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episode thirty




 翌日。

 俺の目覚めは最高に、いいものだ!


 キリシア様も大喜びだろう。


 さて、とりあえず起きよう。

 昨日はあの後夕飯とか食べたから、普通に一人で寝た。

 つまり今は自室のベッドの上だな。


 心地の良い怠さが体にある。

 

 相変わらず朝の生理現象、冬夜くんは元気一杯だ。


 I'm fine!!!

 

 なんちって。


 春賀は俺に抱かれた後、一日をぽやーんとして過ごしていた。

 どこか夢見心地で、ちょっと歩きにくそうだったのが印象に残っている。

 抱いた俺だから気づけたけど、他の人からみたら大した変化じゃねーな。

 

 うん、大丈夫。


 多分。

 恐らく。

 Maybe.


 いや、気づかれていたって構わないのよ?

 だって一夫多妻制だもの、極論抱いた全員と結婚したって構わない。


 でも、ほら。


 俺が心配してるのは家庭内不和よ。


 俺からの寵愛を巡ってガチの殺し合いとか、まあ無いと思うけど。

 

 そう考えると光源氏はすげーよなあ。

 ご機嫌とって、女を囲って、親類と平気でヤっちゃってさ。

 マジ尊敬、アニキって呼ばせて。


 だから、お手つきカミングアウトのタイミングは俺が取りたいよ。


 制服を着て下に降りる。


 まだ5時半だ。


 あ、ちなみに制服っつか学ランはもう夏仕様だぞ。

 上着はYシャツだけだ。

 何を着ても似合うんだけどね。

 

 バシャバシャ顔を洗って歯を磨く。


 春賀の様子でも見に行くか。


 勘違いするなよ、ヤらないからな?

 マジだぞ?


 お前、制服のズボンって黒いんだ。

 アレとかソレとか付いて乾くとカペカペになって滅茶苦茶目立つ。

 

 『ねーねー冬夜くん、それなーにー?』


 『えー、これ? うーん、なんだろ⭐』


 誤魔化せねーわ。

 

 コンコン


 ノックをして春賀の部屋に入る。

 もちろん了解なんてとらない。


 すっごいデジャヴ。

 ま、いっか。

 楽に行こうか。


「春賀、おはよ」


「んにゃ……あ、おはよう、ございます」

 

 んにゃって。

 可愛いな。

 初めての翌日、寝起きの言葉が『んにゃ』。


 にゃん娘だ。

 

 昨日はにゃんにゃんしたし、別におかしくないか??


「体の調子はどう?」


「……平気」


 もそりと体を起こして、ぺたぺたと触って確かめる春賀。


 寝惚けてんのか?


 まあ6時前に何一つ遠慮することなく、寝ている春賀を起こした俺が全面的に悪いんだがな。


 ボディーチェックが終わった春賀は、その場で服を脱ぎ始めた。

 着替えるようだ。

 

 ほぉほぉ、寝る際はノーブラですか。

 いいねぇいいよぉ。

 春賀は何気にCに近いBカップで、形も綺麗なお椀型。


 ツンと上を向いたトップが素敵です。


「じゃ、着替えたらおいで」


「あい」


 程々に眼福を楽しんだ後、俺は紳士ぶるため部屋を後にした。

 ただし、パンツに包まれたぷりぷりの尻を網膜に焼き付けるのも忘れないが。

 

 そんな感じで朝を過ごし、学校に向かう。


 一般公開、どうなることやら。





■□■□





「キャー! 天使様ー!!」

「ステキー!!」

「シリウス様ー!!」

「こっちむいてぇ!」

「ヤらせてぇ!」

「罵ってー!!」


 エトセトラ。


 一般公開、スゴいです。

 

 いま劇が終わったんだ。

 キャストが舞台に並んで挨拶をしている。


 体育館の客席はもうパンパン。

 どこのフェスだよってレベルでぎゅうぎゅう詰め。

 さすがの俺もいくら美人さんとはいえ、あの中で押しくら饅頭は勘弁だよ。


 で、俺の挨拶が終わって、次のフェイズに移行する。


 ズバリ、握手会。(俺only)


 参加料1000円。

 

 握手とサイン、それから二三お話して次の人って感じだ。


 軽く10万円の収益は見込めるだろ。


「それでは30分後に冬夜くんの握手会を始めます! 参加費はお一人1000円! 中学生以下500円です! ふるってご参加ください!」


「「「「「「わあああああ!!!!」」」」」」


 半額サービスまであるのかよ。

 気合はいってんな。


 つーか子供から金取るなよ。

 半額にするなら無料にしてやれ。


 舞台裏に引っ込んで、握手会へ向けての準備に入る。

 衣装を握手会用に着替えて、昼ご飯を食べるだけなんだけど。


 談笑しながら昼食をとって、俺は着替えに向かった。


 女子達は、お客の整理と俺のガード。

 

 クソムシちゃん達も、もしかしたら混じっているかもしれないのでナイフも腰に忍ばせておこう。

 武器が無いよりましだ。


「それじゃお願いします、冬夜くん」


「はーい」

 

 衣装に身を包み、特設ブースに座る。

 仕切りの向こうはもう長蛇の列だ。

 

