8話 白米を忘れた。ぴえん
毎週月曜日の朝に定期更新。
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インゴットと剣豪はそれぞれ向かい合うようにしてイスに座る。
剣豪はインベントリを操作し、エビフライを出現させた。
テーブルの上にゴトッ! とエビフライが2尾ほど乗った料理皿が置かれる。
千切りキャベツ、輪切りのキュウリ、プチトマト……と、付け合わせのサラダも添えられており、彩りも鮮やかだ。
おまけにレモンもある。
「お〜」
「良いですね」
何と言ってもメインのエビフライは揚げたてほやほやの状態であり、見ているだけで食欲をそそる。
ふっくらとした大きめの衣。食いでがありそうだ。
治癒ネズミ:飯テロ!
モフモフ狂:もふもふ!
アチャチャ:え〜美味そ〜〜〜
インゴットはインベントリを操作し、現実世界から持ち込んだ調味料セットを出現させる。
10枠しか無いインベントリを調味料で埋め尽くすことなく1枠で済む調味料セットは、グルメダンジョンに挑戦する冒険者からの人気が高く、インゴットも例に漏れず愛用していた。
「剣豪さんはどれで食べる派ですか?」
目玉焼きには何かける? 論争は話題になりやすいが、揚げ物にかける調味料もまた話題としては取っ掛かりやすいことだろう。
「塩! と、レモン!」
「ほほう。私はシンプルにソース派です。タルタルソースもかけたりして」
意見は分かれたが、ケンカするものでもない。
インゴットはインベントリから食器セットを取り出す。これもまた、1枠で様々な食器が使用できる優れものだ。
取り皿と箸を剣豪に渡す。
いざ……!
両の手のひらを合わせる。
「いただきます」
「いただきまーす」
エビフライの尻尾に近い部分を箸でつまみ、先端を口元に持っていく。
まずは何もかけずに、そのまま、ひとかじり。
サクッ。ふわっ。
小気味のいい音と、柔らかい風味が口いっぱいに広がる。
「……!」
「ん!」
2人は声にならない声で喜びを表現した。
もぐもぐ、ごくん。
美味を噛み締めてから飲み込み、インゴットは感想を言った。
「こ……これは美味い……! 外はサクサクとした衣で、一口噛むとふんわりした食感と、ぷりっとしたエビが合わさって絶品ですね」
治癒ネズミ:おなかすいてきた
無色210:初見です、こんにちはー
無色210:えっ、めっちゃ美味そう
「ん〜!」
剣豪はエビフライの美味さに目を輝かせ、自分のほっぺに手を当てながら感嘆していた。
ラン:食レポせーいw
アチャチャ:エビフライ絶対持って帰ってこーい!
「……おっと、初見さんいらっしゃいませ。よければ名前の読み方教えてくださると助かります。ただいまゲストの剣豪さんとグルメダンジョンを攻略中で、雲に擬態したエビからドロップしたエビフライを試食中です〜」
インゴットは初見への挨拶をかかさない。
いつ配信に来ても状況が分かるように、簡潔にまとめて話すことを意識していた。
無色210:なしいろにーと、って読みます〜
無色210:雲? どゆこと?
治癒ネズミ:雲がエビだったんですよ
ラン:エビが雲だった
無色にぃと:どゆこと!!!?!!?!!?
文面だけ聞くと、確かに困惑する内容だ。
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