変化する妖たち
らいむちゃんの工作の成果？で、数日後に役所の出張所へ行くと、ちゃんと住民票が取れました。これで、珠子さんと陽子さんは正式にうちの借家人に。人として働けるようになったんだから、家賃ぐらいは、せめて食費ぐらいは稼いでほしいです。
やはり隠れてトレーニングしていたらしく、ちびフェレットたちは妖力が増して変化できるようになりました。今日、風呂あがりに変化した姿で駆けだして来ました。まだ完全に人化はできなくて耳尻尾の獸人形ですが・・・って耳尻尾のほかは裸。裸の耳付き幼女！！ 怪しい、というか危ない。 ずん胴体型で少しお腹ぽっこり。ちょっとお尻つき出して、前は突出物無し。そっち系の趣味が無いのではっきりしませんが、幼稚園児～小学校入学ぐらいの感じ。とにかく危険すぎるので、急いでタオルを巻きました。
「おにいちゃ」「にいちゃ～」「ひょろにい」 あ、この子たち、変化したらしゃべれるんだね。まだだいぶ舌たらずですが、ちゃんと言葉になってます。あれ、「・・・珠子さん、変な呼び方教えないで・・・」
風呂場で珠子さんに洗ってもらいながら試したら変化できたそうです。「いきなり変化して走れるんだから、こいつらたいしたものだよ。」と言うのは陽子さん。「それでも、しばらくは練習しなきゃ。ひょろ志、この子たちに服買ってやって。」 珠子さんに言われなくても服は買いますよ。子ども用の体操服やシャツならネット通販で買えば早いですから。裸で走り回られると危険です。
おでこが大きくて目も大きい「はるちゃん」。「なつちゃん」はちょっとほっそり背が高いです。丸顔でほっぺもぶっくりしているのは「あきちゃん」。変化したちびたちは姉妹らしく良く似ていますが、それぞれ違いもあります。獣姿の時と比べて見るとおもしろいです。しばらく獸人形になっていたあと、ちびたちはイタチの姿に戻りました。珠子さんによると、長い間変化しているにはもう少し妖力が要るそうです。
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≪陽子≫
ちびたちが変化できるようになった。珠子の指導も良かったのだろうけど、思ったよりもだいぶ早かった。この分だとあと一月もすれば完全に人化できるんじゃないかな。それまでに、人の形で戦うやり方も練習させなきゃ。鎌鼬の技は強いが、懐まで入り込まれた時には使えない。徒手で戦うのは無理だから、懐刀か何か得物が要るなあ。細志は刃物を作れるようだから、相談してみるか。しかし、山の大きな猪相手に鍛錬しているとは言っても、あいつらの妖力の増し方は結構なものだな。
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≪珠子≫
らいむちゃんが余っているパソコンをくれました。ひょろ志の家の無線LANに繋いだので、いつでもネットができます。今日はパソコンにメール送って来ました。あたしも携帯欲しいなあ。
あたしが「猫だからジャンプしてくるっと回転したりするのは得意」って言ったのを覚えていて、今度動画を撮らせて欲しいって。「編集してネットに揚げるから。ぐひひ。」って怪しそうな文章。衣装はらいむちゃんが用意するそうだけど、あの様子だと、最近のアニメっぽくふりふりエプロンとかかなあ。
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珠子さんが説明してくれました。うちの妖怪たちは基本が獣の姿。妖力を使って、半分獣で半分人の姿を経て、完全な人の姿になれるそうです。変化している間は妖力を使うのですが、妖力の高い陽子さんは常時人の姿を取っていられるそうです。珠子さんも数日間ぐらいは続けて人の姿を保てるそうです。獸人形は完全な人の形になるのに比べて1/3ぐらいの妖力で済むらしいです。陽子さんが普段は人の姿なのは「個人的なこだわり」なんだそうで、お酒飲んだ時に耳が出るのは気の緩みとか。珠子さんが普段耳出しているのは「猫又としてのアイデンティティ」だそうで、決して楽だからでは無いと言ってますが。
雷獸のらいむちゃんは獸人形が元々なので、人の姿になる時のほかに豹のすがたになる時も妖力が要るそうです。スナおばちゃんは、妖力で変化しても人の姿(年齢？)が変わるだけで獣化はできないそうです。妖の変化にもいろいろあるらしいです。
ちび鼬たちが変身できるようになりました。