 時間内に終わるのかよ、これ。


 まあなるようになるか。




 


 

















 

  




 なりませんでした。


 列が途切れません。


 なまじ全員美人なもんだから、おざなりな対応は出来ないし。

 握手、サイン、ほっぺor手の甲にキス。

 この流れでゴー。


 キスは俺が最初のお客さんにしてから、皆にしている。

 握手だけなんたな味気ないなーとか思ってさ。


 つい、ちゅ♡っとやっちまったんだ。


 反省はしていないが後悔はしてます。


 お陰で後の全員にするハメになってるからな。


「ステキでした!」


「そうですか? ありがとうございます」


「あ、あの! く、口に、ききき、キシュは……」


「口はだーめ。これでガマンしてくださいね」


 耳を、はむはむ。

 チュッと耳たぶにキスをして、はい次の方~。


「はううう……し、しあわしぇ♥ ……また並ばなきゃ」


 あーこの人、どおりで何回か見かけるワケだよ。

 気のせいじゃなかった。


 リピーターか!


 まったく握手会なんて、阿漕な商売だぜ。


 もういっそ体育館を使った大乱交でよくね??


 『大乱交スマッシュラブジュース〇ックス!』


 大乱闘スマッシュブラザーズエックス! っぽいノリで。

 

「格好良かったです!」


「ありがとうございま~す♪」


「ほ、ほっぺにお願いします!」


「はい、ちゅっ」


「……はぅん♥」

 

 はーい次の方~。


「こんにちは!」


「はい、こんにちは」  


 もうしばらく終わらないわ、これ。





■□■□





「……やっと終わった」


 俺は座ったイスにふんぞり返って伸びをする。

 大変だったな。


 マジで。


 いくらになったんだろうな。 

 20万はいったろ絶対。


 つーか、学校祭ってこんなに売り上げでるモノなの?

 ウン十万売り上げましたって、どこの繁盛店だし。

 

「お疲れさま、冬夜くん! はい、これジュース」


「お、ありがとう裕璃」


 あー、うめえ。

 疲れた体にしみるわー。


「スゴい売り上げだよー」


「へぇ、いくら?」


 kwskお願い。


「うーん、軽く50は超えてるかな」


「50って、万?」


「うん」

 

「まじかい」


 すっげぇなおい。

 最低でも500人位は来たってコトか!


 やべーな。

 そりゃ疲れるわ。


「肩、揉んであげよっか??」


「お、いいの? ありがとー」


 裕璃さんや、助かるのぉ。

  

 モミモミグリグリ、ああ気持ちいい。


「うしょっと……どう?」


「あー……気持ちいい」


 JCの肩マッサージとか、向こうじゃなかなか味わえないよね。

 業界で10分一万円とかか?

 調べたくても、もう知ることは出来ないや。


 ……篠崎のおっちゃん、元気してっかなぁ?

 

 バカみてぇな死に方しちまったからなぁ……

 

 あーあ。

 おっちゃんには親子で迷惑かけちまったからな。

 いつかちゃんと、お礼を言いたい。

 

 ぐいぐいと揉まれる肩。

 

 少し感情に浸りながら、リラックスしてマッサージを受けた。


「「「あ、私達もしてあげる!」」」


 途中、この前のマッサージ三人娘が混ざってきた。


 ほら、裕璃ん家でテスト勉強したとき、俺が寝落ちするほど気持ちいいマッサージしてくれた女の子達だよ。


「じゃあ、手足お願い」


「「「うん、任せて♪」」」


 ムニムニグリグリ。


 あ゛~……

 あ゛~……


 やっぱり上手いな~……


「冬夜くん」


「今日は寝ちゃったら」


「ダメだよ?」


「「「ねー!」」」


 息もぴったり。

 この子達とは4Pがいいかもね。


 お尻を3つ並べて後ろから〇〇(ピー)、おっとっと、報道規制が。


 極楽だあ!


「はいお終い」


「ありがとなあ裕璃」


「いえいえ」


 本当にいい子だなぁ。


「冬夜くん」


「寝っ転がってもらえれば」


「後ろ側も出来るよ?」


「おー、頼むー」 

 

 ゴロンとその場で寝転がった。

 下には段ボールを敷いたので別に大丈夫。


「「「いきまーす!」」」


「お願いしまーす」


 ……


 あぁ~……


 最高。


 前より上手くなってる?

 この指圧堪らねぇ。

 店出せるよこれは。


 






 しばらく俺は三人娘のマッサージを受けていた。



 ~♪ ~♪



 あ、メール。


 スマホを取り出して開く。


 楓さんからだな。

 何だろう?


 

 俺は何気なしにメールを開く。



 俺の顔から表情が消える。


 事態は思った以上に動き出していた。






















 『件名:緊急事態』







  冬華さんが拉致されました。














 最悪の方向へ。

 


「……冬華」 



 クソが……ぜってぇ許さねぇ。


 地獄の底まで追いかけて皆殺しにしてやる。





 



三十話目。


皆さんありがとう。


この調子でパンパンヤります!

間違えました。

バンバンやります!


最早下ネタは既定路線ですね。


それでは。

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