アーサー王、返り討ちにしました
本当にすみません。
寝坊して仕事に遅れそうなので、これしか書けませんでした。
その代わり、明日は二話分の長さにしますので、お許しください。
午前と午後の稽古が終わり、いつも通り自室で本を読んで、魔法の研究をしていた。ディアに聞けばいいと思うが、生憎、ディアは魔法の事については何も教えてくれないのだ。
だからこうして、毎日本を読みながら研究しているのだ。
その甲斐があり、一つの結論にたどり着く。
使いたい魔法を強くイメージすると、詠唱なしで使える。
詠唱なしで魔法を使えるメリットは、相手に何の魔法を使うかを悟らせない事だ。
戦闘中、何の前触れもなく炎の槍が飛んできたら、アリサでも軽い火傷を負うだろう。それぐらい脅威なのだ。
その事にたどり着いた日から、自室で光魔法、ライトを無詠唱で練習している。
神気がなくなるまで発動し、なくなりかけたら寝る。その繰り返しをした。
そして、半年後。
最初は1時間しか続かなかったのだが、今では10日ずっと発動し続ける事ができるようになった。
ライトという魔法は、火より明るく照らせるのだが、 何より消費する魔力が火魔法の10倍にもなるのだ。
それを10日も維持できるアリサの神気の量は一体。
いつも通り無詠唱の練習を終え、ご飯を食べにマリアの元へ向う。
廊下を歩いている途中、家の外に嫌な気配を感じた。
そのため、アリサは気付かれないように外へ出て、気配を探る。すると、家を囲むように7人の盗賊らしき者がいた。
当然、アリサは排除する事にする。
まず、マリアの部屋の場所で待機している盗賊を、首を叩き気絶させる。
勿論、音を立てずに。
そして、そこから次々と気絶させていき、残りが3人となった時、リーダーと思しき男がフレイムを発動した。
下級の魔法ではあるが、家を燃やすのには十分である。
しかし、その火の塊は、家に届く事がなかった。
「魔法還元」
アリサがこの半年で見つけた魔法、魔法還元は、全ての魔法を、元の魔力へと戻す事ができる。
つまり、今のフレイムも魔力へと戻されたのだ。
男は驚愕する。
魔法は発動したのだ。失敗するなら、飛んで行く前に消失する。
つまり、結界が張ってあるか、誰かに消されたか。
前者はあり得ない。そもそも、魔力の反応がないのだ。
という事は誰かに消されたという事になるが、魔法を消す魔法というものはない。
そもそも、矛盾しているからだ。
魔法を消す魔法なら、その魔法自体も消えてしまう。
それは、大魔導士が唱えた理論だ。
予想外の出来事に、男は撤退するしか選択肢がなかった。
撤退しようと仲間の方を向く。
「貴方の目的は何だ?」
目の前に現れた金髪の美少女に目を奪われる男。
しかし、その美少女が帯びている濃厚な殺気が肌に触れ、恐怖に駆られた。
「取り敢えず、気絶して貰います。」
その言葉と同時に、視界がブラックアウトした。