07.宴の裏側
銀座の裏通りにある、格式高い料亭「霞桜」。
その夜、奥座敷には、スーツ姿の男たちが集まっていた。
「いやあ、アリサさんにはいつも助けられてるよ。」
「この前の件、うまく処理してくれてありがとう。」
「来年度の予算、うまく通せそうですか?」
アリサはさりげなく隣からスーツ姿の一番偉い男にボディータッチした。
「大丈夫、うちの局長も“納得”してる。例の資料、うまくまとめておいてくれよ。」
笑い声と高級酒の音が交錯する中、アリサはにこやかに盃を傾けていた。
【皆さんのためなら、私、なんでもしますよ】
その言葉に、男たちはさらに笑い声を上げた。
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その様子を、遠くから見つめる影があった。
「……やっぱり、いた。」
ナナが小型カメラのシャッターを切る。
「リョウ、音声拾えてる?」
「バッチリ。マイク仕込んだ箸置き、ちゃんと機能してる。」
「ユウキ、リアルタイムでクラウドにアップして」
「了解。暗号化して保存中。証拠は逃がさない。」
彼らは、オタク仲間の中でも“現地潜入班”。
アニメイベントの徹夜組で鍛えた連携力と、コスプレ撮影で磨いた機材スキルを駆使していた。
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数日後、みなみの事務所に集まった一同。
「これが、料亭での音声記録です。」
再生された音声には、補助金の使途、官僚の名前、アリサの関与がはっきりと記録されていた。
みなみは、目を閉じて深く息を吐いた。
「これで、ようやく“霞の塔”の扉が開くかもしれない。」
みなみは、拳を握りしめた。
「ここまで来たんだ。絶対に、財務省に一撃入れてやるわ。」




