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妖怪の技の大研究 by らいむ

幕間の小ネタ話です。


らいむちゃん視点です

 珠子ちゃんたちは、トンネル抜けた異世界で勇者ごっこやった。アタシも行きたかったって言うと、珠子ちゃんも来てほしかったって。まあ、アタシはビデオ撮りに行くつもりだったんだけど、珠子ちゃんは戦闘の手伝いをしてほしかったらしい。戦闘ねえ。


 今日はお酒とおつまみ持って陽子さんの所でお泊まり会。先日の大狼退治から、お互いの妖力技の話になったけどね・・・

 珠子ちゃんに「雷獸って電気でしょ。どんな技使えるの?」って訊かれちゃったよ。アタシの必殺技ねえ。あたりを大雷で制圧ってのはパパの自慢話のパターンだね。電撃を飛ばすって、雷斗にいちゃんが遊んでるやつだ。でもあれって、腕に電流が流れて自分もピリピリするよなあ。電子ビームって、電子線は空気中はそんなに飛ばないよ。電磁波にして・・・マイクロ波なら熱になるか。超電磁砲って、ああ、指先のコイン飛ばすやつね。


―――――――――――――――――――――――


R「パパは脳筋派で出力自慢だからね。空中に電荷をどっちゃり貯めて、あたりに雷落としまくったって話はよくしてるよ。」

T「そういえば、らいむちゃんのパパって、雷音って名前だったよね。ゴロゴロ・ドッカーン。」

R「自称出力100万kWって原発並だね。うはは。でも、あれ、照準もタイミングも無しに、あたり一面絨毯爆撃だから、水爆と一緒で実戦では使えないね。」


R「昔のアニメにあったやつね。手掴みして相手に電流を流すんなら簡単だよ。『電撃だっちゃ!』って。」

T「手から的に向かってバリバリって火花を飛ばすのはできないの。」

R「電圧を上げれば、少しは飛ぶけどね。パチパチって、ホント火花。」

T「遠くまで飛ばないかなあ?」

R「無理に電圧上げても、相手に飛ばないで地面かとこか近い所へ流れるね。雷斗にいちゃんの『雷槍』ってのもあるけど、小さな放電をおこして空気をプラズマ化して相手のところまで道を作って電流を流してるの。ビジュアルはいいけど、動く相手は狙いにくんだよ。」


T「電子ビームって、空気中は飛ばないのか・・・」

R「粒子では飛ばないから電磁波にして飛ばすしかないね。X線とかガンマ線ってやつね。」

T「それってなんか危なそうだけど。」

R「それほど危なくはないね。浴びてもすぐには死なないよ。たっぷり浴びせれば弱って死ぬかな。あとは周囲を汚染するぐらい。あはは、2次被爆はやっぱヤバいね。」


T「それで、マイクロ波って電波でしょ。」

R「電波だけと光に近いのよね。そしてあたると熱にかわる。緩くあてるとホコホコして肩こりとかなおるよ。」

T「戦いには全然役に立ちそうにないね。」

R「電子レンジもマイクロ波だよ。敵に浴びせて、1分たったらチンってのはどうかな。卵みたいに中から加熱したら頭がバーンって。そんな映画あったよね。」

T「でもそれじゃぁ奇襲ぐらいにしか使えないじゃん。」


R「やっぱり実体弾を飛ばすのが確実だね。1/2・mv^2 で、速度上げれば威力増すし。」

T「ところで、あれ、コイン使うのは何か意味があるのかな。」

R「ビジュアル的に面白いけど、安定性を考えると球体か砲弾形かな。超音速まで加速するんだから、空気抵抗も考えないと。」

T「鉄砲みたいな感じかな。弾が速いと避けにくくなっていいね。」

R「これ、おもしろそうだから、ちょっと研究してみるわね。みゃはは。」


 アタシの得意分野は直流よりも交流。電圧よりもパルス幅の制御。やっばり面白そうなのはレールガンかな。マイクロ波は、今度おばちゃんに試してみよう。


―――――――――――――――――――――――


 ついでに、陽子さんと珠子ちゃんの技を研究させてもらおうっと。


 珠子ちゃんの技って判りやすそうだね。妖力を爪に沿って伸ばすらしい。まず爪の長さ。普通の猫でも爪はにゅうっと伸びるけど、珠子ちゃんは変化を使って30cmぐらいの長さまで伸ばせるって。硬い鎧でも軽く切り裂けるって言うんだから、対象物にも干渉するみたいだね。妖力技の「爪の斬撃」って、爪の先が伸びるイメージかと思ったら、珠子ちゃんの説明では腕を伸ばす感じだって。爪で毛皮でも骨でもスパっと斬れるっていうんだから、やはり空間への干渉かな。


 一見簡単そうで、予想外だったのが陽子さんの火炎。指先や耳先や尻尾の先に灯す狐火と同じものだって。そこで狐火を観察。まず、あれって炎だよね。つまり気体が燃えてるってこと? 「太古の神域の劫火を抓みとって来るっていうような説明だったはずだけど、修練したのはずいぶん昔だからなあ」って、陽子さん。すると召還?

 そこで実験。水に浸けて冷やしたガラス瓶の中に小さな狐火を出してもらいました。火は燃え続けるか? ガラス瓶の中の変化は? 結果:火は燃え続けた。ガラス瓶の中に水滴や煤や曇りは生じていない。圧力の変化はほとんど無し。

 瓶の中の酸素を使っているのではなさそう。燃える物も酸素も「向こう」から来て、燃えたあとの物は「向こう」に返されているらしい。それなら質量は保存されるけど、炎のエネルギーはどうなるのか。狐火を大量に消費するとこの世の「熱死」が早まるのかしら。冷気を使う妖もいるから相殺かな?


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