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復讐のアルクメディア 共通①

カーテンの隙間から朝の日が差し込む。隣で飼われいる鶏が鳴きもう起きる頃だと知る。

生まれて数年、早寝早起きを欠かさなかったが、昨日は中々寝付が悪かった。


「ふあ……」


いつもは滅多に出ないあくびを久しぶりにする。感心している場合ではなかった。

早く着替えて朝食の支度をしなくては、彼が料理をはじめてしまう。


「おはようアルクメディア、今日はいい天気だな」

「おはようございます義父さん」


私は早く起きたのだが、それより早くイーヴォルドが起きてしまっていた。

私は彼の養女なのだが、義妹は花嫁修行で近くのお屋敷でお嬢様お付きの侍女をしている。

ちなみにそのお嬢様の弟は私の婚約者だ。


「今日はあの娘が帰ってくるだろう?」


―――ああそうだ。彼が早くに起床したのはそれでか。

いや、だけど料理はさせられない。

育ての親だからとか男だから、という事ではない。彼は料理が壊滅的に下手なのである。


妻を無くした彼は娘で私の義妹にあたるロゼッタを男手ひとつで育てた。

私が引き取られたのは街頭でスープを売っていたのをロゼッタが気に入ったからだ。

私はロゼッタには頭があがらない。それにとても気立ての良い子で私をしたってくれる。


「座っててください料理は私がやりますから!!」

「いや、しかし久々に娘に手料理を……」


義父イーヴォルドは味覚オンチでその自覚がないのがタチが悪い。

―――ロゼッタには、それが遺伝(いか)なくてよかった。


「……あ、帰ってきたようだ」


私達は出迎える。なぜか、私の婚約者のジェフまで来ている。


「今日はどうして?」


もしかしてロゼッタが帰省する機会だから私に会いに来てくれたのかしら。


「……」


ジェフはばつが悪そうに顔をそらして黙っている。


「姉さまごめんなさい!!」


ロゼッタがいきなり謝る。そして泣きながらその場に崩れた。


―――朝早くに告げられた義理の妹の言葉に私は耳を疑った。

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