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episode seventeen

 中間テストは終わって、一学期の主な行事は残り期末テストと学校祭のみとなった。

 テストの返却もボチボチ完了し、訂正作業も終了。


 六時間目、総合。


 今は個人表を返されている。


 国語 95点 3位

 社会 100点 1位

 数学 98点 2位

 理科 91点 5位

 英語 97点 1位


 総合 481点 2位


 ……マジで?


 な、なにぃ……JCに負けただとぉ!? って思ったよ。

 教科別はしょうがないよね。

 そこは諦めてた。

 総合だよ総合。

 嘘だろ?

 得点率96%越えてるぜ、俺。

 スゲーな1位の娘。


 一番難しかったのは理科だ。

 まさかの論述あったわ。

 実験結果を見て考察するやつと、いくつか法則を用いて実験結果を予測するやつ。


 レベル高すぎかよ。


 すげえな義務教育。

 前世の学校もこんなんだったのかな?

 学生って結構大変なんだな。


 あ、俺は完全に英語の認識だけど、実際は北海連合王国語ってヤツだからな。

 たまについうっかり冬華やみんなに英語とか言っちゃいそうになる。


 回りを見てみると、みんなの顔色は悪くない。

 出来が良かったのだろうか、満足する結果を得られたようだ。

 

 うんうん、みんなが上手くいってるのをみると、俺も嬉しいぞ。


「はいみなさん、個人表は家で見てくださいね。多くは言いませんが、期末テストもこの調子で頑張ってください」


 茅野先生が教壇で話している。

 真面目そうな人だが、俺の目はごまかせない。

 

 俺が真面目に学校に通うようになってから、早1ヶ月ちょい。

 徐々に先生の服はエロ清楚なものに変わってきている。

 クラスのみんなや、恐らく教職員は気付いていないだろう。

 それくらい少しずつ着実に服装を変えにきている。


 このドすけべ教師め!


 俺と目が合うと自然に逸らすが貴様、頬が染まってるのにこの俺が気づかないとでも?

 甘いぜ。

 

 たしかに甘そうだが、先生は。

 何処とは明言しないけれども。


 夏休みくらいに、授業の内容を聞くって建前で家を聞き出して、そいつにかこつけてイロイロ教えてほしい。

 もちろん肉体言語で。

 体に直接。


 その場合、教師になるのは俺だがな。


「それでは、学校祭の係と出し物を決めたいと思います」


 俺が禁断の妄想をしてる間に、先生の話は結構進んだようである。

 

 ほう、そんなことをするんだ。

 これも初体験だからな。

 楽しみだ。





■□■□





 帰り道。


 結局、今日の総合は係を決めただけで終わってしまった。

 出し物にまで手は回らなかったのだが、まだ決める時間はあるとのことなので、各自考えてくれって言っていた。


「お兄ちゃんは、何係やるの?」


「俺は宣伝係ってのになったよ」


「わ、お兄ちゃんも? えへへ、実は私も宣伝係になったんだ! おんなじだね!」


「お、そうなのか? じゃあ係で集まるときとか、俺はちょっと隠れてようかな」


「なんで?」


「冬華がアホっぽいことしてたら、恥ずかしいじゃん」


「ひっどーいお兄ちゃん! 私アホな子じゃないもん!」


「ははは、冗談だって」


「もう……それにしてもお兄ちゃんが宣伝したら、お客さんたっくさん来そうだね!」


 俺もそう思います。


「そうか~? だといいな」


 そこは謙虚一筋で。

 これが冬夜クオリティ。


「街中の宣伝とか、一緒の班になれたら良いね!」


「そうだな~」


「出し物は決まったの?」


「いんや、まだ決まってないぞ。冬華のところは?」


「私のところも決まってないよ~」


「やっぱ一時間じゃ終わらないか」


「そうだね、ちょっと無理かも」


「何するんだろうな~っと、ただいま」


「そうだね~、ただいまー」


 二人揃って仲良く玄関をくぐる。

 テストも終わったことだし、しばらくは気楽でいいや。


 こっちでも、5月の大型連休があるようだ。

 その休みで、俺たちは3人で警護官派遣センターに行ってくる。

 スカウトだな。

 手続きは済んでいるため、後は契約書にサインを貰うのみである。

 

 これも楽しみだ~。


 自室で学ランを脱いで着替える。

 

「……ふう」


 床に座ってストレッチだ。

 柔軟性も、以前より格段に向上。

 やっぱ15歳ってのはスゴいな。

 この歳前後が一番伸びしろある。


 俺のつけたい筋肉もついてきたし。

 春休みに変質者をボコった時なんて、次の日全身筋肉痛で死ぬかと思ったんだぜ?


