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夜空

作者: Stardust

初投稿です。拙い部分が多々見られると思いますが、温かい目で見ていただけるとありがたいです。


110番

一生押すことはないと思ってた数字を押す。

そして、君が自殺しようと思ってる旨を伝える。


「なるべく話しかけて引き留めてください。」だそうだ



あぁ…

どうして、君はそこまで追い詰められてしまったの?

どうして、君はそんなことしようとしてるの?


「待って!はやまらないで!!」


どうして、僕の口から出てくる言葉はこうもありきたりなの?


こんなにも思いがあるのに………


「君には関係ないでしょ!?ついてこないでよ!!」


ほら、ほらほらほら!早く言わなきゃ。僕の気持ちを。ありきたりな模範解答じゃなくて、正直な僕の気持ちを。警察に頼まれたからじゃなくて…


「待ってって!生きてればいいことあるよ!だから…!」


違う。違う違う!!なんでこう薄っぺらい言葉しか出てこないんだ!!これも僕の本心には違いないけど…!違うんだ…。これじゃ彼女を止められない…。


「いいことって何!?今までいいことなんてなかった!!我慢してたのに…!教えてよ……教えてよ!!!」


僕は頭が真っ白になった。彼女に言われてはじめて気づいた。いいことなんて人それぞれだし…。

あぁ僕はなんて無責任なことを言ってしまったのだろう?


イイコトッテナニ???


「ほら、いいことなんてないでしょ? "努力すれば報われる" なんて綺麗事に過ぎないんだよ!!いいことなんてない……。君だって私の事.............。・・なのに…」


「そ、そんなこと!」


ない…。

その続きが言えない。イイコトがわからない僕がそんなこと断言していいのだろうか?


「あぁ。もう何も言えないんだね…。ならいいや。もう君と話すのにも飽きてきたところだし……。


じゃあね。」


え、まって。え………。


「あ……。」


君は都会の明るい光の海に落ちていった。僕を置いて。


「ぁぁ……。あ。…………。」


理解が追いつかない。まさか君は………。






シンジャッタ??






「あぁ。ぅあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



シンジャッタ…シンジャッタ…!!あぁ。どうしよう。君が…君が!!


僕の瞳からは涙がとめどなく溢れ出でくる。

僕の口からはもはや言葉でなくなった 音 が作り出される。


そして僕の音は、都会の濁った空へ消えていった。







あれから数日たった。


あの後、警察の方が来て色々事情聴取された。


事情聴取なんてするな。そんなことするくらいなら、もっと早く来い。そうしたら…あの子は。


こんなの八つ当たりだ。わかってる。僕がもっと早く通報すればよかったのもわかってる。

でも………。


今、僕は警察署に向かってる。家から遺書が見つかったそうだ。その中に、僕宛のも入っていたらしい。なんでだろう?






「こちらが遺書となります。この度は誠にご愁傷様でした。」


「有難うございます。」



これが彼女の思い…………。


僕は、家に帰りゆっくり手紙を開封した。









まず第一に、死んじゃってごめんなさい。

もういっぱいいっぱいだったんです。

そして死んじゃってから言うのもなんですが、

ずっと好きでした。

だから、君に手紙を書いたんだけど。

こんな私から最後のお願いです。

私の分まで生きてくれませんか?

好きだったからこそ、お願いです。

よろしくね。







僕は手紙を閉じる。


あぁ、なんだよそれ。無責任な。自分は勝手に死んどいて僕には生きろと??ふざけんな!


じゃあ、生きてよ……。生きてよ!


僕だって…僕だって.............




好きだよ………!!!!




「うぇ、くぅ…うわぁぁぁ。」


もう涙は枯れ果てたと思ってた。

だけど僕の目からは雫がまた溢れ出てくる。

嗚咽が漏れる。






泣き果てた後、外はもう日が沈み夜の世界となっていた。


「あ………。」


僕はその中に、ひたすら大きく輝く星を見つけた。

何よりも美しい君を見つけた。



「君の分までしっかり生きるよ。胸を張れるような人生を歩むよ。」



僕は君に向かってそう誓った。



Fin…


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