物づくり
以前にバイトした加工屋さんから連絡ありました。待望のお仕事です。仕事の概要は前と同じようです。急いで行きました。
今回のお相手は自動車の修理と改造をされている業者さん。破損して代替の無い部品の代用品を作ったり、別の部品を付けるための中間体を作って欲しいそうです。元の部品から採寸できない場合が多いらしく、既存部分と現品合わせで調節が要ることが多いようです。つまり、加工屋としては面倒な仕事。打ち合わせして、スケッチ程度の図面から機能と構造を考えて造り起こす。基本1点物なので製作図面は起こさなくても良いらしいですし、取り付け穴など一部は発注側で後加工するみたいです。まず試しにいくつか受注しました。その具合によって定期的に仕事が来そうです。つまり、しっかり良い仕事すれば、僕の仕事も継続することになるという感じ。
まず、直径の違う管を繋ぐアダプタ。左右反転形で各1個。同軸の円筒形だから旋盤で削ってフランジの切り欠きをフライスで。公差が緩いのでこれはそれほど難しく無さそう。次はポンプの台座。古い部品の形に合わせて新しい部品の嵌合部を削る。これも精度の要る部分は限られているので、治具製作無しで行けそうです。あとひとつ。これは何でしょうか・・・複雑な形ですね。組み付けてみないと角度が決まりにくいんですか。これ、おそらくあまり力のかからない部品ですよね。それなら、ここで上下に分けて作って、現物合わせで角度を決めてネジで固定ってのでイケませんか。このへんは立体パズルです。
とりあえず打ち合わせの要領で作ってみて、具合が良くなければ作り直すという事になりました。そのあと、支給品の部品と現物合わせの相方を受け取りに先方の工場へ行きました。自動車修理って言っても、いわゆるレストア屋さんなんですね。手間と工夫で何十年も前の自動車が本来の機能を取り戻す。それに関われるなんて、ちょっと楽しそうです。
例のナイフ作りも順調です。武器屋さんに出している怪しい謎刀(剣と呼んではいけないらしい)は、中途半端な値段の物をたくさん作るより、ごく一部のマニア相手に希少性で売る方が稼げる感じです。今回の分はグリップに赤い宝石(本物)を埋め込んで一段とファンタジーにしてみました。刃物用ステンで造ってダイヤモンドで研いでいますから、見かけは冗談っぽくてもカミソリ以上に切れます。いや、切れすぎて逆にアブナい感じです。切れ味を落とすか・・・それなら刃物用の材にこだわらなくても良いですね。
で、先日ファンタジーなナイフを買って行った米国人は、あちらのオタク向け雑誌の記者?だったようです。向こうから秋葉橋が特集された雑誌が送られて来ました。アニメグッズやエロフィギュアと並んでミリタリーシャョップなども紹介されていて、その中にユニークな創作ナイフのある店として取り上げられていて、隣のコスプレショップの猫耳店長がちびたち用に作った小剣を構えた姿が大きく載ってました。あの剣は Armor Piercerと紹介されていました。鎧通ってことですね。「そのうち、雑誌見た外人が買いに来るかもしれませんね」って言たら、すでにメールで照会が来ているそうです。長剣のようなのが欲しいと言ってるらしいですが、そんなのは日本では違法だから作れませんよ。
ナイフ作りがもうひとつ。アキちゃんからの注文。先日犬人村で鹿の解体を手伝ってて、珠子さんみたいに自分用のナイフが欲しくなったようです。「こないだみたいに子どもだけで鹿や猪といった大物と戦っちゃダメだよ」と言ったのですが、アキちゃんは鳥やウサギのような小物を捌きやすい刃物があったら良いと思ったようです。家にあった包丁とかいくつか持ってもらって、使いやすそうな形を考えました。その結果、少し刀身が厚くて刃の反りのある幅広のペティナイフって感じになりました。アキちゃんの手に合った物ができるまで試作3本。関節や骨の際に切り込んで裂くように使うだろうから、鋭い切れ味よりも耐久性重視で刃付けしました。村のオバ様の事もありますが、切れすぎるのも危険ですし。丈夫で洗いやすくて滑りにくいようにと、エボナイトを取り寄せて柄に使いました。試作品にも柄つけて研いで、これは犬人村の子どもにプレゼントすることにしました。秋葉橋の武器屋では包丁は売れないでしょうから。見ていた陽子さんは、薙刀が欲しいって言ってました。とりあえず作れるか検討する(実際に作ったら違法です!)ってことにしました。
ナイフじゃないけど、実用武器の製作依頼。例の犬人村の害獣退治だそうです。あちらの住人は犬人ですが、実態は普通の農民。鹿や猪を撃退する武器としてらいむちゃんが考えたのが投げ槍。子どもたちが囲んでまわりからたくさん投げつけて痛めつける。害獣は手を使えないので、投げた槍はあとで回収できます。切れ味とか耐久性よりも数が大切。柄は向こうで作るから、刃先だけこっちで調達できないかという話でした。厳密には、このサイズの刃物は違法なんだけどなあ。
自動車屋さんへ納品に行った際に、解体部品の中に板バネがあったので、これを譲ってもらいました。これを形に切断して、柄に差し込むところには固定用に穴を2個あけて、グラインダで削って刃を付ける。作業は単純だけど、同じ物を50個も作るのはしんどいです。代金がわりにと、大きな鹿の皮と角を貰えるそうです。角はナイフの柄に使っても面白そうです。皮は、僕が使うよりも役立ててもらえそうなので、武器屋さんから皮職人さんに渡してもらいます。