 薄着になる夏が待ち遠しい。

 

 目指せ悩殺ワガママボディー、ウホッ、いい男。


 ……オエェ。


 ガチムチ筋肉野郎が裸で迫って来るところ想像しちまった。

 悪夢だ。

 なまじ前世にはムキムキのヤツがたくさんいたし、俺もそれなりの体つきだったので、細かいところまで想像できちまうのがタチ悪い。


「……筋トレする気が失せちまった」


 俺はストレッチを切り上げて、リビングに行った。


 冬華がテレビを見ている。

 ドラマの再放送だな。

 一人の女に次々とイケメン(笑)がいいよってくるお話だ。

 おっと、後ろから女を抱き締め、愛を囁くシーン。


 …………。



 俳 優 下 手 く そ す ぎ だ ろ ! 



 こんな大根役者がたんまり金もらってんだろ?

 ムカつくわ~。


 ちゃんと働いてるのは、まあ良いことだとは思う。


 だがなんだこの態度と演技は。

 幼稚園のお遊戯会でやる劇の方が上手いんじゃね?


 やっぱり俺が芸能界行っちゃう?

 行っちゃいます?

 行っちゃうの?


 行きません。

 

 俳優より金貰える職知ってるし。


 それはAV男優。


 この世界のAVちっともエロくないの。

 キスして愛撫して終わり。

 極希にエッチしてるのかな? ってやつもあるが。


 さて、俺が男優になって。

 撮影のために服を脱ぎ捨て。

 そりゃもう、激しくプレイしたら。


 俺LEGENDじゃね?


 業界どころか、表舞台にも名を残しちゃうよ。


 こっちの世界の加藤のタカさん。


 いったい幾ら貰えるんだべ?


 ……真面目に検討しておこうか。


 あくまで検討するだけ。

 他意はない。


「冬華」


「ひゃいっ! ってお兄ちゃん、ビックリしたよ!」


 そんなに真剣に見ていたのか。

 こんなブ男ーズドラマのどこがいいんだ?

 

 ソファに座っている冬華を、後ろから抱き締めてみた。


「わっ! お、お兄ちゃん!?」


 うなじに敢えて吐息をかけ、首筋に顔を埋める。

 

 すっげいい匂い。

  

 髪の毛さらっさら。


 肩や腕、胸なんかはフニッフニでやわらけー。


 雪見大福みてーな。


「……お、お兄ちゃん?」


 吐息がくすぐったいのか、身をよじる冬華。 


 首や顔に優しく回ってる俺の腕に、触れてくるから嫌がってるわけではないだろう。


 つか、嫌がる要素ゼロじゃね。


 だって俺だし。 

 

「こーゆーこと、されたいの……?」


 小声で耳元に囁いてみた。

 いくら冬華がアホの娘だって、テレビでさっきまでやっていたシーンだっていうのは気付いているだろう。

 俳優より俺の方が1京倍上手だけどな。


 イケメンだし。


「あ……う、うん……これ観ながら、お兄ちゃんにされたいな~って……考えて、いました……」


 顔を赤くしながら答える冬華。


 既に身体を重ねた関係なのに、とても可愛らしいことを思ってるんだな。

 乙女だ。


 ま、冬華もクラスの女子達も、乙女じゃないんだけどな!


 俺が美味しくいただきましたからね。


 なんか、こっちの女性ってみんな肉食系なのに、妙にロマンチックっつーか、乙女チックっつーか。

 なんか理想が乙女っぽいよな。


 でもこっちじゃそんなことされるなんて、夢か2次元でしかないからね。

 

 お、俺っていう存在が不可能を可能にしているけど。


 全人類の希望。

 すごいぞ俺。

 がんばれ俺。

 乙女達に夢と希望と、ついでに性的快感をとどけませう!


 失礼。


「そうか……じゃあ、たまに冬華が油断してたらやってあげるね? わざと油断したりしたら……お仕置きだからな?」


 頬を撫でながら囁く俺。

 

 魔性だ。

 痺れる。

 さすが。


「お、お仕置き……ごくん。……うん、楽しみにしてる……」


 どっちを。

 どっちを楽しみに。


 ロマンス行為か、はたまたお仕置きか。


 冬華よ、お前の言い方だとお仕置きの方が楽しみに聞こえるぞ。

 将来が心配だよ、お兄ちゃんは。


 ま、俺の愛人なんだろうけど。


 俺はどんな冬華でも可愛がってやるからな?

 だからどんどんエッチな子になっちゃってくれよ。


 冬華にもまだまだやってほしいプレイがあるんだろう?

 俺にだって色々あるからな。



「あの、お兄ちゃん……このまま……いい?」


 

 勿論だとも。


 お前を縛り付ける鎖は、俺がくれる快楽だけでいいんだよ。


 骨の髄まで、絡めとってやるさ。


 くくく、ホントにどうして、可愛い妹だ。



クズめ。

お前もヤンデレの気質アリだよ多分。


それではまた。

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