトが息切れを隠しながら答える。イラを倒すまでいけるかは、ヴィネガルナたち次第。アキトも、リデアの魔法を使えれば参戦できる。

「お前はさ、俺に招待状を送っただろ?あれは、この展開を予測してたのか?」

「受け継がれて来たことに従ったまで、別に、気に病むことはありません。」

さりげなく聞いたつもりが、簡単に見抜かれ気遣われてしまった。顔をしかめながらただ走る。

やっと、終わらせられる。この戦いを。

次回が長くなるので短いです、すいません。

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