秋葉橋の武器店
また中弛みの繋ぎ回です。次で少し話が動く予定です。
家の電子レンジが故障しました。この際だからコタツも買うことにして、自動車で秋葉橋へ行くことにしました。長い馴染みの軽ワゴンですが、あと少しでお別れです。
僕が秋葉橋へ行くと言うと、らいむちゃんも一緒に行くと言いだしました。お買い物を運んで欲しいみたいです。僕は大手量販店を回って先輩が店長の例の武器屋へ。え、らいむちゃんも電気屋さんへ行って・・・それから「武器屋」で買い物? あ、武器の店ではなくて、通称が「ブキヤ」っていう店なんですね。
秋葉橋あたりは、昔は電気関係の部品屋さんが並んでいたらしいですが、それがオーディオ関係の店になり、パソコン部品の店になり、ゲーム関係が増えて、フィギュアとかアニメ関係が混じりだして。最近はちょっと落ち着きましたが、メイド喫茶とかもけっこうあって、怪しい系なんでもありの趣味の街になってます。
その一角に僕の出入りの店があります。大学のサークルの先輩が店長をしている「武器屋」さん。アニメグッズとエロフィギュアの棚の間を通り抜けた右奥。左隣はコスプレ屋さんで、猫耳カチューシャのメイド服が店長です。
隣のビルの地下にはサバゲのガン・ショップがあったりして、元々はコンバットナイフとか扱う真面目な店だったらしいですが、場所の関係からか実用的な物より見かけが派手な物が良く売れていました。そこへ僕がヘンなナイフを持ち込んで。ファンタジー世界っぽく無駄に装飾的で、ぎりぎり合法で異様に良く切れる怪しいナイフ。
最初は普通に使えるような物を作ったんですが、思いっきり誇張した物を作ったら妙に高い値で売れて。あとはどんどん悪ノリしました。自宅の納屋に工作機械据えてるから気軽にできる事。部分梨地とか、黒染めかけたり、グリップに飾石を埋めたり。
実用ナイフは鉄系の素材です。鍛冶仕事で作る鋼の鍛造品、僕のようにステンレスを切削加工で作る物。打ち物は鉄の質や刃の造りで見かけに多少変化が付きますが、刃物用のステンレスは種類が違ってもそれほど色味に違いはありません。部分的に梨地にしたりヘアラインかけたりして質感を変えるぐらい。この点、銅系の合金は、けっこう色味が違います。白銅はステンと似ていますが、並べればあきらかに白いです。洋白は少し黄色味があります。
銅系の素材は、実用の刀剣の素材としてはあきらかに硬さが足りません。一方、これは飾り物としては利点になります。見かけの形は刀や剣でも、模擬刀つまり模型と同じ扱いに見てもらえることになります。つまり、鉄で作ったら違法なサイズや形でも許容される。さらに加工の点では、多少の癖はあってもステンよりは削りやすいこと。そして、銀ロウでけっこうしっかり接合できること。ステンでは難しい形の物が作れます。
で、先日作ったのは、完全に実用性を捨て去った、無駄に凝った造りの謎刀。銅合金を素材にしてみました。色違いの合金3種接合して、刀身には飾りの段削り。参考品としてウィンドに飾ってもらっていましたが、やはりかなり目立ったみたいです。特に隣の店に来た客があれこれ訊いていたそうです。店長が冗談半分にいくらなら買うかと訊いたみたいですが、横のナイフと見比べて「これよりずっと高いんでしょうね。」と言ったみたいです。片手剣のような物が欲しいという客が多かったみたいですから、次は装飾的な銅剣にしようと思います。ただし、客層を想定すると刃は付けない方がいいんじゃいかと思います。
銅剣といっても古墳時代の青銅鋳物とは違います。比較的硬く粘りけもある合金ですから、きっちり研げば立派に刃が付きます。骨を叩き斬るような使い方でなければ、獣の皮ぐらいはじゅうぶん切れます。ヘタに指を当てたりすればスパっと行きます。刃物の扱いに慣れない者が振り回したら絶対にヤバいです。飾り物として売るなら、刃はしっかり殺しておかなきゃだめですね。(銅合金は重いですから、打撃でも死人が出ますが。)
で、らいむちゃんの買い物の「ブキヤ」さん。いわゆるガンプラとかフィギュアとかの店なんですか。模型やドールとかもありますね。らいむちゃんは、キャラグッズを買ってます。あ、ファンタジー系の小物のコーナーがありますね。プラスチック製の剣とか武具とか、ミニサイズがいろいろあって、コスプレ用でしょうか人間サイズの剣も。これ、参考になりますよ。しっかり観察させていただきました。




