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アーサー王、剣を持ちます

お昼を挟み、アルとの剣術の稽古が始まった。

最初はマリアに反対されたが、アリサとアルの押しに負け、午前と午後で分けて稽古することになった。

いくら最強のアーサー王としても、何年も剣を持たなければ、その剣技は錆びついてしまう。それは、アーサー王とて人間なのだから仕方ないことだ。

そして、アルの剣技はこの国最強らしい。

そもそも、貴族と言うものは、国を守る戦士のことを指す。つまり、強くなければ貴族にはなれないのだ。そのため、貴族の当主達は一騎当千の強さを保有している。

アリサの鈍った剣技を取り戻すためには、もってこいの相手というわけだ。







稽古する場所は、うちの敷地内にある道場だった。

そこそこ広い道場で、アリサとアルは見合っていた。


「なぁ、本当に防具いらないのか?」

「はい。お父様こそいらないのでしょうか?」

「その自信はどこから出ているのかわからんが、俺は防具つけると動きが鈍るからな。」

「そうですか。痛くて気絶しないでくださいね?」

「おいおい、俺をだれだと思ってるんだ?」


その言葉とともに殺気を放つアル。しかし、牽制しようと放った殺気は、アリサには通じなかった。


「お父様、この程度の殺気で私を牽制しようとしたのでしょうか?」

「おいおい、本当に言ってるのか…?」

「聞かずともお父様が一番わかっているのでは?」


幾つもの修羅場を乗り越えてきた最強の王には、強さに限らず殺気は意味がないのだ。


「お父様から来ないのであれば私から行かせてもらいますね」


アリサの意識が鋭くなり、アルも構えをとった。

そして、アリサの姿がぶれた。

アルがアリサの姿を認めた時には、既にアルの脇腹を抜けていた。

遅れてやってくる痛みと反動。

危うく意識が飛びそうになったが、食いしばって食い止まる。


「大丈夫でしょうか?」

「あ、ああ。すまない。油断した。」

「娘だからって容赦したら許しませんよ?私だって強くなりたいのですから」

「それ以上強くなって何がしたいんだ?ってか、なんでそんなに強いんだよ」

「それは、お父様の娘だからです」

「なんて優秀なんだ俺の種は」


娘の前で何てことを言うんだと思ったが、ここはスルーすることにしたアリサ。


「さて、次は油断しないでくださいね?」

「ああ。安心しろ。ここからは油断なしの本気で行かせてもらう」


二人の意識が高まる。触れたら殺されそうな鋭い殺気が交差する中、先に動いたのはアルだった。

先程のアリサの先制より速かったが、アルの横一線の攻撃を危なげなく逸らし、後ろに飛んで距離をとった。

そして、その場で剣を縦に切るように降った。すると、鋭い光の線があるの方へ飛んで行った。


「なっ!?」


驚きながらも体を逸らしてかわすアル。


「お、おい!今の闘気じゃねぇーか!なんでお前が使えるんだよ!?」

「さて?何故かわかりません」

「お前、才能って枠じゃ収まらないだろ。」


呆れながらも隙を見せないアルに、アリサはアルの評価を上げることにした。


「では、行きますよ?」

「はは、アリサ、お前まだ5歳だろ…まぁ、本気で来いよ」


そして、激しくぶつかり合う二人。実力者でなければ剣を追うことはできないであろう速度で繰り出す攻防。

肌にかする寸前で自分の剣を滑り込ませ、相手の攻撃を防ぐ。その精神を消耗する一進一退の攻防は数分間続いた。



「くっ…!」


先にミスをしたのはアリサであった。

アルの一撃が太ももに当たり、バランスを崩してしまう。アルはその隙を見逃さず、防ぐことが不可能な首をめがけて振り下ろす。

しかし、アリサは一騎当千どころではない、伝説にすらなった人物である。いくら体が鈍っていると言っても、闘いにおいての感は鈍ってなかった。迫り来る剣を、横から裏拳で逸らした。

そして、反対の手でアルの鳩尾を殴りつけた。


「ぐはっ…!そ、それは卑怯だろ……」

「闘いにおいては勝つことが全てですよ」


それを聞いてアルは意識を手放した。



アリサのスペックは全て3倍なので、大人より強くなってます。

本気で殴っても210kg(格闘技もマスターしているため)


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